ゆずちゃんに聞いた、Loohcsという新しい学校

ゆずちゃんは、いま15歳の高校1年生の女の子。

2019年の秋、オルタナティブスクール「まなビバ！シリウス」で私は中学3年生のゆずちゃんに出会いました。当時ゆずちゃんは、徒歩で日本を縦断する「歩く学校」、千葉での災害ボランティア、「海の学校」など、文字通り世界をフィールドに活動していて、「まばビバ！シリウス」で顔を合わせることはほとんどありませんでした。でも自然と耳に入ってくるゆずちゃんのアクティブな姿はいつも新しくて、こんなふうに10代を過ごせるんだ！と何度も目を覚まされる思いがしていました。

ゆずちゃんは2020年春に中学校を卒業し、東京にあるLoohcsルークス高等学院に進学しました。コロナの影響によるオンライン授業を経て6月から代々木にある校舎で過ごし、夏休みを迎えたそう。

幸運なことに先日ゆずちゃんに再会し、念願のインタビューをさせてもらうことができました。

ゆずちゃんのフレッシュな体験を通して、「Schoolスクール」をひっくり返した新しい高校「Loohcsルークス」の学校生活をちょっと覗いてみませんか？

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―すごくザックリと聞くのだけれど、ゆずちゃんにとってLoohcsってどんな学校？
自由。先生が教室でスケボーやって転んでたり、雨の日は生徒が少なかったり。寝坊して遅刻するときもslackで連絡すればいい。シリウス(ゆずちゃんが中学3年生まで通っていたオルタナティブスクール)にすごく似ている。

－学校生活は、どうなっているの？
コロナで4月からずっとオンラインで、6月から学校で授業が始まったのだけど、午前中の1時間目から3時間目は教科の勉強。1時間目は英語、2時間目は数学、3時間目は国語って一応決まってるけど順番は変えてもいい。わからないことは生徒とか先生に聞く。代々木高校(Loohcsと教育提携している通信制高校)のレポートをやっている人もいるけど、中学生の勉強を公文でやってもよくて、ゆずは公文をやってる。
4時間目は心理学とか経済学とかから選べて、ゆずは心理学を選んでる。心理学の授業もLoohcsの先生が調べてプレゼンしてくれる。
5、6時間目はマイプロジェクトとか、アクティビティとか、特別講師の授業とかいろいろ。

ゆずちゃんの1日を教えてもらいました

－マイプロジェクト、アクティビティとかってどんなことをするの？
ゆずは、座談会をやるグループに入ってる。外部講師を呼んでオンラインでの授業をやって、全国の中高生に参加してもらう。
これまでのアクティビティは、代々木公園とか新宿御苑とかに行った。バドミントンやる人もいるし、ゆずはアコーディオンを持って行って弾いてた。行かない人もいる。

特別講師の授業で、この前はフランス大使が来てくれて環境問題の話を聴いた。そう！そのとき驚いたのはLoohcsの2年生が英語で通訳をしていたこと。普通の学校だったら先生とかが通訳するのだと思うけど。あとは長野県白馬村の環境活動家POWさんとか、お茶の先生も来てくれた。「美しいゲスト」という回もあって、モデルさんとかオーガニックのお弁当を作っている人が来てくれたこともあった。そのお弁当屋さんでバイトできないかなって思っていて、今度たぶん面接を受ける。

－すごく面白そう！特別講師の授業とかマイプロジェクトって、ゆずちゃんたちがやっている座談会と似ているの？
特別講師の授業と座談会は関係ない。Loohcsが「＃学びを止めるな」っていうプロジェクトをやっていて、授業料とか必要な機材を揃える費用とかをクラウドファンディングで募集した。そのときにYahoo!アカデミアの伊藤羊一さんとか、山梨広一さんとか一流の講師を呼んでオンライン授業をやった。それがすごく良かったのだけど、参加者が100人くらいいて質問ができたのが数人しかいなかった。もっと一人ひとりが深く学べるといいよねって話して、生徒の中から座談会のグループが生まれた。

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ちょっと余談です。
ゆずちゃんは現在アオイエという会社が運営するシェアハウスに住んで、そこからLoohcsに通っています。そのアオイエでも「ゼミ」と呼ばれる外部講師を招いた学びの機会があるそう。インプットの連続に疲れないのかなと思い尋ねてみると「興味ないことは忘れちゃうから(笑)」と即答。シンプル！

ゆずちゃんに聞いてLoohcsの間取りを再現しました

ビルの3階にあり、現在は33名の生徒が在籍しているそうです。

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－事務の人のとこで寝たくなるような落ち込んだこともあった？

7月にあった入学式と学期末発表会で、1年生3人で5分を自由に使っていいと言われたんだけど、その5分をどう使うかで対立したときは落ち込んだ。みんな個性的だから。でもみんな優しくて、学期末発表会の前の対立で落ち込んでたときに声かけてくれた。ゆずがキュウリだけのお弁当を食べてたときも「夕飯作りすぎちゃったからあげるよー」とおかずを分けてくれたり。前はJKってチャラそうであまり好きじゃないって思ってたけど、チャラいだけじゃないんだなって思った。

－ゆずちゃんはこれまでいろんな人に出会ってきたと思うのだけど、この人には驚いたっていうLoohcs生はいる？
2年生の男の子。共感覚があって、音が色に見えるんだって。自分の名前の音が嫌いでLoohcsでは違う名前で呼ばれているんだけど、ドラムの音だけは色がないからってドラムをやっている。その子はデザインの仕事もやっていて月10万くらい稼ぐこともあるって言ってた。でもその子めっちゃ体力がない(笑)

別の人はインターンで岐阜に行っていた。Loohcsは自分の活動で学校を休んでも、公欠扱いになる。

なんかそういう人ばかりだから、Loohcsに入って、長けてる・劣っているの両方あってそれが自分なんだ、良い・悪いじゃないんだと思うようになった。

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ゆずちゃんの話、後編に続きます。