股関節へのストレスを抑える効果的なスクワット方法とは?
▼ 文献情報 と 抄録和訳
模擬的な股関節筋力低下がディープスクワット時の股関節力に及ぼす影響
Tateuchi H, Yamagata M, Asayama A, Ichihashi N. Influence of simulated hip muscle weakness on hip joint forces during deep squatting. J Sports Sci. 2021 Oct;39(20):2289-2297.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[目的]
本研究では、模擬的な股関節筋力低下が、深いスクワット動作時の股関節力の変化に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
[方法]
健常者10名が、3つの異なるポジション(足の角度0°[N-squat]、つま先10°[IN-squat]、つま先30°[OUT-squat])でスクワット動作を行った。筋力と股関節力の計算には,各参加者のスケールアップした筋骨格系モデルを用いた。各股関節筋について,完全な筋力,軽度の筋力低下(15%低下),重度の筋力低下(30%低下)のモデルを作成した。股関節力に影響を与える筋肉を特定し、3つのスクワット条件での関節力の変化率を比較した。
[結果]
下殿筋の筋力低下モデル(iGlutMax)とiGlutMax+深層外旋筋(ExtRot)の筋力低下モデルでは、股関節前面の力が増加した。これらの筋肉を30%筋力低下させた場合、以下の順に前側関節力の増加率に統計的に有意な差が認められた。IN-squat(iGlutMax、29.5%、iGlutMax+ExtRot、41.4%)、N-squat(iGlutMax、18.3%、iGlutMax+ExtRot、27.8%)、OUT-squat(iGlutMax、5.6%、iGlutMax+ExtRot、9.3%)。
[結論]
股関節の筋力低下を伴う場合は、股関節力の増加を最小限に抑えるために、OUT-squatを推奨する。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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✅スクワットは臨床上よく行われるエクササイズであるが、姿勢変化によって筋活動が異なることが知られている。一方で、股関節など各関節にかかるストレスに考慮して、スクワット肢位を決定していくことも重要だろう。
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