湊町文化が今も息づく新潟の”しもまち”をゆる大人さんぽ【街歩きZINEイベントレポ】
「新潟の”しもまち”って何があるんだろう?」
「中々行く機会がないんだよね…。」
言葉としては聞いたことがあっても、
湊町文化が受け継がれる”しもまち”について
くわしく知らない方も多いのではないでしょうか。
✎ 路地裏がすき!
✎ 風情ある街並みって落ち着く
✎ 歴史ある古民家にわくわく
✎ 単純にお散歩がすき
そんなあなたにおすすめなのが、しもまち。
実は、大人の街歩きにピッタリの街だったのです!
今日は、2020年10月17日(土)に開催された”しもまち街歩きZINEイベント”に参加し、初めてしもまちをゆっくりと歩いたわたしが感じたことを、正直にレポートします…!
今回は下町の魅力を発信するプロジェクト「はじめて、しもまち」の企画に参加。みんなでまちあるきをして、参加者一人ひとりが撮った写真や文章をまとめて電子版冊子(=ZINE)をつくるそうです!
(※ちなみにZINE(ジン)とは、個人でつくる雑誌のこと。自分の好きなものや旅行記、エッセイなどテーマは自由!自分の好きなように表現できる冊子です)
🌳しもまちってどこ?
そもそも、しもまちとは、どこのエリアを指すのでしょうか?
人によって解釈は異なるようですが、今回わたしたちは「柳都大橋から北のエリア」をしもまちと呼び、まちあるきをしてみることにしました。
と言われても、やっぱりどこなのかピンときませんよねぇ…。簡単に言うと、古町の奥の方で、信濃川河口付近の”みなとぴあ”がある辺りのエリア。
古い建物や、神社、小路が多いのが印象的で、
港町文化が今なお根付く、ちょっとレトロな街です。
🌳しもまちで、ゆるい大人の歴史探検
男性3名・女性3名が参加した、
”しもまち街歩きZINEイベント”は、
ズバリ!大人の歴史探検でした。
(小学生の時、男女でグループになって行きませんでしたか?)
集合場所は、二葉コミュニティハウス分館。(新しくて綺麗な施設でしたよ〜)
自己紹介をして、参加者同士で打ち解けると、さっそくまちあるきへ。やさしい雰囲気の参加メンバーとともに、しもまちをゆっくり歩いてみると…。
『しもまちって、大福で有名なさわ山さんとみなとぴあくらいしかないでしょう?(失礼)』
という認識だったわたしが、
❁しもまちって、自然も古民家も歴史も人情もある!
❁何もなさそうで、“小さな素敵“が集まっている!
という認識に変わりました。(すごい)
それではここから、
実際に街歩きで巡った素敵スポットをご紹介します!
◆約30秒で登れる山の頂上にある、日和山住吉神社
まず向かったのは、日和山住吉神社。
高さ約12.3mほどのかわいい山の上にある、
小さな神社です。
たったの30秒、階段をのぼるだけで新潟市の街も見渡せるパワースポットに到着します。
ここは、北前船が行き来をしていたころ、船が安全に運行できるように天候や海上の様子を観測していた場所なのだそう。
日々の忙しさに心が疲れた時は、
高いところから街や景色を眺めるのがおすすめです!
気分転換になりますし、悩みがほんのり小さく思えます!(あれ?わたしだけ?)
立派で神聖な木に、ググッと心が突き動かされました。
樹木フェチの私も認める、これはいい木…!!!
生命力溢れる木が生えている高台から、空気をめいっぱい吸い込んで深呼吸すると、癒し効果は抜群です。
ふと周りを見ると、木ばかり写真を撮っている私、おみくじをひいて大吉だと騒ぐ人、案内文を熱心に見つめ立ち尽くす人…。
みんな自由。笑
おとなだもん。
気ままにそれぞれが楽しむスタイルがいいですよね。
◆隠れ家感と看板犬に癒される古着屋さん ASYLUM(アサイラム)
日和山住吉神社のある坂道をちょっとくだると、気になる古着屋さんとの出合いが。
ひとりだったら躊躇して入れないけど、複数人の仲間がいるイベントなら、潜入できますね!(強気)
お店に入ると看板犬のヒナちゃんが迎えてくれました。
か、か、か…かわいすぎる…!
人当たりのいいダンディーな店主様が、
『これは、◯◯年代のフランスのセーラー服だよ。』
『セーラー服って言うのはさ、ちゃんと意味があって、襟は風よけなんだよね。』
と、服のルーツを丁寧に教えてくださいました。
ファストファッションとは違い、ひとつひとつの服に対して、どこでどのように作られたかまでお客さんに伝えることを大事にしているそう。
奥様も、ほんわか笑顔が素敵で、やさしい…。
他の参加者3名は、おそろいの靴下を買って
「あったかい!」「全然ちがう!」を連呼。
この日は小雨が上がったばかりで気温が上がらず、10月にしてはグッと冷えた日でしたからね。
盛り上がっている中入り込めない、暑がりの私の相手は、看板犬のヒナちゃんがしてくれていたので、ちっともさみしくなかったですよ。ふふふ^^
▲お見送りをしてくれるヒナちゃん
◆湊町の歴史が残る、しもまち早川堀通を散策
お次は、お堀を埋め立てできた、しもまち早川堀通を散策。昔はお堀を船で漕いで、人や物を運んでいたんですもんねぇ…。
しかし、環境の変化により水質状態が悪化。
ドブ川とまで呼ばれていた堀を埋め立てて、道路にしたとのことです。
ですが近年、湊町文化を残そうと、
ところどころ、きれいなお水の川にし、
風情ある街並みに再生したのだそう!
(うんうん、いい感じです)
小道を散策中、参加者のひとりが
「柳都(りゅうと)と言う割には、新潟市に柳ってあんまり生えてないですよね。せっかくなら、もっと統一してバーン!と売りにすればいいのに。」
という話を。
思わず、
「わっかります…!!!もっと前面に柳を出してもいいですよね!わたしも新潟市=柳の木という思い入れがそこまでないんですよ…。」
と答えます。
2人で、
「柳って高級なのかなぁ…?」
「かもですねぇ…。」
などと話しながら、小道の脇に立つまだ細くて若い柳の木に、思いをはせました。
この柳の木とともに、これから発展していく新潟のしもまちに期待をこめて…。
◆素材の味がシンプルでおいしいパン みなと街ベーカリー
散策途中、「小腹がすいたね。」
と参加者みんなで顔を見合わせ、みなと街ベーカリーさんに立ち寄りました。
訪れたのは、午後3時前。
ショーケースはほぼ空っぽ。なんと、ほとんど午前中に売り切れてしまうのだそう!
(予約分と書かれていた愛おしいフォルムのコッペパンを食べてみたかった…。今度は午前中に買いにいこう!)
まずは、自分が購入したバターシュガーパンをパシャッ!
素朴で飾らないパンは、派手さはないけれど、噛みしめるほど味わい深く、生地がおいしいっ!
主催者さんの食べてたハード系のパンもおいしそうでしたし、
はちみつシュガートーストを「うまいうまい、これは食べた方がいい!」と興奮している参加者さんも。そんなに推すなら今度食べてみようかなぁ…。
◆新潟港の安全を150年以上祈願し続けている 浅草観音堂
さて、次にたどり着いたのは、こんな住宅地に?というところに、ひっそりと佇む浅草観音堂。
わずか6畳間の本堂の奥に、ご本尊はいらっしゃいます。毎月18日にご開帳されていますが、参拝する人の数は年々減っているとのこと。
たしかに、新潟港の安全を祈願するため、150年前に東京の浅草寺から来られた大変貴重な仏様が新潟のしもまちにいらっしゃるなんて、知らなかったです!
現在は、地元の方のご好意で管理してくださっているそう。
一見、ひっそりと目立たない場所なのですが、確実に港町新潟を見守ってきてくれた観音様。
地元の方が守り続けてきた想いと共に、これからも大事にしていきたいですね。
さてさて。
地元の方と楽しくお話をさせていただきつつ、見学をしていたら、もう外がうす暗くなっている時間帯に…!笑
旧小澤家住宅や、フレッシュ本町という商店街を早足で通りながら、ZINE作りの会場でもある二葉コミュニティハウス分館へと戻ります。
帰り道、なつかしのアップルシャーベットや、七夕ゼリー、ワインゼリー、クレープなどが売られている株式会社みなとやさんに心を奪われ、
「なつかしい〜!」
「給食でこれが1番すきだった!」
と盛り上がります。
(この日はとても寒かったので断念しましたが、アップルシャーベットか冷凍パイン、リベンジしたい!)
二葉コミュニティハウス分館に到着すると、みんなでZINEで担当するスポットの話し合い。
しかし…
たくさん歩き、わたしのお腹が盛大にグ〜ッ…。
(もうこの万年腹ぺこ症候群、ほんとうにイヤ)
ごまかせない音量だったため、参加者さんがみなと街ベーカリーさんで買った食パンをお裾分けしてもらいながら、ZINEに載せる写真や文章を考えました。
嗚呼、救いの食パン…。何もつけなくてもしっとりモチモチおいしくてびっくり!おかげでよい文章が舞い降りてきましたよ!
(※腹が減ってはいい文章はできぬ)
▲めぐんでもらったのは、こちらの食パン
🌳しもまちをゆる散歩し、歴史と風情を感じてみよう
今回のイベントは、本当にゆる〜い街歩き。
街歩きというよりも、”散歩”という響きの方がしっくりくるよね!という参加者さんからの声も。
ゆっくり気ままに歩く街歩きイベントだったからこそ、通り過ぎがちな目立たない隠れ家スポットや、その場の空気感をじっくり味わうことができました。
“しもまち”は、何か特別きらびやかなものがあるわけではないのだけれど、決して何もないわけではない。一見地味で、派手さはないのだけど、小さな発見が盛りだくさん。新潟育ちでも知らない隠れた魅力にあふれていました。
路地裏がたくさんあるので、路地裏萌えの方にもおすすめです。
「この先はなにがあるんだろう?」「えっこんな所にお店が…!?」と小さな発見にわくわくする大人にぴったり!実際に歩いてみて、その雰囲気を感じてほしいです。
🌳しもまちの独特の空気感について
今回はじめてじっくりとしもまちを歩いてみて感じたのは、しもまち独特の空気感。
正直、最初は「地元の人じゃないとちょっと入りにくい雰囲気かな…。」
と感じました。(地元の人のつながりが強い印象)
しかし!
しもまちの人たちは、ちょっと踏み込めば、120で返してくれる人たちなんです。
お店に入れば、地元の方々がニコニコと歴史や想いを話してくれる。
「若い人にどんどんきてほしい!」「新しい視点を教えて!」と快く若者を受け入れるような雰囲気でした。
🌳まずは、しもまちのイベントに参加してみよう
しもまちに興味はわいたけれど、
『ちょっと1人で散策するのはハードルが高い…。』
『どこを歩けばいいのか分からない…。』
『くわしく歴史背景を説明してもらいたい…。』
そんなあなたは、まずイベントに参加してみるのをおすすめします^^
自分からグイグイいけないタイプのわたしでも、
安心して地元の方のお話を聴くことができた理由…それは…。参加者さんの中に、地元の方と顔見知りのお兄さんがいらっしゃったからです。
複数人で街を巡るイベントだからこそ、より”しもまち”を楽しめたのだなぁと思います◎
新潟市中央区の取り組みとして、これからライブやマルシェなどが開催され、ますます盛り上がっていく街、しもまち!
次の街歩きイベント情報は、こちらをクリックしてチェックしてみてください。
https://peatix.com/event/1676448/view
他のイベント情報は、公式SNSをご覧くださいね◎
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『こんな文章でいいのかな?』と参加者みんなであれこれ悩んだけれど、参加した証として形に残るってうれしいですね…!
〈素敵な写真たち:参加者のみなさん〉