『本なんて!作家と本をめぐる52話』
父が家にいるときは煙草を吸うか本を読むかしていた。その影響で僕は嫌煙家になり読書は好むことになった。中高生のときは、家では勉強せず、主に本を読んでいた。
大学に入り、一人暮らしを始めてから、読書熱は加速した。大学の教科書という「日本語なのに理解ができない」本がたくさんあることを生まれて始めて知り、そういう訳のわからないものを読んで議論できる天才たちに打ちのめされ、2カ月ほど家に篭った。100冊ぐらいの本を手に取ったと思う。
天才たちに頭だけでは勝てないと思い、理論だけでなく実践が必要だと決めて、僕は本を持って旅に出ることにした。大学生活4年のうち通算約1年を海外放浪に、半年ほどを国内旅に費やした。京大を出たが京都には2年半しかいなかったことになる。
社会人になったばかりの時も、経営者になったばかりの時も、どんなに遅くまで仕事したり飲んだりしたときでも、誰よりも早く起きて読書をすると決めた。眠くても頑張った。
しかし、頑張っているつもりが、それがパフォーマンスを落とす原因だと知るのはだいぶ後になってからだ。本を読むよりちゃんと寝た方がいい。本は娯楽としても、知識を得るためにも、他人の体験を借りるためにも役に立つ。が、睡眠はもっと大事である。
本を読みながらコックリコックリするのは最高の体験だ。引き込まれて最後まで一気に読了するよりも、もしかしたら幸せなのかもしれない。また、思うに、布団の横に本を置いといて、眠れないとき、早起きしたときに開くのが最高の読書法だ。
パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。