光画日々想

主に、撮影した写真を載せて居ります

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光で描く

 写真の発明者ニセフォール・ニエプスはその技法をヘリオグラフィ(héliographie) と名付けた。「太陽描画」とでも訳せばよいだろうか。よく紹介される「ル・グラの窓からの眺め」という作品は1826年頃の撮影と言われる。  その後、銀塩写真の発明によって人工光でも撮影ができるようになり、フォトグラフ(Photograph) という用語が使われるようになった。こちらは「光描画」とでも訳せるように思う。1857年に薩摩藩主島津斉彬が日本人として初の撮影に成功した。「写真」とい

    • 標準レンズ Planar 50mm F1.4

       ヤシカ・コンタックスマウントの Planar 50mm F1.4である。フィルム時代に購入した CONTAX 167MT に付いていた標準レンズで、後にSTでも使用した。これらのカメラボディはデジタル時代になってから手放してしまい、レンズだけ残しておいたのを、フォーサーズのデジタル一眼レフに付けて時々使っていた。近年は35mmフルサイズ機である Sony α7 (初代) と組み合わせることが多くなった。  フィルム時代に製造された一眼レフ用のレンズは、本来の画角を生かせるフ

      • Nikon F2 と標準レンズ

         フィルムの撮影を再開してから Nikon F2 を入手した。ミラーレス一眼にあれこれと昔のレンズを付けて遊んでいたら、マニュアルフォーカスの Nikkor レンズがそれなりに増えてきたので、カメラボディをそれに合わせたようなものである。  F2は大柄なカメラで、少し新しい Ai-Nikkor を付けるとボディに比べてレンズが細くて何となくバランスが悪い。そこで1973年頃に製造された Nikkor-S.C 50mm F1.4 を入手した。鏡胴が太く、ピントリングは金属のまま

        • 樹木、超広角レンズ

           樹木を好んで撮るのだけれど、限られた面積の平面に表現するのはいつも難しく感じる。森の中で見上げる梢枝と木漏れ日の印象をとらえる一つの手段で超広角レンズを使ってみる。  35mm判フルサイズで焦点距離14mmだと対角線画角は114°となって、ファインダーを覗くと肉眼で見た感じとは随分異なるのだが、見上げた樹木の全体像が一画面に入ることがある。枝の広がりが大きい木はこれでも入らない。  このレンズはマニュアルフォーカスだが、超広角は被写界深度が深いので通常の撮影にオートフォー

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          木星とガリレオ衛星

           木星は太陽系最大の惑星で直径は地球の約11倍あるが、地球からの距離は接近時でも6億kmほどで光が到達するのに33分程度かかる。それでも土星に比べると半分ほどの距離なのでまだ撮影はしやすい。月と比べたら遥かに難しいことに変わりはないのだが。  自転周期が10時間弱と短く赤道付近の自転速度は秒速12kmを超える。主成分が水素ガスの球体がこんな速さで回転しているから、遠心力で赤道方向が少し膨らんだ形になっているのがわかる。    大赤斑を写ったのは偶然で、狙ったわけではない。撮

          木星とガリレオ衛星

          月と惑星の撮影

           月は望遠レンズでも撮れるが、惑星は天体望遠鏡にカメラを装着して撮る。土星を撮るために天体望遠鏡を出したので、ついでに月も撮ってみた。月の全体像は通常のデジタル一眼カメラで撮る。月のアップと土星はコンピューターに接続するCMOSカメラを使って動画を撮影してから、コンピューターでコンポジット処理をして静止画像を作成する。天体望遠鏡は旧ソ連 Intes Micro 製の口径15cmマクストフカセグレンである。  焦点距離1500ミリの天体望遠鏡でも直焦点では倍率が足りないので、

          月と惑星の撮影

          再びの銀塩フィルム

           長い間デジタルカメラばかり使っていたのだが、久しぶりに銀塩フィルムを使ってみることにした。  現代において感光剤としての銀塩の主成分は臭化銀(AgBr)である。臭化銀結晶に光子が衝突するとある確率で銀イオンが電子を受け取って銀原子化する。現像液で還元すると銀原子が存在する結晶は全体が金属銀となり黒化する。この過程はフィルムも印画紙も同じで、モノクロの場合はネガにせよポジにせよ最終的に得られる像は全て金属銀で描かれたものとなる。つまり銀塩写真は光画であり、また銀画とも言えるの

          再びの銀塩フィルム

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          金環食 2012年5月20日

          金環食 2012年5月20日