【イラストルポ】-幻の銭湯-そしがや温泉21
こんにちは♨️
フリーランスのイラストレーターの福島さつきです。
今回は2023年3月に閉業してしまった銭湯「そしがや温泉21」についてお話ししようかと思います。
・その知らせは突然に。。。
それは2022年11月頃、
突如として貼り出されたお知らせがきっかけでした。
それはなんと、
閉店のお知らせだったのです。。。
銭湯ファンからは悲しみの声が相次ぎ、
私も発表後、悲しさを紛らわすように何度も通い詰めました。
（閉店発表から合計36回行きました…）
素人目では、施設自体は見た目も設備も古びた様子などなく、なぜ？？という気持ちが正直なところでした。
当時私はまだ会社員で日々忙しく仕事に熱中している中、多忙すぎて少し心の元気が無くなっている時期でした。
そんな中、銭湯やサウナ巡りの楽しさにハマり、
暇さえあれば、都内や近所など様々な銭湯を巡り始めているところでした。
そしがや温泉21との出会いは
2022年に東京都大田区と川崎市が行っていた
68店の銭湯を巡る「川崎大田銭湯大スタンプラリー」
以前から「そしがや温泉21」自体は知っていましたが、スタンプラリーで初めて訪問しました。
（懐かしい）
そもそも、そしがや温泉21って？？という方のための銭湯・そしがや温泉21についてと、歴史を振り返ってみたいと思います。
以下のイラストレポは2023年1月にインスタグラムに投稿したものです。
閉店前に少しでも多くの方に
そしがや温泉21に行ってみていただきてくて、
大急ぎでまとめていました。
・そしがや温泉21の歴史
東京都世田谷区に位置し、小田急小田原線・祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩5分という好立地にある「そしがや温泉21」。
いつも地元の人々で賑わっていて、地域の人々に愛される銭湯として長い歴史を刻んできました。
都内で多く湧き出ている「黒湯」をはじめ、さまざまな浴槽が用意されており、
裸で泳ぐのが当時は斬新だった10mのミニプール、
高温サウナ、低温ミストサウナ、
サウナの後にキリッと整う-10℃冷凍サウナなど、
多彩な設備を誇っておりスーパー銭湯の先駆け的存在でした。
施設全体の広さは約800平方メートルで、
バラエティ豊かな休憩室で広々とした空間が来客を迎えていました。
また、施設がある祖師ヶ谷大蔵駅周辺は「ウルトラマン商店街」としても知られ、一角に位置するそしがや温泉21は、ウルトラマンファンにも人気のスポットとして愛されていました。
・創業と改装の歴史
その歴史は昭和29年（1954年）、前身となる「福の湯」の創業に始まります。
昭和60年（1985年）に「そしがや温泉21」として改装され、さらに充実した設備で新たなスタートを切り、68年間、多くの地元住民や遠方からの来客に支えられ、祖師谷の地で営業を続けてきました。
その間、時代の変化に合わせた改良を重ねながら、
昭和・平成・令和の世代を超えて愛される存在となっていました。
個人的にはそしがや温泉21でお風呂に入ったあと、
ウルトラマン商店街でサウナ飯をいただくのが最高でした。
・そしがや温泉21のすごいところ
・黒湯が自慢！9種のお風呂
そしがや温泉は6種のお風呂（プールエリアを入れると9種類のお風呂があります）、3種類のサウナがある銭湯なのです！
初めて行った時はこんな広く種類も充実した銭湯が都内にあるんだ！！！と驚きでした。しかも銭湯！公衆浴場ですよ！！凄すぎる、、、
女湯・男湯は左右対称で同じ間取りです。
・入りやすい瞑想サウナ
薄暗〜く、TVもないので瞑想サウナができる貴重なサウナ室でした。
温度も〜90℃と高すぎず、高温のドライサウナが苦手な方でも入りやすかった温度設定でした。（おそらく１段目の座席だと80℃くらいじゃないかと）
残念ながら閉店 １ヶ月前ごろからサウナ室の天井が落ちかけていて、女湯では人数制限が発生していました。
・心地よい水風呂と冷凍サウナ
2人ほど入れる水風呂で体を冷やし、暑い夏は「冷凍サウナ」で追い冷やしするのがマイルーティンでした。「冷凍サウナ」は私の大好きなドラマ「昼のセント酒」のロケ地にもなっています。未体験の「冷凍サウナ」ぜひ試していただきたかったです。
・裸で泳ぐプール
そしがや温泉名物の浴内プールです！
初めて行った時は面白すぎて、終始なんじゃこりゃ…！と思っていましたが、慣れてくると不思議なもんで、毎回裸でプールを泳いでいて、なんとも爽快感？すら感じるような、今でも不思議で面白い体験でした。
天窓があったので外気も感じられ、天気とはずプールを楽しめるのも特徴の一つでした。
銭湯のプールで言うと、東京都中野区にある銭湯「アクア中野」も銭湯内にプール（女湯5m）があることで有名です。銭湯プールに入ってみたい方はぜひ行ってみてください。
このプールがあるエリアはサウナ利用者か追加料金を支払った方しか入れず、お風呂場が混んでる中プールで泳いだり、休憩する愉悦感がサイコーでした。
子供でも利用できるので、土日や夏休みなんかはお子さん連れが多かった印象です。（キャッキャ遊んでいるのが微笑ましかったな〜）
・おまけ
テラスはログハウス調になっていて、どことなく懐かしい雰囲気。紙パックのジュースを飲みながらゆったり休憩するのが至福だったな〜
・閉業してしまった理由
そしがや温泉21が閉店した理由は、主に建物や設備の老朽化によるものでした。
昭和29年に創業し、昭和60年に改装を経て長年営業を続けてきたものの、施設の維持が困難な状態に至り、最終的に令和5年3月31日に閉店する決断が下されました。経年劣化による問題が積み重なり、更新や修繕が難しい状況となったことが主な理由です。
現在はそしがや温泉21の建物も取り壊されてしまい、 跡地に新しい建物を建設中のようです。
いよいよそしがや温泉21跡地の最終の基礎解体が始まります
— そしがや温泉21 (@Soshigaya_NHS) March 2, 2024
寂しさもありますが、新しい建物が出来て祖師谷が賑やかになれば嬉しいですね！ pic.twitter.com/Q34oI9z1EC
そしがや温泉21の女将さんがXのアカウントを残し、閉店後の進捗などを随時更新してくれています。
気になる方はぜひ覗いてみてくださいね。
・まとめ
今回は「そしがや温泉21」のイラストレポと共に、開店の歴史から閉店までをたどっていました。
「そしがや温泉21」の閉店、正直なところ、めちゃくちゃ悲しいです。
当時のことを思い出しながらこの記事を書いていますが、もっとそしがや温泉21にたくさん行きたかった。。
あのプールで裸で泳いでた自分がちょっと笑えてきますが、それと同時に本当に惜しい気持ちが込み上げてきます。だって、あんなに多種多様なお風呂が楽しめて、サウナも珍しい冷凍サウナまであって、
さらにはウルトラマン商店街にも近いって、もう最高じゃないですか！
普通の銭湯じゃ味わえない体験がそこにはありました。
銭湯って、ただのお風呂だけじゃないんです。
地域の人たちと顔を合わせ、ちょっとした日常を忘れてリラックスできる場所なんですよね。そしがや温泉21の閉店は、その大切な場所が一つ無くなってしまうようで、とても寂しいなと感じています。
閉店の知らせを聞いて、めちゃくちゃそしがや温泉21に通いましたが、
閉店間際は常連さんのなんとも言えない哀愁が今でも蘇ります。
お近くの常連さんはもっと悲しくて喪失感があっただろうな（泣）
ーー以下長くなるので読みたい方だけどうぞ！ーー
・そしがや温泉21の閉店から銭湯の未来を考える
銭湯の数は1968年のピーク時には1万7,999軒あったものの、
2022年には1,865軒とピーク時から89.6%の減少しています。
また、最も銭湯が多い東京を見渡してもその状況は深刻で、1968年には2,687軒の銭湯が存在していましたが、2023年には476軒にまで減少しています。
この現実は、単なる数字の減少にとどまらず、私たちの生活にとってかけがえのない存在である「銭湯」という文化が危機的な状況にあることを表しています。
銭湯は、単なる「体を洗う場所」ではありません。
それは、人々が日常の疲れを癒し、コミュニティと繋がり、心身ともにリフレッシュできる場所であり、私は銭湯を生活の中での第３の居場所だと考えています。
しかし、銭湯がなくなれば、このようなは場所はどんどん減り、
私たちの生活から消えていくでしょう。それは絶対に避けなければなりません。
そしがや温泉21の閉店は、銭湯が持つ力強い文化とその価値を再認識する契機となりました。だからこそ、そしがや温泉21の閉店で私は決心しました。
これからも銭湯の素晴らしさを伝え続け、
一人でも多くの銭湯好きが増えるように活動を続けていきます。
そしがや温泉21が残した貴重な思い出を胸に、銭湯文化の未来を守り、発信し続けることこそ、私の責任だと強く感じています。
次の世代にも、あの温かさとユニークさを引き継いでいけるように、銭湯文化にはもっと元気になってほしいなと、心から思っています。
魂がこもり過ぎてかなり長文になってしまいました。。（気づけば4000文字弱も書いていた…）
ちなみに
そしがや温泉21のイラストレポは自己制作している冊子（ZINE）「全国サウナレポート」に掲載しております！
こちらもチェックしてみてね〜
次回の記事もお楽しみに！
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