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脱 コイン・缶コーヒー思考
理学療法士の仕事のしていると、患者様・利用者様から色々なことを聞かれます。
その中には、「この痛みはどれくらいで治りますか?」など理学療法に直接関わる内容もあるけれど、それ以外の様々な生命現象について質問してくださる方も結構多い。
その代表例としては、
「グルコサミンを飲むと、本当に膝の変形が治りますか?」
などである。
脱 コイン・缶コーヒー思考
私たちはしばしば生命現象をあまりにも単純な「メカニズム」として見がちである。この陥穽を、生化学者ルドルフ・シェーンハイマーは「ペニー・ガム」思考と呼んで批判した。
この「ペニー・ガム」思考は、自動販売機にペニー硬貨を入れると、ガムが出てくる。ならばペニーがガムに変わったという短絡的思考の例えで名付けられた。
ただ、この例えは日本人にとって馴染みがないので、自動販売機にコインを入れると缶コーヒーが出てくる、「コイン・缶コーヒー」思考と私が勝手に名付けてみた。
理学療法士の仕事の一つは、患者様・利用者様の「コイン・缶コーヒー」思考を取り除くことであると、私は最近思う。
何故かって、他の医療従事者と比較して、患者様・利用者様と一対一で関わることが多い。すなわち様々な生命現象について聞かれることが多いからである。
「グルコサミンを飲むと、本当に膝の変形が治りますか?」
と聞かれて、「Yes」と答える理学療法士は少ないだろうが、根拠をもって「No」といえる理学療法士も少ないのではないだろうか。
かくいう私も、最近までそうでしたが、、、。
だからこそ、理学療法士は治療に関する知識・技術に限らず、生命現象に関わる様々なことを学ぶ必要があるのではないか。そして、それらを学ぶ前提として、『生命現象は単純じゃない!』という『脱 コイン・缶コーヒー思考』をもっておいた方がいいのではないか。そう思います。
今回は、自身の反省を込めて、『脱 コイン・缶コーヒー思考』について、まとめてみました。
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