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「出世魚」の江戸前にぎりを食べながらVUCAを思う

手先が不器用である。
昔から、針の穴に糸を通すとか、
あやとりとか、あまり得意ではなかった。
父に連れられて何度か行った釣りも、
細かい作業が多いのに閉口して、
結局好きになれずじまい。

だから、子どもたちを釣りにわざわざ
連れ出すこともほぼなかった。
にもかかわらず、今年中学3年生の息子は
なぜか釣り好き。
私も一緒に渓流の釣り堀へマス釣りに
数回行ったが、彼は生物部という部活に
入って合宿で釣りに行ったり、
最近も友だちと連れ立って豊洲の
海釣りへと繰り出すなど、かなり
アクティブに釣りを楽しんでいる様子。

その直近の釣果が、コハダ。
酢で締めて、押し寿司にしたのを
いただいたが、中々の味。
豊洲=東京湾で釣ってきたので、
文字通り「江戸前」である。
このサイズはコハダではなくシンコだ
とか、大きくなるとコノシロだとか
言っている話を聞き、そういえば
コハダは出世魚だったなぁと思い出す。

「出世魚」という名前を聞き、ふと
その名前の由来が気になり始めたので
いつものようにGoogle先生に頼る。
Wikipediaも良かったけれど、今日
気になったページはこちら。

umito.という名前のウェブマガジン。
マルハニチロが運営しているようだ。
「海と魚がもっと好きになる」
をコンセプトに、魚に関する様々な
情報を、2週間に1度くらいのペースで
投稿している。

マルハニチロというと、缶詰の魚、
サバとかイワシとかサケのイメージが
強い。
魚にまつわる情報を、分かりやすく
一般の人たちに伝えることで、魚に
対する興味喚起を図り、魚の需要が
少しでも高まるように、そして魚を
食べたいと思った時にマルハニチロの
商品を思い出してもらいやすくする
ために、このような情報提供活動を
行っているものと推察する。
いわゆるPRの、王道的なアプローチ。

話が横に逸れてしまった。
「出世魚」はなぜ「出世」するのか、
名前の由来を調べていたのだった。

魚は、季節によって、あるいは地域に
よって、生育の度合いがかなり異なり、
それがために見た目も違えば、食べた
時の感触も違うということが頻繁に
起こる。
代表的な例として、umito.でも紹介
している、ブリ(関西)の呼び名変遷:
ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
のような、20㎝刻みでその大きさに
従って名前を変える、というものを
挙げることができる。

日本の武士は、伝統的に、今の成人を
表す「元服」の際や、出世をする
タイミングで、名前を変えるという
ことが比較的頻繁に行われていた。
なので、名前を変えるのは縁起が良い
ということになり、実際に呼び名が
変わる魚たちを「出世魚」と呼ぶ
ようになったというのが定説である
と理解した。

「名は体を表す」という。
見た目、サイズなどの外見上の違いに
とどまらず、味などの内面の違いが
あるからこそ、昔の人たちもあえて
異なる名前を付けて区別したわけだ。

名前を変えるのが先か、
中身を変えるのが先か、
いずれにしても「変える」こと、
「変え続ける」ことが、昨今の
VUCAの時代にあっては必須のこと
として求められる。
そんなことを、「出世魚」の
江戸前にぎりを食べながら
思った週末であった。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。