見出し画像

連載小説 | 蜘蛛の糸④


第3話はこちら(↓)


蜘蛛の糸④


「オレは史上最強の戦士なのだ。さて、天界に向かうとするか。筋斗雲やーい」

 スパモンは、筋斗雲を呼び天空へ向かおうとした。天界でそれを見ていた仏は、「ヤバい!」と思った。

「そうだ!筋斗雲のリース契約は、とっくに有効期限が切れているはずだ。破壊してしまおう」

 仏は呪文を唱え始めた。
「キンちゃんバイバイ、ウンちゃんバイバイ~。~は・か・い~。消えちゃいな、ホホホーい~」

 スパモンを乗せた筋斗雲は、仏が呪文を唱えると一瞬で消失した。

「は~れ~」と言いながら、スパモンはまっ逆さまに転落し始めた。

「仏の野郎、やりやがったな。だがオレの肺活量を見くびったようだな」

 スパモンを思い切り息を吸い込み、プハぁと地上に向かって息をはいた。すると、以前にもまして高速で天空へ上昇し始めた。


「ヤバい。このままでは、ここにヤツが来てしまう。どうしようかな、、、どうしようかな、、、」
 仏は狼狽した。しかし、次の瞬間、雷神ブーのことを思い出した。

「そうだ!雷神ブー様に雷を落としてもらおう!ブー、ブー、タカギ、ブー様」
 仏は精一杯の声を張り上げて、ブーを呼び覚まそうとした。

「ブー、ブー、た・か・ぎ、ブー!!」

 しかし、雷神ブーは三千年の昼寝に入ったばかりだったのだ!!

 仏の叫び声にかかわらず、ついに目を覚ますことはなかった。仏は絶体絶命の窮地に立たされた。

「ヤバい、ヤバい。超ヤバいんですけど…」仏は悲鳴をあげた。

 その傍らでは、雷神ブーは、ウクレレを胸に抱えたまま、大きなイビキをかいていた。


…つづく



#連載小説
#蜘蛛の糸
#みんフォト使ってみた
#私の作品紹介
#スキしてみて
#短編小説
#心に残る上司の言葉


いいなと思ったら応援しよう!

山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします