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短編小説、あるいは試し読み

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短編小説『ママのポスター』公開について 

短編小説『ママのポスター』公開について 

今年の新刊『綿毛の家族』から、一話め「ママのポスター」を無料公開開始しました。
文学フリマ京都8が初売りで、気が付けばもう8月後半。
一年って、早いね・・・。

前から一話公開したいなーと思ってたんですが、縦書きで書いたものを横書き表示にするとなんか違和感あって。
慣れの問題と思いつつ、うーんどうしよ~。でもけっこう気に入ってるから色んな人に読んでもらいたいし・・・。と。

で、ふと「そういやpi

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A4一枚で楽しい【ぺらふぇす2024】

A4一枚で楽しい【ぺらふぇす2024】

久しぶりに短編小説を書き下ろししました。

◆ぺらふぇすとは?(8/3~8/5開催)A4用紙一枚で楽しい何かをつくる、紙のおまつりです。
私は上の短編小説で参加しています。

片面に収まりきらなくて、両面印刷になっちゃったけど(A4二つ折り、本文は二段組仕様)。。。
小説自体は2500字もないんですが、レイアウト考えると片面はちょっときつかった。
でも、二つ折りでちょっと読み物っぽくつくれたので、

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「幸せなお母さん」の生活は、一枚の絵みたい(文学フリマ岩手9試し読み)

「幸せなお母さん」の生活は、一枚の絵みたい(文学フリマ岩手9試し読み)

幸せで切実な家族の短編集、試し読み第3弾。
こちらは一話目に収録している「お母さん」視点のお話です。

仲のいい夫とかわいい娘たち。
一軒家には白い子犬。傍から見たら幸せそのもの。

『幸せなのに、幸せになりきれないのはなんでなんだろう。』

そんなモヤモヤを描いた一話です。

◇webカタログはこちら【C-12ペントパン】

◆冒頭試し読み

◆長女と次女の試し読みはこちらから◇いい子になりたか

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生きるためのファンタジー短編小説、配布中

生きるためのファンタジー短編小説、配布中

本日からナカノも飛び込みで参加いたします。

「ぺらっとふぇす2023秋」!!

飛び込み参加なので、わたしは #野生のぺらっと  タグにて。

生きるためのファンタジーなんてたいそうなキャッチをつけちゃったので、じゃっかんドキドキです。
ふだんは現代小説しか書かないので、いろいろ大丈夫かなぁと思う部分もあり。
でも、いつもと違うことにチャレンジするならこういうイベントごとがいい機会だよなーと思う。

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「コメディ純文学」を名乗り始めた短編集

「コメディ純文学」を名乗り始めた短編集

「そうか、自分はしょうもない小説を書くのが好きなんだ!」

作者がそれに気づいてしまった、ある意味記念すべきドーナッツ本です。
しょうもない設定が好きな人にはぜひ手に取っていただきたい。

余談ですが、作者のどーなっつさん。
わりと知的な人なんですが、しょうもない小説を書き始めてから何かが開花してしまった気がします。

※作者は「いのうえ どーなっつ さとし」で、ナカノヒトリではありません。
※こ

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透明な私からは血のにおいがするんです

透明な私からは血のにおいがするんです

なんとなく、寂しいことが書きたくなって。
最初の数行書いて、ちょっと寝かせて。
また寂しいことが書きたいなぁって思ったので続きを書いた。

心に染みるっていうか、心の傷に染みそうな。

最近、心が弱いというか防御力が低そうな気がする。
なので、さみしいこといっぱい思いつきそうだなぁ・・・。
それは果たしていいことなのか。笑

たそがれ/黄昏

たそがれ/黄昏

恋愛というものがよくわからないので、恋愛小説を書くことって珍しかったりする。
既婚者ですが、恋愛ほんとわからないのよ。
「遺伝子情報が遠い相手に恋をする」みたいな説を支持してるけど、ふと「それなのになんで片思いとかあるん????」と思ってしまった今日。

わけがわからんぜ恋愛。奥が深いぜ。

恋愛について私が真面目に考え出すと頭がいかれた話になってしまうので、あんまり思いつめない方がいいのかもしれ

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うそつきは、わたしのはじまり/花火

うそつきは、わたしのはじまり/花火

コロナ明けって恐ろしい。
あたまが全然、働かないんですな!!
びっくり。

肩から指先にしびれも出てるので(これ、コロナってか私が疲れた時とかにでる症状だと思う)、なんか色々リハビリして体を戻していかねばな状態です。

仕事しようにも全然文字があたまにはいらないし。まいりますな!

職場のみなさんは気を遣ってくれているのか、すごいそっとしといてくれてる・・・今のところ、人手が足りてる部分もあるのだ

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燦然/迎え火、天の川

燦然/迎え火、天の川

お盆だ!お墓参りいかなきゃ!
そんな連休初日でございます。

といっても、わが家のお墓参りは市内なのでね。
ふだんからフラッと行ってお線香あげてます。
三十歳をすぎたあたりから「お墓参りって落ち着くわ~」って。
大人になると信心深くなるというけれど、そういうもんなのかもしれない。

そんな季節らしい短編小説をPrologueにアップしました。

平日と休日の境界があいまいな暮らしをずっとしているの

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『Prologue』に短編小説をおいてみた

『Prologue』に短編小説をおいてみた

小説投稿プラットフォーム難民の私です。
考え出すとだんだん面倒になる→また今度にしよう・・・という流れを何度繰り返してきたことか。

ユーザーの多いところがいいだろうけど、マメに他の方の作品読んだり交流したり、というのに自信がない。
それについては、このnoteやTwitter見たことあるかたからすると「でしょうね~」って感じだと思います。。。

もうね、割り切りましたよ。
書く→置く。これだけで

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どんなに力を込めても、どこにも行けない遊びの三月

どんなに力を込めても、どこにも行けない遊びの三月

 受験した大学にすべて落ちた三月、僕はただ揺れていた。
 胸につけられた赤い花は、学ランの黒の上ではあまりにも目立ちすぎる。だから卒業式が終わってすぐに、むしりとって捨てた。

 泣きながら集合写真を何枚も撮る同級生とは話すことが何もなかった。
 みんな僕が、これから無職であることをうっすらと知っていて。だからみんなも僕と話すことがなくて、泣いたり笑ったりして、なんとなくその時間をやり過ごしたのだ

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ほんとうはドーナッツを買いに行くつもりだったんだ

ほんとうはドーナッツを買いに行くつもりだったんだ

ほんとうは、ドーナッツを買いに行くつもりだったんだ。

なんだけど、すっかりそんなことは忘れていて、なぜだか今急に思い出した。

ドーナッツ、ミスタードーナッツ。

家から一番近いお店はいつも混んでいて、たまらない。
だったらweb注文という便利な方法があってだな、と家族が教えてくれたけど「いや、店頭で迷うのがすきなんだ。わたし」なので、どうしようもない。
くわえて、買うなら昼間がいいな、だってお

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「トイレから一歩も出ない人」の話が書きたい。

「トイレから一歩も出ない人」の話が書きたい。

昔そう思って、一気に書いた短編。
書いたはいいけど短編なので、2人くらいに見せてそのままになっていました。

書いたの、じつは10年前だったりする。
今も昔も「これが○○だったら?」みたいな思い付きから話を作るの変わらないな~・・・。
思い付き、またの名をひらめき。ということで。

まったく交わらない人たちのアンサンブル。

『御不浄の輩共』

 山田はふと思い立ち、トイレから出るのをやめることに

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『机上の家族』ってタイトルを決めるまで一か月くらいかかった

『机上の家族』ってタイトルを決めるまで一か月くらいかかった

今週末まで、Twitterの「ペーパーウェル」というネットプリント企画に参加しています。

連続リリース3週目。
文房具をテーマにした創作物(小説でもイラストでも何でもOK)をネットプリントやWEB配信で楽しんじゃおうという素敵なお祭りです。
前回は読専でしたが、出すのは初めて!

私は短編小説で参加させていただいています。

不仲で多忙な両親と、両親は知らないけど不登校の一人息子。
彼らの会話は

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