とわの庭 読んだ
繁忙期が落ち着いた。
あんなに終わらないと思っていたのに、急に終わった。
あともう少しで山場を越えられそうだなと察知してから、ものすごく本が読みたかった。
数えたら、約三ヶ月ぶりの読書欲だった。
さて、帰り道で本屋に立ち寄り、フィーリングで選んだ2冊。
『とわの庭』小川糸
『長いお別れ』中島京子
じわじわと染み渡るような、あまり刺激の強くない本が読みたくて、さらりと棚を見てすぐ決まった。
家まで待つ気は更々なくて、帰りの電車で読み始める。
家に着き、ごはんを食べてまた開く。
1時頃には、とわの庭を読み終えた。
読み始めると、意外と重い内容だったので戸惑ったが、小川さんがどうやってここから希望のある終わり方へ持っていくのか、と期待もしながら読み進めた。
結果的に、あたたかく終わったので安心した
。
物の感じ方、それの表し方がとても繊細で、丁寧で、美しかった。
この話の主人公の「とわ」は、目が見えない。
小川さんの、『食堂かたつむり』の主人公は一時声を失う。
失うことで感度が上がる部分はあるんだろうなあ。
とわの生活、母がいなくなってからは苦しかったけれど、年月を気にしないで日々をただただ生きていくという過ごし方については、ちょっといいなと思った。
日の光で朝を知って、雨のにおいや沈丁花の香り、風や音をじっくり感じる。
そういう時間は必要だ。
スイカズラ、どんな香りなんだろう。
もっと、ゆっくりしっかり味わうように、もう一度読みたい本。