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パニック障害の改善に向いているカウンセリングその①/来談者中心療法|PD改善研究所
パニック障害専門カウンセラーの三木ヒロシです。
前回のブログでは、パニック障害に適したカウンセリングについてお話ししましたね。
パニック障害に効果的とされるカウンセリングにはいくつかの種類があります。
その中でも特におすすめの方法として、3つの療法をご紹介しました。
ですが、「この3つ以外の療法はダメなのか?」という疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
カウンセリングはクライアントさんそれぞれの状況や個性に合わせたものが大切です。
ただし、私が経験上、比較的効果が出やすいかな、と感じているのがこれら3つの療法というわけなんですね。
今回は、その中の1つである来談者中心療法について詳しくお話していきましょう。
来談者中心療法とは?
来談者中心療法は、アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャーズによって提唱されたカウンセリング手法です。
この療法は、現代の多くのカウンセリングの基盤ともなっているものであり、ロジャーズの哲学と理論が色濃く反映されているんですね。
来談者中心療法の根本的な考え方として、
「カウンセラーの態度が重要である」
という点があげられていおり、具体的には以下2つの態度を持つことが大切とされています。
肯定的な関心:クライアントさんに対して、無条件の関心と受容を示す。
共感的な理解:クライアントさんの気持ちや状況を深く理解しようと努める。
来談者中心療法では「この人はこうだから」というような先入観を持たない、「クライアントだから」といった条件的な見方をしないことが重要視されます。
その人自身にしっかりと向き合い、話を聴くことがとても大切とされているんですね。
クライアント自身が変わるプロセス
来談者中心療法の目標は、クライアントさんが自分の中で起きている感情や思考を否定せず、ありのまま受け入れる、ということです。
カール・ロジャーズは、クライアントさんの症状や問題は、事実や経験を否定したり歪曲したりすることから生じると述べています。
来談者中心療法では、カウンセラーがクライアントさんの話を積極的に傾聴することで、クライアントさん自身が内面を整理し、自分の考えや感情を明確にしていく、というプロセスを助けていくんですね
こうしたカウンセラーの傾聴の姿勢は「こころの整理」の促進につながっていきます。
クライアントさんがカウンセラーに心を開くことで、徐々に頭の中も心も整理され、自分を受け入れる準備が整っていきます。このあたりが来談者中心療法のキモと言っていいかもしれません。
来談者中心療法の具体的な方法
ここ最近は「傾聴」という言葉に耳慣れてきたかもしれませんが、来談者中心療法で重要なのは「傾聴」というシンプルなスキルです。
カウンセラーはクライアントさんの話に耳を傾け、あいづちやうなずきで反応を示します。そして、必要に応じて質問を投げかけたり、クライアントさんの話を要約して伝え返したりします。
クライアントさんが感情的に混乱している場合でも、カウンセラーが冷静に話を聴き、その内容を整理して伝えることで、クライアントさんの内面が徐々に落ち着いていくことは多いんですね。
この方法は非常にシンプルですが、カウンセリングの基礎となるものです。現在でも幅広く用いられている療法であり、特にパニック障害の方にとっては、
「話を否定されることなく受け止めてもらえる」
という安心感が非常に大きな意味を持ちます。
いかがでしたか?来談者中心療法は、クライアントさんが自己理解を深め、自分を受け入れるプロセスをサポートするカウンセリングの基礎となる手法です。
次回は、パニック障害に適したもう一つの療法について詳しくお話していきますね。