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読書感想文Part1
「大人になりきれない人の心理」
大人になる準備も無しに体だけ大きくなってしまった幼児。
各発達段階における向き合うべき課題や経験しておくべき事象、母なる愛。これらを自分の物にできなかった人たち。
そんな人たちのことを著者は、「五歳児の大人」と表している。
そんな五歳児の大人について、著者が考える特徴や心理状況などをまとめている本である。
その特徴はは私が思っていたよりも身近だった。バーナム効果のような心理効果も働いているのかもしれないが、特徴に関していえば私にも当てはまるのではないかと思わされる部分さえあった。
そんな本の中で印象に残ったことは、誰もが母なる愛を希求しているということ。
筆者は人間的な「愛」を一つのテーマとしている。そんな愛を五歳児の大人に限らず、人は等しく求めているのだという。
印象深く残ったのはそこに関して深く共感を覚えたからだ。
人は誰しも、自分のことをみて欲しい、認めてほしいという欲求を抱えている。承認欲求だ。筆者の語る愛がそんな承認欲求にも似ているように感じたのだ。
アドラー心理学では、人は対人関係の中で承認を求め集団に参加し協力し合っているという感覚こそが幸福感につながると言われている。
このように、承認は幸福感を得るための第一歩に位置付けられているものである。
この承認がないことによって、人は自己肯定感が低くなったり、他者を信じられなくなったりする。
これは筆者の述べる愛と同様で愛を感じることができていなければ、自分のことを不必要な存在だと感じるようになったり、他者を敵意の目でみるようになる。
そうなることで、他者も自分も信じられず、愛や承認を希求するのみの日々を過ごすことになってしまう。
こんな日々を、送っている人たちに対して私は他人として、愛や承認を与え心理的な支えとなるような存在になりたいとこの本を読んで感じた。
世の中には、生きにくいということを周りから発見されずに、日々悩みながら過ごしている人たちがいる。隠れた「五歳児の大人」の人たちの支えとなれるような存在になれればと思う。
そのためにできることは日々の承認だ。これからの生活で意識していきたいと改めて感じさせてくれる本であった。
本日もありがとうございました。
またの読書感想文の機会に。