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人生は一場の芝居だと言うが、芝居と大きく違う点がある。芝居の役者の場合は、舞台は他人が作ってくれる。生の人生は、自分で、自分の柄に適う舞台をこつこつ作って、その上で芝居をするのだ。他人は舞台を作ってくれぬ。

司馬遼太郎「竜馬が行く」の坂本 龍馬の言葉です。
小説や伝記は人の生涯を描きます。

人の生涯を描く作家は
自ずと人生を俯瞰して私たちに見せてくれます。

私たちの人生は、
一つの舞台だとも言えます。

辛いこと、嬉しいこと、悲しいこと、楽しいこと
様々な体験が表現される
「私の舞台」とも言えます。

舞台に入り込んで見ていると、
主人公が危機に陥るとき
ハラハラ
ドキドキ
心臓が破裂しそうになります。

主人公が傷ついて悲しんでいるとき、
シクシク
メソメソ
共に涙を流しています。

しかし、気持ちを1メートルはなして
それを舞台だと気がつき、
もう一度目をやると
主人公以外の登場人物にも目を向けることができます。

他の人々の気持ちや事情を考える余裕ができます。
自分のいる場所全体が目に入ります。
それだけではなく、自分がいる時間軸が目に入ります。

スペースと時間の中にある
自分という「点」が見えてくるのです。

渦中の主人公が
危機から逃れる方法も
見つけることができます。

私たちの一つ一つの決断、
問題への対応の仕方が変わります。

この舞台を作っているのは誰なのでしょうか?

私たち自身なのです。

先日、子供とシリーズのアニメを見ていました。
今も続く、古いアニメです。
2000年に放送された話で
アニメの主人公が悪者に追われて
殺されそうになります。

「どうしよう、殺されちゃうよ!」
と、私がハラハラすると
身を縮めて緊張して見ていた子供が
急に姿勢を直します。

「大丈夫だよ。昨日、最新作を見たけど
まだ主人公は生きてるから。
ここでは死なないってことだよ。」
と、冷静に子供が言います。

この目線の移動がとても大事です。

子供のその気づきに感動したことを
子供に伝えます。

その技がどんなに役に立つかを
伝えます。

自分を見つけようと、奮闘しているとき
私たちは狭い視野の中にいます。

視点を変えた時に初めて
自分は作家となり、
主人公の自分を創造し
楽しみに満ちた人生というストーリーを
展開できます。

これは人生創造の技の一つです。

子供が人生という舞台を
楽しむ技をいくつも身につけてくれると
嬉しいです。

今日もみなさまにとって、素敵な作品が生み出せる1日でありますように。

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