数学 | ホントに1次関数の問題なのかな?
よく中学生の1次関数の問題として、水槽の水の排出の問題が出題される。
例えば、単純な問題だと、
みたいな。
関数を使わなくても、20÷2=10だから10分、とすぐに答えは計算できるが、関数を使うなら次のようになる。
残りの水の量をy(L)、時間(分)をxとすれば、y = 20-2x と表すことができる。
カラになった状態とは、「y = 0」だから、
20-2x = 0 を解いて「x = 10」となる。
けれども実際に水槽の水を抜くという問題は、そんなに単純な話ではない。
お風呂の水を抜くとき、見ていれば分かるように、最初、水は勢いよく流れていくが、時間が経つにつれて勢いは鈍化していく。
というのは、排水口へかかる水圧は水量が減っていくのにしたがって、徐々に弱まっていくからである。
おおまかな水量の変化ならば、(近似的に)1次関数として扱ってもよいだろうが、繰り返しこのような数学の問題を解かされているうちに、「水の排出量は1次関数で表せる!」なんて思い込む中学生が出てくると大変だ。
以前、いわゆる「ゆとり教育」の頃、「円周率=3」として教える是非について議論されたことがあった。
日常生活の中では、「円周率=3」でなんら問題はないが、タイヤのメーカーが「円周率=3」として計算したら、タイヤとしての役割を果たさなくなるだろう。少なくとも円周率は、整数のようなきれいな値にはならないことをキチンと教えたほうがいい。
私は1次関数の問題として、繰り返し繰り返し「水槽の排水」の問題を出すのはいかがなものか、と思っている。
どうせ教えるなら、高校の数Ⅲか物理の時間に「微分方程式」の問題として学ばせればよいのに。。。
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします