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69 受験生を支える親のための5つのヒント | Part 1〜脳神経科学に基づくサポートで、受験ストレスを軽減する〜
受験が近づくにつれ、親として「どう支えればいいのか?」と悩むことも増えてくる。
• 「子どもがイライラしているけど、どう声をかけるべき?」
• 「勉強のやる気がないように見えるけど、放っておいていいの?」
• 「受験のプレッシャーを感じさせすぎていないか不安…」
受験は、親にとっても大きな試練だ。しかし、親の関わり方ひとつで、子どものストレスを軽減し、本番でのパフォーマンスを最大限に引き出すことができる。
今回は、脳神経科学の観点も交えながら、**受験生を支える親のための5つのヒント(Part 1)**をお届けする。
① 「何かおかしい」という子どものサインに気づく
脳がストレスを感じると、身体に様々な変化が現れる。
これは、自律神経系とホルモンバランスが影響を受けるためだ。
例えば、子どもにこんな変化が見られないだろうか?
✅ いつもよりイライラしている(扁桃体の過剰活動)
✅ 集中力が続かず、ぼーっとしている(前頭前野の機能低下)
✅ 眠れない、または寝すぎる(ストレスホルモン「コルチゾール」の増加)
✅ 「どうせ無理」「勉強しても意味がない」とネガティブになる(ドーパミン不足)
ストレスを放置すると、前頭前野(思考・判断を司る)が適切に働かなくなり、学習効率が低下してしまう。
つまり、「頑張らせるよりも、ストレスを軽減すること」が学力向上のカギとなる。
💡 親ができること
• 「最近疲れてない?」と、そっと声をかける(詰問にならないよう注意)
• 無理に励まさず、まずは子どもの気持ちを受け止める
• 気分転換の時間を意識的に作る(散歩・好きな音楽・軽い運動など)
② ストレスの原因(ストレッサー)を整理する
受験ストレスには、次の2種類がある。
✅ 「望むストレッサー」(成長のために必要な負荷:報酬系が活性化)
✅ 「望まないストレッサー」(無意識に受けている不要な負担:ストレスホルモンが増加)
例えば…
• 「模試の結果が悪かった」 → 苦手分野を知るためのチャンス(望むストレッサー)
• 「親や先生の期待に応えなきゃ…」 → 必要以上のプレッシャー(望まないストレッサー)
💡 親ができること
• 「結果」よりも「努力のプロセス」に目を向ける(報酬系を活性化)
• 「勉強しなさい」ではなく、「最近どんな勉強してる?」と興味を持つ(ストレスを減らす)
• 過度な期待や比較をしない(扁桃体の過剰反応を防ぐ)
③ 高すぎる期待値を調整する
親の期待が高すぎると、子どもは**「達成しないと親に認められない」と感じ、過剰なストレスを抱えてしまう。
これは、「自己決定理論(Self-Determination Theory)」に基づく考え方で、「自分で選択している」と思うほどストレスは軽減し、「やらされている」と思うほどストレスは増大する**。
💡 親ができること
• 「100点じゃなくてもいい」「この高校以外も道がある」と伝える(プレッシャーを軽減)
• 「結果」ではなく「努力」を褒める(ドーパミン分泌を促す)
• もしうまくいかなかったときの「次の選択肢」も一緒に考えておく(心理的安全性を確保)
④ 無意識のバイアスを外す
✅ 「受験は人生のすべて!」 → 本当にそうか?
✅ 「○○高校(大学)じゃなきゃ意味がない!」 → ほかにも道はあるのでは?
✅ 「他の子はもっと勉強しているのに…」 → 比較は逆効果!
こうした「固定観念」は、脳の**デフォルトモードネットワーク(DMN)**が過剰に働いている状態。
💡 親ができること
• 「本当にそうなの?」と一度考え直す(DMNのバイアスを修正)
• 子どもが「どうしたいか?」を尊重する(自己決定感を持たせる)
⑤ ストレスを委小化する(小さくする)
ストレスは意識するほど増幅する。
そのため、「視点を広げる」「別の角度から見る」ことで、ストレスを小さくできる。
例えば、受験を目前に控えたとき、子どもは「失敗したらどうしよう」と不安を強く感じやすい。
しかし、実際に試験の結果が人生のすべてを決めるわけではない。
💡 親ができること
• 「5年後、この受験の結果をどう思う?」と問いかける(時間軸を広げる)
• 「どんな結果でも、この経験は無駄にならない」と伝える(ストレスの異常化を防ぐ)
• 過去の成功体験を思い出させる(「これまでも頑張れたんだから、今回も大丈夫」と自己効力感を高める)
• ポジティブな視点で受験を捉え直す(「この経験を通して成長できる」と考えさせる)
ストレスを過度に抱え込まず、適度な緊張感を持って受験に臨むことが、本番でのパフォーマンスを最大化するポイントになる。
次回予告
次回は、**「受験生を支える親のための5つのヒント | Part 2」**をお届けします!
さらに5つの具体的なサポート方法を紹介し、受験本番までに親ができる最善のサポートについて深掘りしていきます。
受験期は、親にとっても試練の時期。
でも、親が焦らず、落ち着いてサポートすることで、子どもも安心して受験に向かうことができます。
Part 2もお楽しみに!