バックオフィス業務DXの落とし穴-ダイエット編 Part 3|管理職が陥りがちな均質化マインド
前回で決着した「メタボ化した業務の解決方法」ですが、今回は補足をしたいと思います。
この記事を読んでほしい人
管理職・チームのリーダー
自組織におけるICT/DX推進の担当者
仕事に追われて疲れ果てている人
1. 本当にやるべき重要な仕事“ではない仕事”
以前の記事で定義した「本当にやるべき重要な仕事“ではない仕事”」は、実は3つありました。
このうち、③について決着したのみで、①と②はまだ言及していなかったのです。
(鋭い方はお気づきだったかもしれません!)
これらも実は、さも重要な仕事のように擬態した「メタボ業務」なのです。
2. 「自分に適さない仕事」を見抜く
なぜ見抜けないのか?:均質化マインド
複数の部下がいたり、複数現場にそれぞれ担当者がいる場合、管理職は
「評価を平等にしなければ不公平だ」
というマインドに陥りがちです。
共通の目標をもたせ、共通の報告書を提出させ、共通の基準で評価する:
あの人とこの人の評価基準が違ったら、仕事の質を一律化できないばかりか、自分の評価の手間も増えるからです。
確かに、仕事の質に一定の基準を設け、それをクリアすべく努力することは個人・組織の成長にとって不可欠です。
ですが、そこにフォーカスしすぎると、Society 3.0(工業社会)の大量生産モデル(参考|Society 3.0 の教育 vs 4.0 の教育/YouTube/大正大学 教授 浦崎太郎 チャンネル)から抜け出せず、ダイバーシティの推進に逆行します。
結果、労働人口の減少に対応できず、人手不足により日々の業務が回せなくなり、ビジネスが破綻してしまうでしょう。
筆者の事例
筆者のチームには、かつて十数人のメンバーがいましたが、業務体制の変更にともない現在は少数の人員で構成されています。
数十名を管理していたとき、筆者もやはり「評価平等のための均質化マインド」に陥っていました。
当時の状況を現メンバーにヒアリングしてみると、
「きゅうくつだった」
「自分の力を正しく評価してもらえていない気がした」
と返ってきます。
これはすなわち、
平等性を気にしすぎるあまり個々の得意分野を伸ばせず
苦手なことを義務化し
チームの力を最大化できていなかった
…ということです。
業務を最適化する=部下の得意分野を把握し割り振る
どこの組織も人手不足です。
少ない人数で最大限の成果を出すためには、工業社会のモデルを脱することが第一歩。
もちろん苦手なことは一切やらなくてよいわけではありませんが、人海戦術はもう使えないわけですから、別の戦術(戦略)を考案しませんか?
個別の評価や管理は、管理職にとって大変に手間ですので、避けたいところです。
でも、人材は組織の財産。
正しく評価されたら、やりがいを感じてもっと頑張るだろうし、それが得意分野なら目覚ましい実力を発揮する可能性があります。
一方で、不得意なことを延々やっていたら、生産性が上がらないどころかやる気をなくして離職……なんてことにもなりかねません。
管理職が達成しなければならないのは、自身の業務の簡略化でしょうか?
それとも、組織の成果の向上でしょうか?
(かつての筆者自身に向けた言葉でもあります。)
答えが出れば、あとは実行あるのみ。
仕事の割り振りを工夫したり、時には組織外のリソース(外注)も戦略に入れる必要がありそうです。
いかがでしたか?
常識を疑うのは難しいようで、一つ達成できるとだんだん楽しくなってくるものです。
組織が改善するも変わらないのも、管理職のマインド次第!
ぜひ実行してみてください。
次回は本当にダイエット編の最終回、「誰も喜ばない仕事」を見抜きます!
お楽しみに!