積雪鬱って言葉が生まれそうな
そんな冬だ。
私は、なまはげ県の住人だ。
私の住む県庁所在地は沿岸で、全国の県庁所在地でいちばん風が強い。
毎年雪の積もる地域。
でも、沿岸なので積雪がどーんというより、吹雪がすごい。
県の内陸部だと、真っ直ぐに空から落ちてそのまんま積もるので、目も当てられないくらいに、一日中雪かきしないと家が埋まるくらい積もる。
沿岸部は、まだましなのだ。
でも。
我が地域も、定期的に"大雪"の年がある。
そして、
内陸部の本当に奥の方だと、除雪機があるのが当たり前、かいた雪を捨てる場所に困らないと思う。
実際、母の実家が県南の内陸部だが、田んぼと山しかないので、毎日の雪寄せは大変だが、雪は捨て放題だ。
だが、ここは住宅街。
たくさん降る年には、かいた雪の捨て場所に本当に困る。
家の敷地内の雪は敷地内におさめるしかないのだが、もう、今年は場所なくなる。
まだ1月。
2月、3月とまだまだ、冬は続く。
業者を呼んだり、トラックを借りたりして、大きな川沿いの決められた場所へ排雪しにいくこともできるが、運転も大変なことだ。
道路の除雪も、大通り以外は追いつかない。
一気に、どかっと降られると、本当に……
市街地に雪が降ると、その排雪場所などで近所でトラブルも起きる。
ストレスで、家族内の人間関係もぎすぎすしがち。
車の運転も大変。
みんなが疲弊する。
今年は、そんな年みたいだ。
平成18年豪雪は忘れられなくて、
バイト先に、積もりっぱなしの歩道の雪を泳いで行ったのを忘れない。
全く大袈裟なことは言っていない。胸まで浸かった。
この家に住むようになって、いつも家を守ってくれていた母が言うには、
今年は、過去2番目に大変だということだ。
今まで私が、学校部活仕事ばかりで家のことをないがしろにしてきたことを、おかげで反省できた。
母、ありがとう。
父親も全く雪かきをしないダメ男だったが、最近母の指導で参加するようになってきた。
家族の状況はなかなかよくなってきているが、
とにかく……
疲労が半端ない。
今日は、朝4時に起きて1時間雪かきした。
一日、動けなかった。
情けない。
体力なさすぎる。
明日も、
夜の間に降るようなので、早起きしなきゃ。
もう、寝るのが怖い。
朝、玄関開けるのが怖い。
腱鞘炎持ちとか、ぎっくり背中もちとか、
言ってる場合じゃない。
これ、高齢の一人暮らしの家は、もっと大変だろう。
かかずにいると、家が潰れるのだから。
やらざるを得ない。
内陸部のひとからしたら、これっぽっちでと思われるかもしれないけど、
この地域には、この地域にしかわからない大変さがあるのだ。
東京に雪が降ったときにニュースが大騒ぎで、雪国のひとがSNSでマウントをとっているというネットニュースの見出しを見てしまったので悲しくなったが、
東京には、東京の大変さがあるのは、こちらにいてもわかる。
冬に冬タイヤを履く地域でもないし、年中雪かきグッズや雪用の長靴などを用意するわけでもないだろう。
物流が滞り、全国にも影響する。
それぞれの事情があるのだ。
雪の量を写真に撮るほどの余裕がなかったので、
親友と呼べるようなともだちから送られてきた素敵カードを、載せさせてもらおう。
なまはげ県、沿岸部の北、中央地域は、
平年の3倍の積雪を記録しているらしい。
今晩も積もるらしいので、もう寝なきゃ。
早起きしないと。
これ以上、雪が凶器だと感じる場面が訪れませんように。