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本と映画

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気まぐれで書く本と映画の感想
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おとなになるってどんなこと?/吉本ばなな

吉本ばなな本人のエピソードを交えつつ、人生において感じたこと、学んだことを綴ったエッセイ。

自分がおとなになったと感じた瞬間について。
私はかなり遅く去年、23歳くらいだった。

それは、下手な恋愛をして気付かされた。

特殊な恋愛の価値観を持った相手だった。
そして、かなり感情を持っていかれ
自分をコントロール出来なくなるほど嵌った。

ネットの情報によれば、相手は回避依存の傾向があっ

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グリーンブック(2019)



たまには感想でも書いておく。※あらすじあり

オススメ映画の五本の指に入るくらい良かった。

人種差別がテーマの映画なのに
面白くて、爽やかで、現実的で、でも暗くなくて。
主人公の2人のやりとりも含め心がキュってするような映画だった。

人種差別を目の当たりにしたこともなければ、さほど意識もせず日本で生きた私にとって
この物語の良さの半分も語れないかもしれない。

それを差し引いても、とても素

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サラバ / 西加奈子

読んだ後、

あぁ、贅沢な物語だったと思った。

1人の少年が大人になり中年になるまでを
描いた物語です。

超個性派な姉を除いて
主人公の心情や生き方などものすごくリアルで。

共感できる人がいるであろう作品。

今年27になるわたしにとって、完全に反面教師だった。

なんとなくやってこれてる主人公が
年齢とともに落ちていく様は
男性よりも女性の方がリアルな気もした。

若さとそれなりに身なりを

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あん / ドリアン助川

現在追悼上映中の樹木希林最後の主演作品"あん”
あえて原作を読んだ理由と感想。(かなりおすすめ)

女優樹木希林さんが亡くなってから、
未だにテレビでの報道や特集はやまない。

現在各所で追悼上映されている
樹木希林最期の主演作品"あん(2015)”
上映当時、気になったものの見ずじまいで

単純に内容が気になり
あえて追悼上映ではなく原作を読んでみた。

映画も小説も虫食いというか。気になったも

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木漏れ日に泳ぐ魚 / 恩田 陸

まるでサスペンスだった。
展開が面白く読みやすかったが、

結末はサスペンス要素というより
恋愛気づいたことの描写がわかりやすく
共感というか、問いかけられるような
なんとも言えない気持ちになった。

あえて内容に沿わず
感じたまま書いて行こうと思う。

たまに振り返って思う。
私は本当に愛しているのかな?って。

すぐに、はい!愛してます!って人ほど本当かよ。って思う捻くれ者です、私は。(笑)

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こころ/夏目漱石

この書に対する読む前のイメージと
内容は全く違っていた。

そして、バッドエンドだった。

あらすじ

思うに最後の最後までエゴだったと思う。

なんだか切なくなった。

誰だって弱い部分には、
嫌なことを予感する前には
無意識にエゴ全開な時がある。

ずるく汚く見えたとしても

精神的な意味での、生きるための自然の防衛反応なんだと思う。

誰にでもあって、
必要なことでもある。が

私は自

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うつくしい人/西加奈子

主人公までではないが、
なんかわかる。

人の目を気にして物事を選択しながら行きてきた主人公ゆりは、些細なことがきっかけで会社を辞めてしまう。気分を変えるため一人で旅行に出かけた。
その先で出逢ったバーテンの坂崎と外国人旅行者のマティアス。二人と出会ったことでゆりが変わっていく。

坂崎とマティアスのことを、
本裏の文ではデリカシーがないふたりだと書かれていた。

果たしてそうなのかな。

人に干

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火花/又吉直樹

本を読むと不思議なもので
自分が今意識していることや
考えていたことが
描かれてるように思う。

ただ単に、自分が意識してるから印象的なだけなのか、巡り合わせでうまく回ってきてるのかわからないけど、
たぶん前者だろう。

それは、ついこの間
彼と呑んでる時に
話したことと通じるものだった。

リスクを冒してから実感、体感するものがあるということ。

登場人物の芸人達はまずリスクをおかし、自分を

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娼年 / 石田由良

ニヒルな大学生の主人公が、女性向け風俗のオーナーに出会い娼夫として働き始める。
女性の欲求に関心を持ちのめり込んでいく。

主人公のリョウは、ニヒルで恋愛感情に乏しく女性に対してもセックスに対してもつまらないと感じている。
リョウのセックスを見た後、静香さんが言ったセリフが印象的だった。

2人ですれば素敵なことを、あなたはいつもひとりでしている。退屈になるのも無理ないな。

それ

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