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一語の宇宙 | should

 should という助動詞は、もともとはshallという助動詞の過去形。
 しかし、shallの過去形としてshouldが用いられるのは「時制の一致」で使われるときに限られる。



時制の一致で用いられるshould


He said to her, "You shall have my answer tomorrow."
He told her that she should have his answer the next day. 
(彼は彼女に「返事は明日あげよう」と言った)

I said to him, "I shall be home late."
I told him that I should be home late. 
(私は彼に「帰るのが遅くなるよ」と言った)


should の中核的な意味


 should がshallの過去形として用いられるのは、「時制の一致」で使われるときに限られる。しかし、should の中核的な意味を理解するためには、もともとはshallの過去形だということを思い起こすとよい。
 should の中核的な意味は、
「当然・・・すべきなのにいまだに・・・されていない」である。
 本来は過去にそうなっているはずなのに、現在でもそうなっていない、ということだ。

☆shall →・・・することになっている
☆should →・・・することになっていた
→(しかし)いまだに・・・されていない

 現在の視点から「・・・することになっていた」という状態を見ると、「いまだに・・・されていない」という意味合いになるので、「・・・したほうがいい」「・・・してもらいたい」「・・・すべきだ」という意味が派生する。

 つまり、shouldは「提案」「義務」「当然」という意味を帯びることになる。

You should visit Kyoto some day.
(いつか京都に行ってみたら?)[提案]

You should study English to pass the entrance exam. 
(入試に合格するなら、英語を勉強しなくちゃならないね)[義務]

He should be sleepy by now. 
(いまころはもう、彼は眠いはずだ)[当然]


should と ought to (do) の違い


 should と ought to の意味は似ているので、どちらを使っても大きな違いがない場合は多い。

 しかし、形が異なる以上、中核的な意味はやはり異なる。

 shouldが「いまだに本来あるべき状態になっていない」というニュアンスであるのに対して、ought to は「そうすることが正当である、好ましい」というニュアンスである。

「彼に電話をしたほうがいい」と言う場合には、
You should call him. でも、
You ought to call him.でもどちらでもよいが、
「赤ちゃんを起こさないように低い声で話した」という場合は、
I spoke in low voice for fear I should wake up the baby. となる。この「should」は「ought to」に置き換えることはできない。


https://note.com/piccolotakamura/n/nbfcf14f7db4f


「一語の宇宙」では、英単語をひとつ取り上げてエッセイを書きます。
こちらのマガジンに収録していきます。


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参考文献


☆中原道喜「新マスター英文法」(金子書房)
☆田中茂徳「表現英文法[増補改訂第2版]」(コスモピア)



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