標準レンズ Planar 50mm F1.4
ヤシカ・コンタックスマウントの Planar 50mm F1.4である。フィルム時代に購入した CONTAX 167MT に付いていた標準レンズで、後にSTでも使用した。これらのカメラボディはデジタル時代になってから手放してしまい、レンズだけ残しておいたのを、フォーサーズのデジタル一眼レフに付けて時々使っていた。近年は35mmフルサイズ機である Sony α7 (初代) と組み合わせることが多くなった。
フィルム時代に製造された一眼レフ用のレンズは、本来の画角を生かせるフルサイズ機の方が相性が良いように思う。現代の高精細デジタルセンサーで撮影すると、フィルムの解像度では分からなかったレンズの限界性能を引き出せる。改めてこのレンズの描写力に感嘆した。
「標準レンズの帝王」などと言われるのは Carl Zeiss のブランドイメージ先行なのではないかと感じるところもある。ただ、中古市場での価格も一向に下がる様子がないし、古いレンズを好んで使う方々が書くインターネット上の記事を読むと全般的に評価が高い。
タイトルに標準レンズと書きながら、見返すと花を撮った画像が多く、マクロレンズの代わりにしてきたようなところがある。ほとんど絞り開放でしか使っていない。この甘口の描写に蕩かされてしまった。
俯瞰で撮ると、どうしても地面が黒く落ちる。フィルム時代は背景に黒が入らないようにアングルを工夫していた。フルサイズ一眼はシャドウ側の諧調が豊かで、黒が落ち切らずに残ってくれる。これはレンズではなくデジタルセンサーの力である。
被写体にもよるがレンズなりに何となく絵になる。作画の半分ぐらいをレンズに持っていかれているような気がして、こちらの出番はどこだろうなどと思ってしまう。が、別に不満というわけではない。
写距離によるのか、二線ボケ三線ボケが出て荒れることがある。ミラーレス一眼なら常時ライブビューだからコントロールは可能。あえて出すもよし消すもよし。
シダ類はモノクロのほうが造形の面白さが引き立つように思う。中心付近の合焦面の描写は鋭い。