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個人でDTMだけをやって成功するのはほぼ無理だと思った|作曲、音楽制作について最近思ってること

僕はそう感じているということです。

もしかしたら天才の方ならいけるのかもしれません。

米津玄師さんやヨルシカのn-bunaさんなど、ネット発の元DTMerたちを余裕で越えられるぜって人はこの記事をこれ以上読むだけ無駄なので見ないことを推奨します。


なぜ無理だと思ったか

それは、

  1. お金がない

  2. とんでもない才能があるわけじゃない

の2点です。

軽く自己紹介としては、これまでDTM(DAW)主体の作編曲を2年ほどYouTubeを見ながら独学で行ってきました。それまでの作品は僕のYouTubeチャンネルに置いてあるのでご興味のある方はお聴きください。

で、4月から音大の作曲専攻へ行きます。

なぜ大学で音楽を学ぶのかというと、それはちょうど述べたようにお金があるわけでもないしすげぇーー才能があるわけでもないからです。

「音大へ行くのにお金がないってどういうこと」となるかもしれませんが、金がないからこそ行くのです。

音楽を作るのには何が必要か

とりあえず打ち込みだけで完結する音楽を考えても、

  1. PC

  2. 音源

  3. モニターイヤホン(ヘッドホン)

が必要です。
ちなみに僕はこれまで↑の構成と電子ピアノで音楽を作ってきました。
一時期エレキギターを使っていた時期もありますが、それ以降は全て打ち込みです。楽器を自由に練習できる環境になくて。

で、じゃあ「音楽だけで食べているプロ」はどんな環境で作っているのだろうと考えると、

  1. 数十万円〜数百万円の超絶ハイスペックPC

  2. 数十万円〜数百万円とかする音源たくさん

  3. ハードウェアとか楽器とかもたくさん

  4. 最強の防音室にバカでかいモニタースピーカー

  5. すごい機材がたくさんのレコーディングスタジオ

  6. 優秀な演奏家たちとのコネクション

そんなもん個人でできるわけねぇだろーーーーーーーー!!!!

俺はメモリ8GBのMacBook Airでやってんだぞ。うぉい。なめとんのかコラ。

……ちょっと怒りが爆発してしまいました、すみません。

じゃあ個人では何ができるのか

これが大事です。できないことだけを見て無理だとかいうのは悲しい。
これができるんじゃないかなぁと思いました。

というか、この記事

に書いたように僕はあらゆる専門学校や音大の先生方へ質問に行き、とても有益なことをいろいろ教えていただきました。少なくとも15人のプロフェッショナルの方にお聞きしたので結構ガチだと思います。

やった方がいいことは、

  1. 楽譜(五線譜)の自由自在な読み書き

  2. ソルフェージュ(視唱&聴音)

  3. ピアノ演奏技術

  4. 楽典、音楽理論

です。

とにかく、楽譜の自由な読み書きってのが本当に本質でめっちゃくちゃに重要であると最近感じています。

15人の先生全員に、僕が「これまでずっとDAWのピアノロールだけでやっているんですが……」とお伝えすると、「楽譜は本当にやった方がいい」と言われました。

15人の先生全員に、ですよ。
東京藝術大学大学院で音楽(作曲)の修士号を取得された先生もおっしゃっていました。

これで違うってんならそれはもう日本の音楽芸術の敗北だと思います。

で、上の4つの事項は本当にそうだなぁと心の底から感じています。
最近書いたこれ

の延長線上の内容なわけですが、マジで理論(というか楽譜。楽譜は理論そのもの)をやった方がいい。じゃないと無理だ。

とにかく

  1. DTMのピアノロールだけやっていても無理!!

  2. プラグイン買ってなんかできるようになった気がしてもそれは自分自身の実力じゃねぇ! 金の力だよ!!

ってことです。

「趣味でDTM」はもう絶対にやりたくない

大学で4年間、贅沢にありとあらゆる設備を利用して、最大限、作曲や音楽に関わる技能を吸収します。
それこそハイスペックPCにプラグインや音源がたくさん入ったものが使い放題だし、防音室もあるので楽器も気兼ねなく演奏できる。最高の環境です。

で、就職の際にはゲーム企業などにサウンドで応募しようと思っています(ちなみに教職を取ります)。

それで、どこの企業にも受からなかったらもうDTMを使った作編曲をするのはやめようと思っています。なぜならあまりにも苦しいから。

お金の問題もそうだし、なにより「独りでパソコンをぽちぽちして音楽を生み出す」というのがもう苦痛でしかないからです。
これまではずっともの珍しさでDTMすげー! 自分でなんでもできる! と勢いだけで行ってこられたのですが、結構いろいろやってあぁ俺にはこんなところが限界なのかな、と思ったのです。
飽きたとも言えるかも。

だって、突き詰めようと思ったらそれこそ無限にできます。だから怖い。
そもそも、

  1. 作曲

  2. (作詞)

  3. 編曲

  4. 演奏

  5. レコーディング

  6. ミックス

  7. マスタリング

  8. (配信するならマーケティング)

とそれぞれ各分野に独立してプロフェッショナルが存在しているわけで、それをDTMは個人でも理論上可能なわけです。

こんなん全部を一人でできるわけないやないか…… と。
※何度も言いますが天才は除きます。

音楽ってせっかく楽しいものなのに、苦痛を感じたらそれはもうなんのためにやっているのかわからない。

なんかGoogleでDTM関連を検索していると、「DTM作曲をなめるな」というおもしろい検索ワードがサジェストされます。で、詳しいことは知らないのですが、これ心の底から本当だなと。

マジで簡単じゃない。めっっっっっっっちゃくちゃ大変。迂闊な気持ちでやろうとか思わないことを強くおすすめします。
やるにしても、GaragebandでMIDIをちょっと入力してみて楽しい、くらいに留めておいたほうがストレスフリーでしょう。

あとは、既存の名曲を楽器演奏して楽しむ、の範囲が幸福度を高く保ちながら音楽と楽しく向き合う最高の選択肢ではないでしょうか。

ところでせっかく作編曲を学んだのにもしDTMやめたらどうすんの、ということですが、僕は楽譜の読み書きに注力します。そっちで生演奏専用の音楽を作りたい。

逆張りといいますか、音楽生成AIとか見てるとなんかもうDTMいらないんじゃね、将来性ないのでは? みたいなことを思わなくもないので、ちょっとした室内楽を書くことを趣味にしようかなと。

ピアノならそこそこできますし、他の楽器もあと一つくらいやったらできそう。それに他の演奏家の人を呼んだらできますね。

プロに求められるものとは

それは、

  • オーダーに可能な限り忠実に、しかし自分だけにしかないちょっとした個性も入れつつ最高の作品を最効率で提供する

ことだと思います。

で、僕が今までやってきたことはずっとただの趣味でした。これまで書いてきたnoteや投稿した音楽を聴いていただければわかると思いますが、

  • ただ自分の感情を音楽に乗せて解放していただけ

なのです。これはプロには求められていません。

確かに、これは楽しかったです。作曲の道へ進もうと思った明確なきっかけだったし、日々の大きな原動力でした。

しかし、もうきっと趣味でDTMをやるのは卒業しないといけないのだな、と。

やるなら徹底的にやる、やらないならやらない。
そういう非常に厳しい世界であると最近ようやく気がつきました。気がつくことができました。

なのでしばらくYouTubeは更新しないと思います。もしそっちを楽しみにされている方いましたらすみません。

これからしばらくは真剣に仕事のため、未来のためだけにやります。ここにかけてみよう、と思ったから。だって前の大学中退してまで、嘔吐してまで、あらゆるストレスを受けてまでして悩みに悩んで決めたことですからね。

ここにきてまで、本気で真剣にやらないでどうすんだ。

これまでの2年間は無駄であったかも、とは思いません。そういう世界があるのだな、と学べたし、クリエイティブへ真剣に臨むにはこんなんじゃダメだ、というのがわかったことですし。

そして何より、やっぱり音楽というのは楽しくていいもんだなぁ、ということです。
そのことに気がつかせてくれた自宅DTMよ、ありがとう。でも俺はもう次に進むよ、またね。二度と会わないかもしれないし、一生付き合うかもしれない。

……ちなみに最近はクラシック曲を聴くのにハマっています。ホルストのジュピター好き。

僕がこれからやろうと思っていること

それは、「じゃあ個人では何ができるのか」に書いたように

  1. 楽譜(五線譜)の自由自在な読み書き

  2. ソルフェージュ(視唱&聴音)。声に出さないで脳内で唱えるだけでも効果あり(ソルフェの先生がおっしゃっていた)

  3. ピアノ演奏技術(他の楽器も)

  4. 楽典、音楽理論

です。

これをやっておけば、もし作編曲から身を引くことになっても、「人生において音楽を最大限楽しむ」という至上命題は達成されるので、最高の結果なのです。

  1. 素晴らしい作曲家たちの楽曲を分析するだけで楽しい。なんでこの音をここに配置したのだろう、とか楽譜を見るだけでワクワクする。オーケストラの総譜とか見てみるとその圧巻さに感動できます。これはDTMだけじゃわからない。

  2. 既存の音楽を聴くだけでもより楽しめる。なるほど、ここにはこんな苦労が詰まっているのだな、とリスペクトをもって聴けるようになる。さまざまな人の手を経てこれが世に出されたのだな、と。感涙もの。ほんとに。

  3. 音楽に限らず、ありとあらゆる芸術作品をより深く理解することに多いに役立つ。基礎、セオリーがあって、これはこうなっていて、これはこうなっていることがよくわかる。

  4. なんなら、というか当たり前かもしれないけど、あらゆる物事の本質を見る能力が鍛えられる。何が無駄で何が無駄じゃないのかを。

  5. ピアノは普通に弾けるようになる。これはそのまま人生が豊かになる。

  6. (教職を取る場合)これらが直接指導に役立つ

と。DTMに廃課金する前に気が付けて僕は幸運だったな、と思ってます。
楽譜、古典のものなら権理が切れているので無料で見られますし。それも嬉しい。

……そんなわけで!

  1. 真剣に音楽(作曲でも演奏でも)を仕事したいなら専門学校や音楽大学へ行こう(行けばなれるわけではもちろんないけれど)

  2. 趣味でDTMをやりお金を注ぎ込むのは慎重になった方がいい

  3. そもそも”何かを生み出す系”の趣味は基本苦しさを伴うので、生半可な気持ちでやらないほうがいい

  4. なので楽しくゲームとかアニメとか見てるだけのほうがストレスない

ということでした。

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philosofy
(´・ω・)つ旦