小説 | 天才少女ルナの物語⑨
前話はこちら(↓)
「ちょっと遅くなってきたから、つづきはまた明日にしようかの」
ジェイコブ博士は夕陽を見ながら、私たちに話しかけた。
「博士もお疲れでしょう。ルナと私は宿舎に戻ります。また明朝お会いしましょう」
「そうじゃな。私のところにもさっきオリバー君から連絡がありました。明日のお昼頃には、彼もここにやってくるようじゃし。では私もお暇させてもらうね」
私とルナはジェイコブ博士に会釈をして、明日出会うことにした。
宿舎に帰ってから、ルナと二人きりになった。
「ルナはどうして昔の言葉を読むことができるのかな?」
私は素朴な疑問をルナに投げ掛けた。
「なんでだろうね。ルナにもわからないの。でもね、昔の文字を見ていると、なんか懐かしい気持ちになるの」
照れくさそうにルナがこたえた。
「そうなの?懐かしいの?あの文字は、ルナもお母さんもまだ生まれるずっとずっと前に書かれたものなのにね。もしかしたら、ルナは…」
そこまで言いかけたとき、私の脳裏にあり得ないファンタジーの世界が広がった。
私はいままでの出来事を思い浮かべた。
「まさかね。でもそう考えると、すべての辻褄が合うような気がするわ。明日、オリバー博士も私たちに合流する。きっとその時に、また、新しいことが分かるかもしれないわね」
ルナはいつの間にか眠っていた。私は窓を開け夜空を見つめた。きれいな満月がルナの寝顔を照らした。
…つづく
第10話はこちら(↓)
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