長期的目線で成功するには「人間力」が大事になるのです。
どのような仕事をするにしても、どのような生き方をするにしても、「人間力」というのが大事になると思う。
「人間力」を適切に言語化するのも難しいが、私なりに努力して述べると、「他者の立場に立ってコミュニケーションを取ることができ、相手の意思や主張を理解しつつ、自分の意思や主張も適切に伝えることができ、かつ双方にとってより良い解を探ろうとする姿勢をとり続けることができる力」とでもなるだろうか。
こういう力を身につけるには、一朝一夕には当然不可能だ。これを頭に置いて、毎日意識的に取り組むことを続け、無意識のレベルにまで落とし込む必要がありそうである。
こういう姿勢で何らかの物事に取り組んだとき、その成果や意義が目に見えて現れるのはかなり時間が経過した後なのではないか、と思えてならない。相手の立場を重んじるときには、往々にして自分自身が損をしていると感じることも多いだろう。
しかし、おそらく人間集団がみんなで幸せに生きていくためには、この「人間力」を各自が身につけている方が望ましいということは確実に言えるはずだ。
このとき私がつい考えてしまうことは、こうした「人間力」を意識した行動に取り組むべきタイミングは、いつからが望ましいのだろうか?ということだ。
短期的に大きな成果を得るためには、こうしたことに構っていると非効率になる、という考え方もできる。
だから、まずは周りのことは気にしすぎずに、まずは誰もが認める大きな成果をバーンと出してから、その後でゆっくり人間力を磨けば良いのだろうか?
いろいろと考えを巡らせて私が出した暫定的な結論は、今この瞬間から人間力を伸ばす行動を取ることを優先させることだ。
確かに、短期的な成功や成果を重視した場合には、自分が損をすることが多い「人間力」を重視した行動を取ることは、一見非効率にも見える。
しかし、長期的目線で見た場合には、単に大きな成果を出している人間よりも、「人間力」のある人間で、かつ大きな成果も出している人間の方が、多くの人から評価されるだろう。
おそらく、ここでの成果というものを、短期的目線で見るか長期的目線で見るかによって、最適な行動が異なる。
そして私としては、長期的な目線で成功するかどうかを考えながら生きていくほうが、総合的に得られる幸福の総量が大きくなるのではないか、と思うのである。