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AlimentとAilment(翻訳者の苦労に脱帽)

英文を多読したいと考えていた頃、

斎藤兆史・上岡伸雄「英語達人読本」(中央公論新社)

を購入した。

その中で、ソロー「ウォールデン」の一部が掲載されていて、これなら英語で読めるかも、と思って、原書を購入した。

岩波文庫の「森の生活(ウォールデン)」は学生のときに読んでいて、手元にあったから、英語で読んで分からなければ、日本語で確認すればいい、と気楽に思っていた。

ペンギン・クラシック版で読み進むうちに、" reading " の章で、次の文に出会った。

We spend more on almost any article of bodily aliment or ailment than on our mental aliment.

alimentとailment。それぞれ「栄養」と「病気」という意味。
でも、綴りをみれば明らかに「言葉あそび」している。

頭韻と脚韻。

岩波文庫では、どう訳されているのか?




aliment → 滋養 (じよう)

ailment → 持病   (じびょう)


意味も「ダジャレ」(?)も、ちゃんと訳されている。感動!

一応、引用箇所の訳文を載せておきます。

「われわれはからだの滋養  -- じつは持病-- となるものに対しては、精神の滋養物以上に金をかけている。」

H.D.ソロー著 ( 飯田実 )、「森の生活(ウォールデン) (上)」、岩波文庫、p194より

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