”叩くより心配しようよ”と、思っていたんだ―知りたい情報は自分で選ぶ―
「またか」
「やっぱりな」
「メンバーに迷惑」
「弟もいるのに」
と、
その当人を悪者扱い。
実際、法を犯しているし、”容疑者”と呼ばれる。
彼を正しいとは決して言えない。間違ったことをしているのだから。
、、、、、、ただ。
どうして、彼は、また同じことをしたのか?
どうして、その過ちをやめられないのか?
何か、彼をそうさせてしまう理由が、あるのではないか?
どういう背景で手を出し、やめられないのか?
そう、考えてSNSに書くひとは少ないと思うし、
実際彼の、アイドルタレント事務所を退社してからの写真が上がってくると、タトゥーがたくさん。”ワル”な雰囲気は否めなかった。
でも、そういうひとが全員、薬物を使用するわけではない。
オタクというほどではないが、
私は、KAT-TUNがすきだ。
いちばんすきなのは、デビューアルバムなのだ。
でも、そこから現在まで3人もメンバーが減ってしまったため、
今、そのアルバムを聴くと、
多分ジャニーズずきの妹なんかは、もしかして切ない思いをすると思う。
私は、今のグループの形態がどうあろうと、
”KAT-TUN”の音楽がすきなのだ。
田中聖のラップと、書いていたLap詞はよかった。
そして、彼の弟である田中樹(じゅり)くんも、
現在ジャニーズでSixTonesのメンバーとして活動し、Lapをこなす。
SixTonesのデビューが決まったとき、すでに退所していた兄の聖は、弟のデビューを心から喜んでいたという話も聞いた。
あくまでも噂であり、ネットもSNSも、どこまで信じるかは個人の判断だ。
最近、
『元KAT-TUNの田中聖容疑者を覚せい剤所持の疑いで逮捕』
というニュースを、
Twitterのトレンドを見て知ってしまった。
私の気持ちは、
「、、、、、、、、、、ああ、、、、、、、、」
という、重い鉛のようなものが心に沈んでくる感じ。
また、元KAT-TUNって書かれるんだ、弟も今頑張っているよな、
きっとネットではまたこのことで叩かれる、
それぞれのファンに心配をかけたり、怒りを抱かせたりしているだろうな、
、、、、、、という想像がつく。
彼は、かつて活躍していた青年なのに。
多くのひとが彼に対し、ただただ嫌な気持ち、不快な気持ちをもつだろう。
でも、私は、KAT-TUNのデビューアルバムが、どうしてもすきだ。
もやもやする。
そんなとき、この記事を見つけた。
俳優の高知東生さんが、過去に覚せい剤・大麻の所持で逮捕されたのは知っている。
しかし、『ギャンブル依存症問題を考える会』の代表の田中紀子さんという方とご縁があり、回復プログラムに取り組んだという。そこから田中紀子さんと一緒に配信するYouTubeや、SNSで発信し、薬物依存治療の支援や啓発活動を行っているという。
田中聖も、公表はしなかったが自助グループに参加していて、回復しようと一生懸命だったし、YouTube(たかりこチャンネル)の撮影時は裏方としてカメラマンを買って出るなど、意欲的だったそうだ。
芸能人の再犯について、
「やめる気がない」「一生刑務所に入れたらいい」
という批判の声があふれると、他の依存症治療に取り組むひとたちも
「自分が社会にいてはいけない」「味方はいない」
という疎外感をおぼえる。
そのため、田中紀子さんと高知さんは今、彼へのバッシング一辺倒の流れを変えたいと思い、
「出たがりだ」「傷のなめ合い」
という厳しい反応のリスクも覚悟して、あえて
「またすぐ回復できる」
「仲間としてつながっている」
「待ってる」
という、田中聖へのメッセージを発信した。
以下は抜粋。
そして、田中紀子さんは田中聖について
「とても礼儀正しく、依存症患者を助ける側に回ることができる数少ない人」
と話しているという。
こういう、背景を知り、治療に必死に取り組む姿を支える人が発信してくれることで、私の心が、なぜか少し救われた。
病名や症状は違えども、罪にはならなくとも、
私も精神科に通い、治療を受けているのに社会に出ることに苦労している、立派な病人だから。
田中聖についての記事は、様々出ていて、
『弟とKAT-TUNは大迷惑』
という見出しと共に、いかにも悪そうな彼の写真を載せている記事もあるが、そんなものは読まなくてももうわかりきっている世間の反応だろうし、弟が迷惑しているなんて、本人に直接聞いたわけでもないだろう。
でも、こういうことが起こってしまう社会的な問題点について考えるための記事もある。
世の中、捨てたものではない。
自分に必要な、知りたい情報は自分で選んでいこう。
最初に手を出してしまったのは、間違いだ。
何がきっかけかは知る由もないけれど。
ただ、
依存症で苦しむひとは、芸能人だけではなく、世の中にたくさんいる。
私は、10年前に鬱病と診断されたとき、
「まず、”病気ですから治療しましょう”、という感じで。」
と、
自らを責めたり、なんでこうなったんだろう、ということを考えたりせずに治していこう、という意味で、主治医の先生に言ってもらった。
薬物の依存症は、警察が関わって拘束されたりする時間もあって、なかなか治療を中心にすることが難しいのかもしれない。
『病人』というより『罪人』、という扱いをされてしまうのだろうか。
もしそうだとしたら、社会も変わらないといけない。
決して、違法薬物に手を出すひとを許そうなんて思っていない。
そういうことが言いたいのではない。
EXITの兼近大樹さんの小説『むきだし』を読んでいない方は、
一度は読んでいただきたいと、再び思う。
病気を治すための生活をする。
そんな、当たり前のようで決して当たり前でないことが、
普通にできる世の中になりますように。
私はKAT-TUNを応援しています。
(熱烈ではなく、ひっそりと。)
※”田中聖”と呼び捨てになってしまったのは、さんもつけられない、でも
容疑者とは言いたくない、という気持ちで、気づいたらこうなっていました。