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フィンランド🇫🇮の夏の宴でザリガニ🦀を食べる【Rapujuhla】

フィンランドで生活を始めて、初めて夏をフルで満喫しているのですが、その夏も集大成といえるイベントがやってきました。
そうです(?)、Rapujuhla(ラプユフラ)、英語で言うとCrayfish party(クレイフィッシュパーティ)、日本語でいうとザリガニの宴です?!

Rapujuhla(ラプユフラ)ってなに?

ラプユフラは北欧で行われておりスェーデンが発祥、春から夏にかけて各家庭で行われるイベントで、クレイフィッシュ(ザリガニ)を囲んで飲めや歌えやの大宴会です。
最近では8月あたりに行われることが多いようですが、うちは9月に入って行いました。

スーパーマーケットでは魚売り場ではクレイフィッシュが並び、雑貨コーナーではパーティグッズが並んでいます。
お酒屋さんのAlko(アルコ)では、ウォッカやコニャックがボトルでバンバン売れていきます。
クレイフィッシュを食べながらショットでグイッと飲むのが伝統的。

これでもかと言うくらいクレイフィッシュをあしらったパーティグッズが並ぶ

クレイフィッシュって?

もうお分かりかとは思いますが、改めてクレイフィッシュについて説明すると、日本でもお馴染みの生物、ザリガニの仲間です。

日本では、田んぼで捕まえてきたりペットにしたりと食べる機会が無いのでビックリする方も多いのですが、淡水に住むクレイフィッシュはヨーロッパや一部のアメリカ、中国などでも食べられています。
海に住むクレイフィッシュはロブスター、オマール海老と呼ばれて日本でも輸入されていると聞くと、ザリガニも「なんだ、食べ物か」と安心してもらえると思います。
味はエビというよりカニよりで、ブリブリのロブスターと同じです。

10年くらい前、北京のクレイフィッシュ有名店の前で。中国では「龍蝦」と言うらしい。食べたけどさすが本場の中国、とっても辛かった記憶しかない。

ラプユフラを楽しもう

家庭によって多少の違いがあり、特にこうでなければならないというものもないと思いますが、うちの場合のパーティの様子をご紹介します。
うちのラプユフラのホストはダンナのママ。わたしはちょっとお手伝い。

飾りつけ中のところを激写されていた。クリスマスの飾りを流用
テーブルの上もカラフルに
ナプキンもクレイフィッシュ
クレイフィッシュは塩茹でし、ディル(フィンランドではティル)で風味づけします

フィンランドの"乾杯"は"Kippis"だけじゃないよ!

メンバーが揃ったら、カクテル(わたしが作った特製モヒート)で「Kippis!(キッピス!:乾杯)」です。
初めにママ特製のポテトとニンジンのポタージュスープとパンを楽しみます。

じゃがいもとにんじん、ママの愛情がたっぷりのスープ
トラウトのとびっこにスメタナ、オニオン、ディルが乗った一口前菜

場が温まったところでクレイフィッシュが登場。

豪華に盛り付けられたクレイフィッシュ
みんなでお揃いのクレイフィッシュエプロンもつければ何も怖くない(なにが)

みんなでクレイフィッシュをむきむきしていきます。

フィンランド国内産は高いので輸入のクレイフィッシュがご家庭では一般的。今回はスペイン産
まずは爪を取って中のお肉を出すところから
専用のナイフを使えば簡単に剥けます。カニや普通のエビより簡単なので食事中、集中しすぎて沈黙することはありません

みんなのショットグラスになみなみとウォッカを注いだら、ママがわたしに、
「ウォッカを飲んでからクレイフィッシュをパクリとしたい?クレイフィッシュ食べてウォッカを飲みたい?」
と聞いてきます。
次の"乾杯"のタイミングを考えているのでしょう。

冷凍庫でキンキンに冷えたウォッカ

ふふ、ママ、わかっているよ、大和撫子を舐めないでいただきたい。
「両方やってやりましょう。ウォッカ→クレイフィッシュ→ウォッカでね!」

ウワッと歓声が上がり、透き通ったウォッカが注がれたグラスを各自高々と掲げると声を揃えて叫びます!
「Hölökyn kölökyn!」

みんなで言おう「Hölökyn kölökyn」

「Hölökyn kölökyn」も"乾杯"の意味ですが「kippis」とは違い、場が温まってから使う乾杯の掛け声です。
例えば、フィンランド人と飲んでいて会話が楽しくなって来た時に新しい飲み物が出てきた場合、また「kippis」でもいいのですが「Hölökyn kölökyn」と言うと、相手のフィンランド人のテンションが(きっと)爆アガリします。
お前、わかってるじゃねぇか、となるはず(たぶん)。
ビジネスの相手との飲み会でも途中で「Hölökyn kölökyn」とグラスを掲げて言われると、より打ち解けて結束ができたような気がします。
そして、盛り上がっている会の間「Hölökyn kölökyn」は何度やってもOKです。

何度聴いても発音が難しい「Hölökyn kölökyn」

ところで、「Hölökyn kölökyn」は何て発音するのか分かりますか?
わたしも最初は何度聴いてもよく分かりませんでした。
日本語的にわたしが書くと「ヘルキュン クルキュン」となります。
öは日本語の「エ」と「オ」の中間の音に近く、くぐもったように聞こえます。
わたしは今でもちゃんと発音できているか分かりませんが、勢いと雰囲気で貫いています。

クレイフィッシュはどうやって食べる?

さて、頑張ってたくさんむきむきしたクレイフィッシュの食べ方としては、そのまま食べたり、トースト(ライ麦パンやバゲットでもお好みで)にバターやスメタナ(フィンランドで親しまれるサワークリーム)を塗って、ディルを敷き、クレイフィッシュのむき身を並べて食べるのが一般的です。
魚卵や、オニオンを乗せるのも美味しいです。

左上はお好みでエビのマヨ合え、右上がスメタナ。左下が細かく切ったディルで右下が白身のトラウトのとびっこです
盛り付け完成。欲張りすぎ?

夏は、カフェでも似たようなレシピのオープンサンドとして売られているので是非試してみてくださいね。

断面図(食べかけ中失礼します)

おわりに

すっかり飲み過ぎてしまい次の日は昼まで胃もたれとの戦いに。
でも、とても楽しいお酒だったので悪残りはせず、やり切った感があります(?)
毎年、ご近所さんや親しい友達が集まる楽しいパーティで、多い時は20人ほどになるようなのですが、今年はイベントが重なり家族と本当に親しい友達のみで9人の会になりました。
この会でしか会えないような人もいるので来年のラプユフラも今からとっても楽しみです!

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