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【発達障がい診断】脳科学 澤口俊之先生の教育相談②

前回の記事》では、小学校の普通級に在籍する当時7歳のASDの長男(全IQ89)が、脳科学者である澤口俊之先生の教育相談を受けるに至った経緯についてお話しました。




澤口先生が所長を務める人間性脳科学研究所に、長男の教育相談を依頼するメールを送りました。すると、すぐに澤口先生のオンライン教育相談に関する詳しい案内と申し込み書類が送られてきました。

ただ、予約待ちがかなり多く、年齢的に手遅れになりそうな方や発語がないなど、緊急性の高い相談を優先して対応しているとのことで、かなり長く待つことになるだろうと覚悟しました。




申し込み書に記入し、返信してから約1か月ほど経ったころ、「急なご案内となり申し訳ありませんが…」という前置きとともに、翌日急遽空きが出たので、オンライン教育相談を受けられるという連絡が入りました。

予想よりも早く相談が受けられることに幸運を感じた一方で、「もしかして年齢的に手遅れになりそうだから、優先的に診てもらえることになったのかもしれない…」と不安にもなりました。それは小1の夏休みも後半に差し掛かった頃の事でした。



【澤口先生のオンライン教育相談の様子と澤口先生の印象】


教育相談はZoomを使って行われました。パソコン画面越しに澤口先生の姿が映った瞬間、テレビで見ていたそのままの姿に、「本物だ〜!」と内心興奮してしまいました。しかし、実際にお話しする先生の表情や声のトーン、話し方はテレビで見るよりもずっと穏やかで優しく、長男も安心してやり取りできたようでした。


まず、長男にHQテスト(HQについては後述します)を行いました。澤口先生が簡単な指示やお題を出し、それに答える形式のものでした。

テストはおよそ30〜40分ほどで、お題を伝えて絵を描かせたり、数字のカードを見せて何番目のカードは何だったかを当てるクイズ、簡単なストーリーから物事を推測する問題など、様々な課題が出されました。
正解すると澤口先生が、「ピンポンピンポーン🎶すごいね〜!!」と笑顔で褒めてくださり、長男が答えに詰まったり間違えたりしても、「惜しいね〜!!」と、優しく微笑みながら対応してくださいました。
ゲームやクイズのような形式だったので、長男も最後の方は飽きてきたものの、最後まで頑張ることができました。全てのテストが終わると、澤口先生はゆっくりと頷きながら「だいたいわかりました」とおっしゃり、長男の特性について説明をしてくださいました。




【診断結果についての説明】


澤口先生は、従来のIQ(知能指数)に代わる新しい指標として「HQ(人間性知能)」を提唱しています。HQとは、「目的や夢に向かって、社会の中で協調的に生きるための脳の能力」を指し、主に前頭前野の働きに関係します。前頭前野は脳の「司令塔」とも呼ばれ、以下のような役割を担っています。


◎注意を集中させる

◎感情や行動をコントロールする

◎人間関係を円滑にする

◎幼稚園や学校、社会での適応を助ける


HQは、こうした能力を総合的に評価する指標とされており、以下の指数から構成されています。

・ワーキングメモリー能力指数:最重要な基礎的脳機能で、100が標準値。標準範囲は85~115

・実行機能力指数:状況に応じて、反応を柔軟かつ適切に コントロールする能力。100が標準値。標準範囲は85~115

・反応抑制力指数:「多動性 衝動性の指数」として世界的に多用されている。100が標準値。標準範囲は85~115

・選択的注意力指数:「注意力」の代表的な指数。100が標準値。標準範囲は85~115

・心の理論(Tom):相手の気持ちを推測したり相手の立場に立ってる 能力。社会性 発達の重要な指標。値は0か1で、持っているかを評価する。少し持っていれば0.5とする。ASD ではこの値が低くなるか、もしくは持たない。

具体的な数値は示されませんでしたが、長男の場合、ワーキングメモリーの能力指数と実行機能の能力指数がやや低めであり、選択的注意力の指数も低いと指摘されました。


一方で、反応抑制力の指数は平均的であり、
「心の理論(ToM)」を持っていることから、もともとASD(自閉スペクトラム症)傾向は低く、発達的には健常児に近い状態だったと考えられるそうです。

しかし、生後の環境、特に強い視覚刺激による影響で脳の発達に遅れや乱れが生じ、発達障害の傾向が強くなった可能性がある、という診断が下されました。


【早期教育やデジタル機器の使い過ぎがもたらした影響】

長男が1歳頃に、ドッツカードという数字のフラッシュカードや、英語教材(音楽を聴かせたり、DVDを見せたり、英語のカードを見せたりするようなもの)を使った非科学的な早期教育を行った結果、それが脳の発達に影響を与え、発達障がいのような症状を引き起こした、または強めてしまった可能性があると指摘されました。
「非科学的な幼児教育」「月齢に不適切な英語教育」「スマホや知育機器のようなデジタル機器の使い過ぎ」は、発達障がいのリスク要因だそうで、その全ての項目に当てはまっており、大きなショックを受けました。


一般的に、ASD(自閉スペクトラム症)は遺伝的要素が強く、1歳半頃には特徴的な症状が現れるのだそうです。
しかし、長男は1歳半検診や3歳児検診では発達の遅れを指摘されることはなく、幼稚園に入園して集団行動が苦手だと分かるまでは、強いこだわりや癇癪を持つ「少し手がかかる子」という認識でした。それでも、振り返れば長男にはもともとASD的な特性が少なからずあったのだと思います。そして、もし非科学的な早期教育がそれを悪化させたのだとすれば、これまでのいろいろな出来事やここに至るまでの経緯について説明がつくと思いました。


澤口先生は、脳科学者らしい論理的で冷静な口調で、時に厳しい言葉も交えながらお話しされました。
しかし、続けて
「すでに小学生なので、改善には時間がかかるかもしれませんが、今からお伝えすることを実践すれば、必ず改善できます」
「IQが100を超えることも可能です」
と力強く断言されました。その言葉を聞いたとき、どんな難しい取り組みが待っているのだろうという緊張感と、「発達障がいを改善する方法」という前向きなメッセージに、胸が高鳴りました。


つづく


🍀おわりに

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


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