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オートクチュールとリュネビル刺繍
ご覧頂きありがとうございます。
オートクチュール刺繍のお店【 小さな手芸屋さん 】です。
このnoteでは、オートクチュール刺繍、リュネビル刺繍の魅力や、手芸の楽しさを、より多くの皆様にお伝え出来ればと思っております。
ファッション好きな方は既にご存知かもしれませんが、今回は振り出しに戻って、オートクチュールとは、リュネビル刺繍とは、という所から、ご紹介したいと思います。
オートクチュールとは
オートクチュール(フランス語: haute couture)とは、パリ・クチュール組合(La Chambre Syndicale de la Couture Parisienne、ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ、通称サンディカ)加盟店で注文により縫製されるオーダーメイド一点物の高級服やその店のこと。
(wikipedia)
フランス語で haute(オート)は「高い」「高級」を意味する形容詞、couture(クチュール)は「縫製」「仕立て服」のことで、高級仕立服を意味します。
オートクチュールの始まり
オートクチュールは、1846年のフランス・パリで、シャルル・フレデリック・ウォルトというデザイナーから始まりました。
彼が始めたのは、洋服のサンプルをモデルに着せ、顧客に見せて選んでもらい自分の体に合うように調節する方法でした。
それまでの顧客の要望に沿って毎回ゼロからデザインをする方法と比べ、顧客に洋服を早く届けられる・生産効率が上がるなどのメリットから、この方法を取り入れた高級洋服店が増えました。
そして1868年には、パリ・クチュール組合という高級仕立業組合が設立され、デザイナー地位向上とオートクチュールの基礎が築かれました。
オートクチュールの条件
現在は以前と比べて緩やかになっていますが、サンディカに加盟するには、年2回のコレクションへの参加、発表する作品数、スタッフの数など多くのことをクリアしなければなりません。
それらをクリアしても、一部の製造工程を除いて全て自前のアトリエでハンドメイドで作る必要があり、条件はとにかく厳しいのが特徴です。
そのような特徴を持つオートクチュールは、一点物であり非常に高価なので着られる顧客も限られています。
つまり、オートクチュールは作る方と着る方どちらも条件が厳しいものと言えます。
リュネビル刺繍とは
リュネビル刺繍とは、シャネルやディオール、サンローランなどのオートクチュール(高級仕立て服)を手がけるアトリエで長い間培われて来たフランス伝統の刺繍のひとつです。
クロシェという特殊なかぎ針を使って、たくさんのビーズやスパンコールを生地の裏側から刺繍する独特の手法が用いられます。
(日本で呼ばれるオートクチュール刺繍とは、実際には いくつか刺繍の種類があり、リュネビル刺繍はその内の主なひとつです)
糸の芸術、リュネビル刺繍の始まり
クロシェ・ド・リュネビルという、カギ針状の道具を使う技法は、1810年にリュネビル(地名)に現れました。
当時はベニスやベルギーのブルージュ、フランス北部に位置するヴァランシエンヌのレースを、刺繍によって模倣する為の技法だったといわれています。
コットンチュールにレースのように描いていくその美しいクロシェの技法は、”point de luneville”(ポワン・ド・リュネビル)と呼ばれていました。
その便利さから普通の刺繍針を使っていた職人をはじめ、なかでも家内制手工業に従事する女性に極めて人気を博していったのです。
ロレーヌ地方では、刺繍職人のいない家庭がほとんど見当たらないほどまでに広まっていき、リュネビルの特産になっていきます。
当時は主に、聖職者の法衣、祭壇布、洗礼用のドレスや帽子によだれかけ、ショールなどの製品が作られていました。
今も受け継がれるポワン・ド・リュネビル
ビーズとスパンコールの刺繍といえば、オートクチュールの刺繍などでよく知られていますが、その技法の起源はポワン・ド・リュネビルといわれ、その基本的な技法もほぼ同じです。
特殊なのは生地の裏面から刺繍する点にあるでしょう。
古くから刺繍にビーズを使うことはめずらしいことではありませんでしたが、このビーズをクロシェでつけていく技術は特殊なものでした。
その技術に大きな関心が寄せられ、ビーズ刺繍にリュネビル技法を活かした技術が開発されていったのです。
1929年の世界恐慌や第二次世界大戦の影響によって、刺繍を続ける会社はわずか4〜5社に減っていきましたが、その後それらはより大きな組織となって様々な流行を支えていきます。
ビーズとスパンコールの刺繍が生み出す素材の多様性や技術の可能性は、世界中のオートクチュールや舞台衣装の世界に素晴らしい輝きを提供し続けています。
オートクチュールを支えるリュネビル刺繍
リュネビル刺繍の発祥以来、通常の針を使ってビーズなどを刺繍するよりも速く・正確に刺すことが可能になり、素晴らしい刺繍が施されたドレスがたくさん生み出されています。
オートクチュールという高級モードの最高峰の世界で、いつの時代も最先端を求めるデザイナーの要求に応える為、様々なテクニックや表現方法が熟練の職人によって育まれてきました。
ファッションの進化とともに発展してきたオートクチュール刺繍。
ため息がでるほど豪華な刺繍を可能にした、デザイナーの冒険心と好奇心、職人の技術と魂が宿る世界でもあります。
リュネビル刺繍はオートクチュールのドレスに限らず、お手持ちの衣類の装飾など、様々なアイテムに取り入れることができます。
ワンポイント刺繍を施すだけでも、身に付けるのが楽しくなるようなお気に入りのアイテムになります。
【 小さな手芸屋さん 】では、リュネビル刺繍に必要な道具の販売や、刺繍のやり方の動画配信なども行っております。初心者の方にもおすすめです。
下記、ページ内【 リュネビル刺繍 】レッスン感覚のハウツービデオ をご参照くださいませ。
その他にも、本場パリで使われているフランス製スパンコールや、色とりどりのチェコシードビーズなど、日本では手に入れにくいめずらしいものを揃えています。
ぜひ、ご覧くださいませ。
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