【ぎっくり腰】ボディワーカーのお薦めする直後にとるべき姿勢4選
はじめに(ぎっくり腰にならない為に)
ピラティスは、しなやかな背骨をつくる為にとても効果的なボディワークです。ヨガの場合、身体の硬い人ははじめるのに億劫になるでしょうし、その効果を享受するまでにやや時間がかかります。ピラティスはリハビリから派生したボディワークですので、よりすぐに効果を感じ取ることができます。
大前提として、ぎっくり腰にならない身体を手に入れる為に、最短距離の方法の1つがピラティスです。特に、西海岸スタイルの身体に優しいピラティスで、治療的な知見のあるインストラクターから習うことをお薦めします。
1年に1度、ぎっくり腰になっていた私
ピラティスを始める前の私は、1年に1度、必ずぎっくり腰になっていました。忘れた頃に、ぎっくり腰になるというよくあるパターンにハマっていました。もともと腰痛持ちでもあったので、コルセットも持っていましたし、鍼灸治療にも週に1度程度、通っていました。
サラリーマンを続けながら、スポーツクラブに通って、激しいトレーニングをおこなっていました。「ボディビルの大会に出るつもりはないのか?」などと聞かれることもあるほど、見た目は健康そのものになった時期も、やはり1年に1度、ぎっくり腰になりました。
腰痛やぎっくり腰に対して、筋力不足が原因だと考える人がいますが、これはまったくの見当違いです。背骨のしなやかさ(アーティキュレーション)や身体感覚(身体への繊細さ)を高めない限り、腰痛やぎっくり腰の癖から抜け出すことはできません。
ぎっくり腰になってしまったら(直後)
もしこのnoteを、ぎっくり腰になった後に見つけてくださった方は、「そんなことはどうでもいいから、今、困っているんだよ!」という気分かもしれません。まず、ぎっくり腰になった直後は、活動をストップさせる必要があります。出先でなった場合など、状況はさまざまあると思いますが、できる限り早く、お仕事など含めて、すべての活動(動き)を止めてください。
パソコンの強制終了と同じような感覚で、「なんとかこの仕事だけ片付けよう」などとは考えないでください。なんとかなります、諦めが肝心です。取引先や家族も、ぎっくり腰になった相手に対して、急かしたり、文句を言う人はいないはずです。約束などがあれば、今回ご紹介する姿勢を取って、数分落ち着いた後にLINEなどで連絡をしてください。焦るべきでは、絶対にありません。
ぎっくり腰には程度の差があって、どうにも動けない場合と、足を引き摺りながら少し動けるケースがあります。少し動けるケースであっても、繰り返しになりますが、できる限り早く、(ほんの数時間)活動を止めてください。
ぎっくり腰になった後のお薦めの姿勢
ぎっくり腰になった直後は、まず休む必要があります。これから紹介する姿勢の中から、「もっとも自分がリラックスできそうだ」というものを選んでください。
①側臥位(横向き、胎児や赤ん坊のように)▶️お薦め!
母親の胎内にいる胎児や赤ん坊のように、横向きになって丸くなります。
頭の下には、クッションや枕。内太ももにもクッションを差し込んでください。反る姿勢は回復を遅らせますから、背骨全体を程よく丸めてください。
こころを落ち着けて、ゆっくりと呼吸を続けます。必ず痛みによって呼吸は浅くなっているはずですから、まず、呼吸をゆっくりと深めていくことに注意を向けてください。
連絡しなければならない相手がいたとしても、連絡を取るのは呼吸が落ちつき、ある程度深まった後にしてください。気を紛らわせたいところですが、スマートフォンをこの姿勢で触っていると、神経系が落ち着かず、回復はさらに遅れます。リラックスできる音楽をかけたり、自分が癒されるための環境セッティングをできる範囲でおこないます。
あなたに元気がみなぎっていたのであれば、ぎっくり腰にはなっていなかったはずです。おそらく、働き過ぎていたり、睡眠不足が続いていたり、心か身体か、その両方が疲れているはずです。そのまま、仮眠(うたた寝)ができれば、仮眠します。
②背臥位(仰向け、腿裏や膝裏に高さを出す)
太ももの裏側や膝の裏側に、ボルスターやクッション、厚手のタオル(ブランケット)を丸めたもの、もしくは、フォームローラー(ストレッチポール)を差し込みます。
反り腰になることを絶対に避けたい状況が、ぎっくり腰になった直後です。膝が軽く曲がる状態を作ることで、腰が反ることを防ぐことができます。
腿裏や膝裏に何もない状態で、足裏をベッドや床につけて膝を曲げる姿勢でも、反り腰は避けやすくなります。ただ、太ももの前側が張る感じがあったり、膝を立てているとリラックスは当然できません。ボルスターなどの身体を委ねられるもの、あずけられるもののサポートがあることが望ましい場面です。
ピラティスやヨガをこれから深めていきたいと考えている方や、ぎっくり腰が癖づいていたり、反り腰に悩んでいる人はこの機会にボルスターを買っておいて、損はないと思います。
③腹臥位(うつ伏せ、お腹の下に高さを出す)
うつ伏せになりたい場合は、お腹の下にクッションなどを差し込みます。特に痩せた女性はうつ伏せになると、反り腰が助長されます。太った人も含めて、お腹の下に柔らかい高さの出るものがあると、腰椎の後ろ側に長さを出やすい、神経を圧迫することを防ぎます。
クッションなどを差し込む場合は、骨盤が乗らないように(股関節をまたがない)注意してください。
④チャイルドポーズ
ヨガやピラティスでおこなうチャイルドポーズ(レストポジション)も、ぎっくり腰の時におすすめの姿勢です。
これまで紹介してきたものが、すべて腰の辺りの背骨を中心に少し丸みを帯びていたり、少なくとも背骨が反っていないことに注目してください。ヨガのチャイルドポーズに似たアーサナ(アドムカヴィーラ)は胸椎の伸展(椎体側の伸張反応)を目的の1つにしますが、この場面では、その意図は持っていません。背骨は優しく丸みを帯びた状態の中、休みます。両手を重ね合わせて枕がわりにしたり、ゲンコツを2つ縦に並べたり、ヨガブロックや何かの台などを差し込むなどして、頭側に高さを出すとよりリラックスする手助けになる人もいます。
お尻が踵の方に沈んだ状態を作って、リラックスしながら、静かに呼吸を続けてください。
息を吸った場面では、お尻の穴が広がるようなイメージができると、仙腸関節にスペースを取り戻すことができます。息を吐く場面では、よりお尻を踵の方に沈めると、股関節が深く差し込まれます。吸うときに意識すること、吐くときに意識することも覚えておくといいでしょう。
腰を冷やすべきか、温めるべきか(ぎっくり腰の直後)
ちなみに、直後は冷やし、しばらく経った後に温めるという処置法が過去は一般的でした。近年、否定されるほどではないものの、必ずしも良いとは限らないという、曖昧な意見が海外の権威あるアスレチックトレーナーの団体から発表されています。
⭕️とも❌とも言えないわけですから、私からのアドバイスはよりリラックスに繋がり方を選ぶことを薦めます。丸まりながら、冷やしたり温めたり、どちらにせよ難しいでしょうから、何もしなくてもいいかもしれません。
フル動画はこちらから(1分)
紹介する動画は、4つの姿勢を動画で説明しています。保存などしておいて頂けると、幸いです。あなたやあなたの家族、あなたの大切な人がぎっくり腰になってしまった時、役に立つことができると思います。
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