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フィンランド人🇫🇮も知らない?!ヘルシンキ大聖堂の語源

フィンランドに遊びにきたら誰もが寄ってみる観光スポット、ヘルシンキ大聖堂はフィンランド語で「Helsingin tuomioKirkko(ヘルシンギン・トゥオミオキルッコ)」と言います。
英語では「Helsinki Cathedral(ヘルシンキ・カセドラル) 」です。

2024年8月現在、ヘルシンキ大聖堂は一部工事中です。
見出し画像は6月の撮影で、この時は工事用の幕にイラストがついてなくて無地でした。

この語源についてふしぎに思って調べた過程を残そうと思います。
ややこしい(?)話なので興味ある方がいたらテキトーに読んでいただければ幸いです。

大聖堂=判決教会?!

「Kirkko(キルッコ)」「教会(英語のchurch)」の意味で、その辺で見かける教会はだいたい名前がナントカキルッコになるのですが、ヘルシンキ大聖堂にだけついてるTuomio(トゥオミオ)ってなんなんでしょ。
調べてみると、「判決」という意味です。
直訳すると「判決教会」??
ヘルシンキ大聖堂に裁判所を兼ねていたという情報もありません。
これはどういうこと?

フィンランド人にも聞いてみたけど、tuomiokirkkoをワンセットで「大聖堂」で覚えてるから知らん、とのことです。

スェーデン語から変換された言葉

さらに調べてみると、もともとフィンランドがスェーデン下で統治されたこともありスェーデン語も主流だったむかしむかし、スェーデン語で大聖堂を表す「domkyrka」という言葉がすでにありました。
このdomが「判決」という意味を持っていました。
kyrkaはもちろん「教会」です。
この時点で大聖堂は「判決教会」だったのです。

「判決」や「教会」の意味を持つ言葉はフィンランド語にもあるけど「大聖堂」という言葉のないフィンランド。
そのままスェーデン語で直訳すると「判決教会」の意味を持つ大聖堂「domkyrka」をフィンランド語の「tuomiokirkko」と直訳して「大聖堂」にしたということです。

スェーデンも「大聖堂」は輸入していた?

じゃあ「dom」ってどういうことなんだ?
となりますよね。
どうやらこのdomという単語はドイツあたりから輸入されており、これが「大聖堂」という意味らしいです。
たしかに、ドイツの有名なケルン大聖堂は「Kölner Dom」といいます。

上まで階段で登ることができるケルン大聖堂

別のところでイタリアの「duomo」「cathedral(大聖堂)」という意味です。
「dom」と「duomo」は同じ語源の言葉だと思って良いでしょう。
少し脱線するけど英語の「dome」も同じ語源ですからね。

つぶやき

まだあやふやなこともあるけど、だいたいスッキリしました。
フィンランド語って似たような背景で生まれた単語がいくつかあって面白いので、またいずれ紹介できたら良いなと思います。

【おまけ】フィンランド各都市の大聖堂

フィンランドにある大聖堂(Tuomiokrikko)はヘルシンキ大聖堂のほかにもあります。
そのうちのいくつかをご紹介します。

ポルボー大聖堂

白塗りの壁が美しい

ヘルシンキから50km。歴史を感じさせてくれる街並みの中にあります。

タンペレ大聖堂

グレーの石のレンガが趣深い

ムーミン美術館のある、フィンランド第2の都市にあります。

トゥルク大聖堂

まっすぐに高く伸びる建築が圧巻

ムーミンワールドが近い古都トゥルクにあります。

他にもオウルやサボンリンナ、ミッケリ、ヘルシンキ近郊にもあります。

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