英語 | 形容詞の並べ方
久しぶりに英文法の話を書きます。今回は形容詞の配列に関する話題です。
(1) 形容詞の「限定用法」と「叙述用法」
英語の形容詞には、大きく分けて、「限定用法」と「叙述用法」があります。
叙述用法とは、She is charming and old. のように「○○(主語)は~です」という用法のことです。述語として用いられ、主語を説明する役割があります。
それに対して、限定用法とは、a charming young lady (チャーミングな若い女性)のように、ladyという名詞を修飾するような形容詞の用法のことを言います。様々な女性がいますが、「チャーミングで若い」という女性に限定されるので、限定用法と呼ばれます。
いずれの用法の場合も、形容詞の並べ方に絶対的なルールがあるわけではありません。しかしながら、叙述用法が比較的語順が自由であるのに対して、限定用法では自由に並べると不自然に聞こえやすいものです。
たとえば、a beautiful Japanese lady なら自然に聞こえますが、a Japanese beautiful lady だと少し不自然に響きます。もちろん文脈にもよりますが、形容詞の並べ方には次のような(緩やかな)配列ルールがあります。
(2) 形容詞の配列ルール
①主観的・心理的な形容詞
→good, poor, charming など「主観的評価」を意味する形容詞が最初に来る傾向があります。
②客観的・知覚的な形容詞
→big, small のように大きさを表す形容詞、round, square のように形状を表す形容詞、red, yellowのように色を表す形容詞、old, newのように古さを表す形容詞などがあります。
③属性・用途を表す形容詞
→Japanese, Germanのように国籍(所属)を表す形容詞、wooden, cottonのように素材を表す形容詞、drinking, walkingのように用途を表す形容詞などがあります。
④最後に修飾される名詞が来ます。
このルールに従って形容詞を並べると次のようになります。
☆「a good, big, Japanese car」
(良い大きな日本製の車)
☆「a gorgeous, red, Chinese cap」
(ゴージャスな赤い中国製の帽子)
[なんだそりゃ?🤣]
このように、一般的に、形容詞が重なる場合には
①主観的・心理的な意味を表す形容詞、
②客観的・知覚的な意味を表す形容詞、
③属性・用途を表す形容詞、
そして最後に
④形容詞に修飾される名詞、という順番になります。
(3) 私の考え
このようなルールを覚えていなくても、なんとなく配列できるものですが、頭に入れておいて損はないように思います。
関係があるかどうかわかりませんが、このような英語の形容詞の配列順には、
「小さいな単位から大きな単位へ」という思考が働いているように思います。
たとえば、日本語では、住所を書く時には、「県名→市町村名→番地」のように大きな単位から小さな単位へという順番ですが、英語では逆になりますよね?
それと同じような原理が、英語の形容詞配列順に反映されているのではないか?
もう1つ思うのは、英語を書くときにそもそも形容詞をたくさん使って修飾するのは、避けたほうがいいということです。
「限定用法」で形容詞を用いるのなら、1つか2つにとどめる。どうしても3つ以上の形容詞を並べて使いたいならば、叙述用法にしたほうがいいのではないか、と考えます。
参考文献
☆田中茂範(著)「表現英文法」(コスモピア)
☆レアジョブ英会話が発信する英語サイトhttps://search.app/2Yxy9qEbFVQsCw5A6
☆ラングランド https://search.app/NVnhxmt8nMJxvRoY7
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします