カスタマーサクセスの必須ツール!? intercomでできること
こんにちは!エン・ジャパン株式会社の新規事業「pasture(パスチャー)」でカスタマーサクセス(以下CS)をしている榊原です。
連載4回目のテーマは、CSチームの必須ツールである「intercom(インターコム)」の機能紹介です!
他社CSでもよく導入されているツールです。とても良いサービスなのですが、海外製品のためUIがすべて英語、ヘルプページもリリースお知らせもすべて英語です。使いづらい!と感じるかたも多いのではないでしょうか。
本記事では、intercomの便利な機能や使い方をご紹介します!お役に立てれば幸いです。
◆intercomとは?
intercomとは、アメリカで誕生したカスタマーサポートプラットフォームです。これ一つでマーケティング、Webセールス、問い合わせ対応など、顧客とのコミュニケーションが完結する総合型のクラウドツールです。
pastureでは、主に既存顧客とのコミュニケーションツールとして使用しています。
◆主な機能
intercomの機能は主に、次の4つに分けられます。
①チャット機能(Inbox)
②ヘルプページ(Articles)
③メール配信(Outbound)
④顧客情報の管理(Contacts)
上記以外にもさまざまな機能があり、総合的な顧客コミュニケーションが可能です。
◆チャット機能
intercomを連携させると、サービス画面上にアイコンが表示されるようになります。顧客はここからチャット問い合わせができ、運営側からはお知らせをポップアップで送信できます。
顧客からチャット問い合わせがくると次のような表示になります。
1. Reply
返信を書いて送信します。
ヘルプ記事を添付したり、あらかじめ登録しておいた定型返信(Saved Reply)を呼び出して送信することもできます。よくある問い合わせ対する定型返信を用意しておくと、スピーディーに回答できて便利です。
また、チャット対応者による品質のバラつきを抑え、回答の標準化もできますね。
2. Note
チーム内でもチャットやり取りができます。ここでのやり取りは顧客側には見えません。チーム内で相談しながら回答準備ができます。
3. User Notes
顧客に対しメモを付け、チーム内で共有できます。申し送り事項や対応時の注意点などを書いておくと便利ですね。
4. User tags
顧客や企業にタグを付けることができます。セグメントに利用できるので便利です。
5. 顧客情報
最後のログイン日時、サインアップした日、サイト訪問回数、ブラウザやOSの種類・・・などの属性が自動で表示されます。このような背景情報を得た上で問い合わせ対応ができるので、適切なサポートがしやすくなります。
例えば、まだサインアップして間もないユーザーには厚めに説明する、などの対応が考えられます。
他にも、条件を設定して自動で優先順位をつけたり(Priority)、問い合わせの種類によって自動的に対応者をアサインしたり、チャット対応量がチーム内で均等になるように自動で振り分けたり・・・などができます。
※一部は有料オプションとなります。
◆ヘルプページ
下記のようなヘルプセンターが簡単に構築できます。
https://help.pasture.work/ja/
テンプレートが用意されており、だれでも簡単に記事を作成・公開できます。
ちょっとデザインの拡張性がいまいちだったり、日本語だとアンカーリンクが作成できなかったりと、デメリットも多いのですが顧客サポートには欠かせない機能です。
1. 自動サジェスト(英語のみ対応)
上述のチャットで顧客が問い合わせを打ち込むと、自動でヘルプがサジェストされます。
ただ、現状この機能は英語の問い合わせにしか対応していないため pastureでは役に立っていません笑
2. 記事の閲覧数が分かる
もっとも読まれている記事がランキング形式で分かります。
顧客がつまづいている箇所の記事は上位に入ってくるので、プロダクトの改善にも活かせますね。
※現状は7日以内、28日以内、90日以内の3種類でのフィルタリングにか対応していません。期間指定など細かい条件検索ができないのがちょっと残念。。。
3. 検索ワードが分かる
ヘルプセンターではキーワード検索ができるようになっています。
そこに顧客が打ち込んだ検索ワードのうち、ヒットするヘルプ記事がなかった検索ワードが一覧で表示されます。
これにより、新しいヘルプ記事を作るべきかどうかや、既存記事の改訂などに役立てることができます。
◆メール配信
顧客を条件でフィルタリングし、メールやサービス内ポップアップ等で連絡できる機能です。例えば、初回登録から○日たったユーザーに対し特定のメールを送る、等が簡単に設定できます。
顧客サポートだけでなくマーケティングツールとしても利用できますね。
1. 開封率やクリック率が分かる
下記図のように、誰に送信され、誰が開封し、誰が返信したのかが自動で集計されます。
有料オプションではABテストなんかも出来るようです。
2. 送信スケジュールが設定できる
日時での指定も出来ますし、特定の条件を達成したら送信停止というような設定もできます。
古い情報を送り続けるということが防げて便利ですね。
◆顧客情報の管理
サービス登録者およびサイト訪問者の情報が自動で蓄積され、Contactsというところで一元管理されます。ここでは、ユーザーの情報(例:最後のログイン日時、サインアップした日、サイト訪問回数、使用しているOSなど)で絞込検索することができ、さらに絞り込み条件ごとにセグメントとして登録しておくこともできます。
pastureでは、企業ユーザーとパートナーでセグメントを作りユーザー数の推移を可視化したり、最後のログインが1か月以内のユーザーでセグメントし、アクティブユーザー数がリアルタイムに把握できるようにしたり・・・といった使い方をしています。
作ったセグメントは絞り込み条件としても利用できるので、お知らせ配信などでフィルタリングする際にも役立ちますね。
◆その他の便利機能
その他の機能で便利なものを紹介します!
※すべて有料オプションです。
1. custom bot
あらかじめ設計しておいた分岐に従って顧客が選択していくと、自動で回答まで導くことができるbotです。pastureではつい最近導入しましたが、しっかりと効果が見えています。よくある問い合わせはオペレーターが対応しなくてもbotで解決できるケースが増えています!
設計するのは結構大変ですが、最初に設定してしまえば後は楽です!
2. resolution bot
自動返信botです。顧客が入力したワードから判断して、あらかじめ登録しておいた回答をサジェストするものです。
pastureでも一時期 使用していましたが、現在は使用していません。理由は、もともと英語での対応を想定した機能なので日本語との相性が悪く、思うように機能しなかったためです。
英語での問い合わせ・サポートであれば、かなりの導入効果があるのではないでしょうか?
3. product tour
サービス画面上にチュートリアルを表示する機能です。intercomを使えば、コードを書かずに実装できます!
pastureでは、初回登録の方法を案内したり、新機能が出たときにお知らせするのに使っています。もちろん、表示・非表示は顧客属性によってフィルタリングできます。スケジューリングも可能ですし、閲覧数も自動集計されます。
プロダクトツアー実装前までは「初回登録の仕方が分からない」という問い合わせが多かったのですが、今ではこの問い合わせがほぼゼロになりました!
新機能のお知らせは、どうしてもメールだと読まれなかったり埋もれてしまったりするのが課題でした。。。プロダクトツアーを使えば、視覚的に・分かりやすく・確実に届けることができるので「重要な機能アップデートを知らない」という状況を無くすことができました。
設計するのにちょっとコツが必要ですが、慣れてしまえば非常に有用な機能です。
◆最後に
いかがでしたか?使いこなせればとっても便利なツールですよね。
intercomを使いこなすことで、より早く、適切な顧客コミュニケーションが実現します。
CSという職種自体がまだ日本に入ってきて間もないので、CS用ツールも必然的に国産よりも外国製のほうが多く、使い勝手も良かったりします。
UIが全面英語だと敷居が高く感じられますが、それ以上に導入効果があると思うので、一度使ってみてはいかがでしょうか??
次回はCSチームで実施した勉強会(テクニカルライティングと経理勉強会)について書きますね!
お楽しみに!
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