葦|哲学のモデル

比較、類推によって普遍的なモデルを模索しています。学習、教育のコスパが良くなることを夢見て。

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最近の記事

「結局は金」が資本主義を無責任にする

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」資本主義が今より幾分ましに機能していた時代というのは社会的責任という考え方が今より持たれていたのではないだろうか。 社会主義は知的財産権を否定しない。それを前提とした上で、しかしながら、「身体が資本」という言葉を思えば、知識というのはそれ以上に重要な資本であるはずなのに、産業スパイになってしまうのを恐れてなのか、はたまた値崩れを恐れてなのか知らないが、一般的なことについてすら、共有しようという雰囲気はそういった団体の中にすら存在しない。

    • よくある資本主義への処方

      『暇と退屈の倫理学』では浪費するという処方が与えられている。 消費したものを味わい尽くす、いやむしろ味わい尽くせないほどの価値を感じることで浪費できたときにこそ満たされるのである。 清貧の思想を持つ宗教家は精神的に成長していないだろうか? 否、彼らは清貧さえも糧として精神的に成長することを目指す集団なのだ。 物質的世界に引きずられずに精神的世界を豊かにすることは不可能ではないはずだ。

      • 格付けチェックを見て思うこと、モノの価値。

        高級肉といえば「やわらか〜い」という刷り込みがある。 しかし、一口に柔らかいと言っても、色々な柔らかさがある。 筋がなくて歯が通り易ければ柔らかいと感じるだろう。でも、それは筋組織にしっかり弾力があるというのとは違う次元だから、弾力がありつつ、筋張っていないという意味で柔らかいということはあり得る。 吹奏楽は学校という環境下では揃えてナンボ、と言うより揃えざるを得ない様な雰囲気があることだろう。 粒揃いというのは一見すると揃っていないという印象を与え兼ねない。しかし、

        • 砂山崩し

          ミイラ取りはミイラになる。だから外から突き崩す。 子どもの頃、あんな大人になりたくないと思っていた。今、そんな大人になっている。 誰が、ということじゃない。その状態に誰かが入っているというだけだ。 だから、そうじゃない状態を外から構成するしかないんだ。

          仕事=知恵=意味のある情報、熱=知識=ただの情報

          ただの情報の組み合わせから意味を見出し、この株は価格が上昇すると踏んで購入し、ただの情報である価格として確定させるために売却する。 知恵は継承する過程で知識に成り下がる。知識は考えるきっかけを与え、それは元の知恵を復元したり、より根源的な知恵に至らしめることもある。 詳しくは、

          仕事=知恵=意味のある情報、熱=知識=ただの情報

          資本主義は父性愛、社会主義は母性愛。

          再分配が適正に行われれば、不満も不便もない。 しかし、孟子曰く敬せずんば、何を以って別たんや。 エーリッヒ・フロムによれば、父性愛というものは資本主義に似たもので、要求を満たした対象に与えるものらしい。 一方の母性愛は対象の持つ生命力を信じ、支え、巣立つときが来たならば、それを受け入れることができるというものだそうだ。 要するに、前者はシステムとして上手くいったとしても、雇う雇われるの関係(食う食われるの関係)というフラットでない関係性に端を発して、個人が社会に従属す

          資本主義は父性愛、社会主義は母性愛。

          人新世の原因と(古典)エントロピー経済学の失敗、そして偉大なるデカルト。

          前の投稿(経済現象解読のための熱力学のすすめ)でも触れたように、物質的世界も精神(情報)的世界もエントロピーは変化するとすれば全体としては増大する方向である。そして、既存のシステムというものはその逃れられない原則に沿うように形作られている。したがって一定程度はどうしてもエントロピーを増大させなければシステムそのものが成り立たない。 しかし、物質的世界においてはエントロピーの増大は緩やかであるに越したことはない。 老いることをことさら喜ぶ人もそう多くはないであろうし、損失な

          人新世の原因と(古典)エントロピー経済学の失敗、そして偉大なるデカルト。

          経済現象解読のための熱力学のすすめ

          なぜエントロピーなのか 第1の階層 ミクロ経済学の公理は効用最大化である。効用が最大化したところで消費行動は一時的であるにしろ停止する。 化学反応においてはエネルギーを最小化するかエントロピーを最大化したところでやはり停止する(欲求とは脳内の化学反応に他ならないことを思えば、ミクロ経済学がこれを反映していてもおかしくはない)。(図1参照) 化学反応において電子軌道は混成軌道となり電子が取ることのできる状態数は増加する。 第2の階層の前に第3の階層 まず、図1にも示

          経済現象解読のための熱力学のすすめ

          合理的な経済システムに必要なのは競争ではなく共創

          そもそも競争が有効に働くのは共創の状態だけである。 楽をして競争に勝つためにはどうしたらよいか。 出し抜けばよい。つまり、情報を秘匿するのである。 現実世界で競争が有効に働いているのはせいぜい駆けっこぐらいである。しかも実はこの場合、情報は公開されている。だからこそフォームの研究などが進んでより高いステージに上がって行くのである。 それ以外の場合は需要概念により不可逆性が担保されることによってしか価値は生じない。しかも実際にはかなり無理をしていた訳で、蓋を開ければ値上

          合理的な経済システムに必要なのは競争ではなく共創

          系統発生と恐竜の絶滅

          系統発生などありえない。ウニとヒトは等黄卵等割、両生類は端黄卵不等割。そこは系統だっていなくても良いのか。単純に2個の細胞で三角形は作れないというだけではないのか。 そう考えたときに隕石で恐竜だけが滅びたというのはおかしな話である。ここまでご都合主義的にそこだけ抜け落ちさせることができるとすれば、そのためには同じくらいご都合主義的なウィルスが隕石によってもたらされた、あるいは撒き散らされたとしか考えられない。恐竜の細胞膜だけを通過して、歯を嘴に書き変えられるような。

          系統発生と恐竜の絶滅

          利潤率の低下は資本主義の崩壊を意味するか

          意味を見出す過程、すなわち仕事をなす過程とは寄り添う過程であって格差を縮小する。一方、意味を与える過程はヒートポンプの過程、すなわち“差別”化を図る過程であって格差を拡大する。 ドイツ国民であるとか、ユダヤ人であるとか、そういったレッテルを貼るのである。組織的に。 権威主義においてはどこをとっても同じであって状態数が1、すなわちエントロピーが0の結晶構造である。劈開に沿って容易に割れる状態、つまり異方性のある状態である。 第一次世界大戦による多額の賠償金といったように良

          利潤率の低下は資本主義の崩壊を意味するか

          統合の象徴という概念と止揚

          直行する複数のベクトルによって張られる世界があって、その全てと直行するベクトルを考えたとき、“それ”以外の全てはひとつの超平面内に含まれる。“それ”は共通の敵であると見なされることもあれば統合の象徴と見なされることもあった。“それ”を見出すことはあるいはこうも言える。アウフヘーベンと。

          統合の象徴という概念と止揚

          3つの退屈の整理

          ・変わり映えのない退屈。結晶構造。状態数1。 ・移り気の根拠としての退屈。カオスゆえの散逸構造。 ・漠然とした絶望ゆえの退屈。ソリトンの維持の困難。不断の努力の難しさ。

          経済学3大理論の整理

          ミクロ経済学は放っておけば安定するから放っておこうと言う。マクロ経済学、マルクス経済学は放っておくと不安定になるから介入して安定化させようと言う。 つまり、目的自体は安定化で共通している。 それを踏まえて、ミクロ経済学の公理と定理を見てみると、効用最大化と限界効用逓減則がある。効用を最大化すると限界効用が逓減して消費行動が停止する。 最大化したところで安定する量としてはエントロピーがある。 エントロピーは示量性の量であり、足し合せることが可能である。したがって価値の総

          経済学3大理論の整理

          普通の人に十を悟らせる一を見つけられる人こそが師と呼ぶべき人である。

          普通の人に十を悟らせる一を見つけられる人こそが師と呼ぶべき人である。

          価値はエントロピー、価格は抵抗。(マルクス、ミクロ、マクロの統一を目指して)

          結論、効用もGDPも労働によって生じる価値も、全てはエントロピーを指す。 力学の第一法則は第二法則に含まれているようについ勘違いしてしまうが、第一法則によって慣性系を定義することで初めて第二法則が定義できる。 同様に、労働価値説を採用することで初めて収支が計算でき、その結果、搾取されているということを示すことができる。また、だから労働時間を短縮しようという話も出てくる。 しかし、本当に労働は“必ず”価値を生み出す(一対一対応)のだろうか。労働“力”の価値を時間で規定して

          価値はエントロピー、価格は抵抗。(マルクス、ミクロ、マクロの統一を目指して)