技術革命は発展途上国から先進国へ!『リバース・イノベーション』
リバース・イノベーションとは、今まで先進国で生まれた技術革命が発展途上国へ流れていましたが、反対に発展途上国で起きた技術が先進国で広まることを意味しています。
ロボット掃除機のルンバは、先進国で活用していた爆発物処理機としての技術を民間転用した商品で、技術はいつも先進国から生まれていましたが、発展途上国向けに作った安価な超音波診断装置が途上国だけでなく先進国で広まった例があります。
今回は、資源が限られている発展途上国のほうが良いものを作ることができる『リバース・イノベーション』について紹介していきます。
技術革命を生むのは先進国だけじゃなくなった
ルンバ、料理用ラップ、抗がん剤などの技術は、戦争をきっかけに先進国から生まれた技術を転用しています。
ルンバは、爆発物処理のため
料理用ラップは、兵士の傷保護・蚊対策・火薬保全のため
抗がん剤は、マスタードガス(毒ガス)をくらった兵士を治療するため
わたしたちが日ごろ使用している商品は、先進国で生まれた技術を利用しているのです。
しかし、最近では先進国からの技術革新だけではなく、活用できる資源に限りがある発展途上国から技術革新ができるようになってきました。
リバース・イノベーションとは?
リバース・イノベーションは、ダートマス大学のビジャイ・ゴビンダラジャン教授が2008年に発表した書籍のタイトルです。
リバース・イノベーションとは、今まで先進国で生まれた技術革命が発展途上国へ流れていましたが、反対に発展途上国から技術革新が起きて先進国で広まることを意味しています。
発展途上国から生まれた技術革新
①超音波診断装置
エジソンが作った会社GE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)は、2002年に中国市場向けに低価格版の超音波診断装置を開発しました。
中国向けに開発を進めたパソコンベースの超音波診断装置は、価格が従来の3分の1で3万ドル(約331万5,283円)でした。
性能は、元になった商品の15%程度でしたが、地方都市や農村部の診療所を中心に普及することになります。
さらに小型で持ち運びやすい点が評価されて、アメリカの救急医療センターや救急車の中でも導入されるようになりました。
②農耕用トラクター
農機具メーカー「ディーア」は、インド向けに作った低価格帯農耕トラクター「クリシュ」がインドで流行り、アメリカの趣味層にも受けることに気付きました。
このように、いままで先進国の技術をもらうだけだった発展途上国からも、技術革新が起きて発展途上国で流行ったものが先進国で広まるようになってきたのです。
アメリカや先進国から生まれた技術であっても、発展途上国市場での成功がなければ、先進国で使用用途を変えた成功は生まれませんでした。
最後に
今回は、資源が限られている発展途上国のほうが良いものを作ることができる『リバース・イノベーション』について紹介しました。
リバース・イノベーションとは、今まで先進国で生まれた技術革命が発展途上国へ流れていましたが、反対に発展途上国から技術革新が起きて先進国で広まることを意味しています。
ロボット掃除機のルンバは、先進国で活用していた爆発物処理機としての技術を民間転用した商品で、技術はいつも先進国から生まれていましたが、発展途上国向けに作った安価な超音波診断装置が途上国だけでなく先進国で広まった例がありました。
わたしたちの身近にある商品は、発展途上国からドンドン広まってくるかもしれませんね。