米ドラマ「THIS IS US」の素晴らしさ
THIS IS US、ついに完走いたしました。
シーズン6まであるからまだまだ楽しめるわ~と思ってたんですが、気付いたら終わってもうてた。2か月間、ほんまに楽しませてもらいました。
シーズン1を観終わった時にもう感動してましたが、その時の想像を遥かに超える、壮大な物語でした。
もう全てが素晴らしすぎて、感想をまとめるとか不可能なんですが、不可能を可能にします(は?)
ただただ人間を深く掘り下げる
誰もが一生懸命生きている、その姿をとことん掘り下げるドラマ。
夫婦と、その三つ子たち、そして彼・彼女らの人生に少しずつ加わっていく家族、友人たち。
その一人一人の人生、来し方、性格の描き方が、驚くほど丁寧。
こんなドラマは見たことないです。
シーズン6の終わりまで全く飽きさせることなく、メインキャストほぼみんなを深く深く掘り下げます。
めちゃくちゃ派手な事件や事故が起こるわけではなく、人間をとことん掘り下げてその人生を見つめたドラマが、こんなに心を打つとは!
人間ってこうだよね、私たちってこういうふうに成長したり、成長してなかったり、失敗したり、成功したりして、一生を過ごすんだよね、という「共感」に満ちたストーリーです。
娘であり、妻であり、そして母親であるレベッカの一生を描く物語なのかも
主役はいないドラマですが、最後まで見ると、三つ子の母親であるレベッカの物語だったのかも、と思わされます。
愛しているけれど好きになれない母親との関係、歌手になりたいという夢、夫ジャックとの出会い、養子ランダルの受け入れ、三つ子の子育て、最愛の夫ジャックの死、夫の親友でありよき理解者ミゲルとの再婚、娘ケイトとの複雑な関係、孫たちの祖母としての日々、アルツハイマー患者としての晩年。
レベッカの一生に沿ってドラマも動いていて、ラストはもうレベッカの死に向かってストーリーも走っている感じ。
死ぬところの演出が見事すぎて、ほんまに心を揺さぶられました。
列車に乗って、若い姿のレベッカがこれまでの過去を振り返りながら車両を歩いて渡っていく。
その案内人が、養子ランダルの実父であるウィリアムなのよー!!!
ウィリアムがレベッカの手を取って進んでいくの、ほんま素敵。
ウィリアムの存在を知りながら、ランダルに長年隠していたことで、レベッカはずっと自分を責め続けてました。
もう自責の念にかられる必要はない。
三つ子の子育てもおしまい。
あとはジャックのもとに行くだけ・・・
的な。
人間の一生はなんて儚くて、美しいんでしょうね。
どんな人生でも、等しく尊いんやなあと思わされました。
覚えておきたい素晴らしいセリフたち①
ストーリーの巧みさもさることながら、それを支える素敵なセリフが山のように出てきます。
脚本家、人生何回目?
私がいいなあと思ったセリフ・場面をいくつかご紹介。
シーズン1 エピソード5
ケヴィンが姪2人に「死」について語る場面
俳優ケヴィンが練習していた芝居の台本に、死についての言及があり、
それを怖がった2人をケヴィンが励まそうとするシーンです。
英語では最後は”It is us"と言っています。
ケヴィンのすごいところは、子どもを子ども扱いせず対等に話をする才能があること。私も子どもと対等に話ができてるか、日々気を付けたいなあ。
人生っていうのは、生まれるのも死ぬのもランダムなできごとで、
嘆いたりする必要はない。おんなじ宇宙で消えたり光ったりを繰り返しているだけ、今だけが確かで大切だ、みたいな意味として私は受け取りました。
シーズン2 エピソード15
ジャックの葬式でK先生がレベッカと話す場面
三つ子をとりあげた産婦人科医である、年老いたK先生。最愛の夫の葬式で、悲しみに暮れるレベッカと静かに会話するシーンです。
三つ子を産んだ時、一人失って養子を迎える決心を後押ししたK先生。
ジャックや三つ子のことをよく知っている先生との静かで少しお茶目な会話が、レベッカの心をスーッと癒していくのが伝わります。
最後の「だが年だからそれに6分かかる」、「最近一番得意なのは座ること」のあたりは、まだ一緒にいてあげるよっていう絶妙な気遣いがにじみ出てて、温かくて胸いっぱいになります。
こんなに優しくて素敵なセリフある?
まだまだあるので、次のnoteでお伝えさせていただきます。