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人生を支えてくれた1冊の本に導かれて岐阜県美術館へ オディロン・ルドン展

2024年10月上旬、岐阜県美術館にオディロン・ルドン展を観に行ってきました。

ちょっとテンション高めで書いています。

というのも、1冊の本が今回の訪問のきっかけであり、私の人生を支えてくれたからです。

自分の仕事を肯定、誇りを持てるようになった1冊

こちらの本↓を読んでからというもの、岐阜県美術館に行きたくてしょうがなかったのです。

岐阜県美術館で働いている方が著者です。
4コマ漫画で、美術館の監視係の仕事のことが
描かれています

美術館の案内・監視係としてパート勤務している私ですが、基本ただただずっとそこにいるという仕事内容に働く意味を見出せなくなっていた時期がありました。

それが、この本の存在を知り読み進めていくうちに、自分の仕事に誇りを持てるようになったのです。

ただずっとそこにいるだけだと思っていた自分の仕事でしたが、美術品の安全、お客様の安全、館内の平和を守る、そしてそれが人の心を何らかの形で満たす美術品鑑賞につながる、と自分なりに答えを見つける助けとなりました。
一緒に働いている学芸員の皆さんも監視係という仕事をとても大切に思っているではないか、と気づくこともできました。

危うく、転職を考えるところでした。この本には感謝しかありません!

そして、この本の著者は岐阜県美術館に勤めています。岐阜県美術館の収蔵作品の多くを占めるのがオディロン・ルドンの作品ということです。

見ればとても惹きつけられる絵で、幸せも寂しさも嬉しさも悲しみも全てが一枚の絵に描かれているようでした。

なかなか、岐阜県美術館に行く機会に恵まれなかったのですが、
国立西洋美術館でルドンのリトグラフをたまたま目の前にしては大興奮し、

(その時のnoteがこちら↑
控えめに書いているけれど、かなり興奮し岐阜県美術館への思いは高揚していました。)

山田五郎のYouTubeを見ては思いを馳せ、

やっとこの日を迎えました。
(旦那さんが私の思いを知って、連れて行ったくれました!感謝です)


駐車場がたくさんあります 岐阜県美術館まで車での行き方

今回は車での旅でした。

各務原(かかみがはら)出口を発見!

各務原は「かかみがはら」と読むんですね。
もちろん、読めませんでした^^; (ごめんなさい!)
そして、どうしても「かがみがはら」と言ってしまう私。
車の中で発音の練習しました。

そして、各務原出口から車で約20分。

美術館の周りをぐるぐる
あ!ポスター発見!

美術館は目の前に。ただ、駐車場がたくさんあるようでどこに停めたらいいのかなーとぐるぐる周っていました。

第4駐車場に停めました。
美術館はここから歩いてすぐでした。
他の駐車場は分かりませんが、ここは便利だと思います。

駐車場から歩いていくと大発見です。
これ↓を発見したらもう、テンションマックスです!

山本芳翠展も同時開催していました
嬉しすぎて、拝みたくなるのを
グッと堪えていました

私の目には、このポスターから光背が発せられているように見えていました!

孤独な幼少期と遅咲きの画家が描く惹きつけられる力

館内は撮影禁止ということで、図録より数枚ルドンの絵を紹介させてもらいます。

展示室入り口のポスター

感想はというと、
銅版画や石版画の「黒」の世界が有名だけど、色鮮やかになってもどこか憂いがあり、嬉しそうなのに寂しそうという雰囲気に私の脳味噌が刺激されたように思います。
どっちなんだろう?とはっきりさせたいのに、できない。
それはきっと、どうしても画面に出てしまう彼の幼少期の体験がベースにあるからでしょうか。それが彼の人を惹きつける力なのかなと思いました。

「まっくろくろすけ」はちゃんと隅に

本当は「蜘蛛」というタイトルなのですが、どうしても「まっくろくろすけ」を連想してしまう年代の私。もう、しょうがない。

『蜘蛛』1887年
図録より

展示方法が面白くて、「蜘蛛」であることを意識してか、「まっくろくろすけ」を意識してか、ちゃんと壁の隅に展示されていました。

1880年代にルドンは「黒」の世界を確立していったようなので、この作品もその頃のものですね。ルドン、40代の頃の作品だから今の私と同じアラフォーです。やっと作品が売れるようになってきて、名前が知れ渡るようになったようです。

何とも言えない可愛いんだけど、不気味な表情ですねー^^;

進撃の巨人を思い出す、この冷酷な表情

『聖ヨハネ黙示録』X.彼らを惑わしたる悪魔は火と硫黄との池に投げ入れられたり。ここは獣も偽り預言者もまたいる所にして 1899年 図録より

この絵のタイトルは一体どこまでなのでしょうか。
とても長いです。

が、この人物の表情を見て、子どもたちが以前ハマっていた「進撃の巨人」の作画を思い出さずにはいられませんでした。

「進撃の巨人」の作者の方はきっとルドンの絵を見たことがあるのでは?
というか、たくさんのクリエイターの方が美の巨匠たちを参考にしているのは当たり前ですね。

独特な色使い 絵の前で思わず立ち止まる

そして、先ほど紹介した本「ミュージアムの女」の表紙にも載っているこちらの絵↓

『瞳をとじて』1900年以降 図録より

目の前にこの絵を見ることができて感動でした。

もっとよーくじーっと観てくれば良かった。と思うのですが、多分、よーくじーっと観ていた気がします。
見足りないというか、また見たいというか。

ルドンはどんなことを思って描いていたのでしょうか。
1900年代は時代の流れもあって、装飾としての芸術運動の動きが高まったようです。

ルドンも1900年からとある男爵のお城の食堂装飾を頼まれて取り組んでいたそう。

「瞳をとじて」という同じタイトルのリトグラフもあるし、他の油彩画もあります。

「目」を強調して描いたり、(「目玉の親父」の元となったリトグラフが有名)こうして優しそうに閉じている「目」も描いたり、「目」はルドンにとってどんな意味があったのでしょうか。

そんなことを考えながらの鑑賞でした。

ちなみに、旦那さんはこちら↓の絵が良かったとのことです。

『ポール・ゴビヤールの肖像』1900年
図録より

超現実的な旦那さんなので、「この絵がいちばん安心して見れる」と言っていました。

山本芳翠も鑑賞

同時開催の山本芳翠展と共通チケットが2,000円でした。

せっかく来たので、こちらも鑑賞させていただきました。

あの有名な(と勝手に思っているのですが、)『浦島図』を目の前で見ることができました。

ルドン展を観て、大満足だったのと、やはり2展連続は疲れが出てしまったので、山本芳翠展はサクサク観せていただきました。

それでも、やはりどれを観ても圧倒させられる絵ばかりでした。

展示の最後の方には、戦争の記録絵というのでしょうか、たくさんの記録画が展示されていたのが印象に残りました。
遠目で人物が小さくなるように描いているのを観て、描きたくなかっただろうなと。

まとめ 図録とかりんとうを購入 

岐阜県美術館訪問と、ルドンの絵を観ることができて、また一つ願い事が叶ったことにとても満足した旅でした。

ルドンの絵は、やはり嬉しさの中に寂しさがあったり、それが残酷な中にも底無しの優しさがあるかのようで、何度も目を奪われてしまいました。

私が住んでいるところからは遠方であったため、気軽には行けないなーと思っていたのですが、是非ともたくさんの人に観にいって欲しい展示でした。

3,500円はうーん、イタイ!
と思ったけれど、ここまで来たし、買うしかないでしょ!
(もちろん、ルドンのことがよく分かるとても価値ある図録で、購入して大正解でした)

と、一緒にチョコラかりんとうも購入。ベリー味とココア?味だったかな、2種類ありました。

これは、『蜘蛛』の足をイメージしているのでしょうか

これがかりんとう?あれ、チョコの味、ベリーの味、といろんな味で口の中が満たされて、とーっても美味しかったので、来館の際は購入をお勧めします♪

立ち寄っためちゃくちゃ美味しいラーメン屋さん &岐阜城記念メダル

岐阜県美術館から車で約20分のところにある「白流」というラーメン屋さんに立ち寄りました。

日替わりで出汁スープを提供しているようです。

私はお肉が食べられないので、旦那さんにあげました。
魚介の出汁が濃厚。
好みの細麺がとても美味しかったです

こちらのお店の前には自販機もありました。

ラーメンの自販機

そしてラーメン屋を出て、向かったのがこちら↓

岐阜 金華山ロープウェイ

岐阜城まで行くことのできるロープウェイです。
が、私たちの目的は、この建物の奥にあるアレです。

お店に並ぶ数々のお土産には目もくれず、奥へ奥へ突き進む私たち。
ありましたー!

ここでは旦那さんがテンションマックス!
レトロな機械がいいですね

旦那さんは最近、記念メダルを集め始めました。
これで3つ目です。

岐阜城記念メダル
ゲット、おめでとう!

特に岐阜城を見に行くワケでもなく、この上にあるリス村にリスを見に行くでもなく、ただただこのメダルをゲットするためだけに訪れました。

今回も長いnoteになってしまいました。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

またnote書きます!

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