セクハラジジイをテニヌでわからす

あるとき、まあまあ付き合いの長い取引先にセクハラジジイが出現しました。
どこかから異動してきたらしい。
すごく「自分はキーマンだそ」みたいな言い方をしてくる嫌なジジイだったわけだが、そいつがやけに私を気に入っていた。(あいにく)

ほんとにキーマンか怪しいけど取引先だし?とのらりくらり仲良くしていたのだが、ある日「俺はテニスを開催していて取引先には参加してもらうルール」と謎ルールを発動。
「これは絶対参加してもらうことになってるから」
「初心者でもいいよ。教えてあげるから。」
「俺は何年もやってて上手いから」
など自信満々のご様子。

なぜかおっさんって若い女の子に教えてあげる、可愛がってあげるの大好き。
対等な取引先として見てないのがとてもキモい。
さらにキモいのが会社を通さずに個人で連絡してくるようになったこと。
しかもその内容もキモい。

あ〜実は私もちょっとだけテニスやってたんです〜もう10年くらいやってないけど〜!と言っておいたのだが実は私は中高テニス部。
生粋のテニプリ育ち。
テニプリのキャラソンなんて今でも全部歌える。
そして運動神経には自信しかない。
学年に1人いる何のスポーツやっても上手な子、それが私だった。
「何年もやってる」とはいえジジイに負けるなんてありえない。

私は決めた。
テニスでこいつをわからすと。

何日か前から私は新テニスの王子様を見返し準備は万端。
零式サーブもcoolドライブも波動球も打てるし
建国もできるし五感も奪える。(無理)

最強のテニヌプレイヤーの私、ついに当日を迎える。

私「おはようございます〜今日はよろしくお願いします〜!」
爺「おはよう!練習してきたかー?」
私「イメトレだけ!あはは」
爺「なんだそれ(笑)まぁいいよ教えてあげるから!」
私「お願いしますぅ〜」(草超えてオムニコート)

他の取引先からも若造2人が来ていたがこの2人は本物の初心者の様子。
まずジジイが球出ししてあげるから打ってみてとのこと。
若造2人が打って私の番。
爺「ちゃんと打てよ〜(笑)」
球が私の方へ。バウンドして高く上がる。
【パァァン!!】
我ながらいい音でジジイ側のコートに突き刺さる。

ジジイ、呆然
若造2人「えっ、、めちゃくちゃ上手いやんwww」
やっぱ鈍ってるな〜みたいな顔してみる。

それからも少し練習してバックハンドのときにはジャックナイフまで披露してあげた。
十分に実力を披露したところで、どこからともなく何人かお爺さんたちが参加してきて(まじで誰)ダブルス形式でゲーム。

ジジイはなぜか私にラブゲームでボコボコにしてやるよ!と宣言し、ジジイ+出どころ不明お爺vs私+若造1で試合開始。

まずは私のサーブ。レシーブはジジイ。
頭の中では氷帝コールが聞こえる。
勝つのは氷帝!勝者はペパロニ!
私はサーブが得意。
今までの憎しみを込めてジャンプサーブで打ち込む。
ジジイがワッ!っと仰け反ってサービスエース。
ラブゲームの目標、1球目で終了。
出どころ不明お爺が呟く「あんなサーブ、、、入ったら取れん、、、」

その後も圧倒的な実力差で試合は進み、ラリーでは普通に打ち合ったら勝てないと察したのか、姑息にもチョコンって前の方に落とすなどしてきた。
ジジイはドロップのつもりだろうが回転がかかってないので普通に跳ねる。
こちらは回転をかけてドロップで返す。
走るジジイ。跳ねない球。転けるジジイ。
これが本物のドロップというものだよ。
試合終了。

まだまだだね!と思いながら「いや〜今日は教えてもろてほんまにありがとうございましたぁ〜!」と大嫌味をかまし爆速で帰宅。
それ以降テニスは1度も開催されていない。
んー!エクスタシー!!

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