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70 受験生を支える親のための6つ目のヒント Part2~脳の仕組みを活かして、ストレスを力に変えるサポート~

受験期の子どもたちは、日々のプレッシャーや不安と向き合いながら努力を続けています。
そんな中、親としてどのように支えるべきか悩むことも多いはずです。

前回の「5つのヒント Part1」では、環境づくりや声かけの工夫 についてお伝えしましたが、今回は 「脳の仕組み」 を活かしたメンタルサポート方法を紹介します。

受験は単なる試験ではなく、子どもが自分自身と向き合い、成長する大切な機会です。
ストレスを減らすだけではなく、ストレスを力に変える関わり方 が、子どものパフォーマンスを最大化します。

それでは、「受験生を支える親のための5つのヒント Part2」をお届けします。

6. ネガティブな感情を書き換えるサポートをする


脳は、ネガティブな情報を優先的に記憶する仕組みを持っています。
これは 「ネガティブバイアス」 と呼ばれ、危険を回避するための本能的なメカニズムです。

しかし、受験期にこのバイアスが強く働きすぎると、「できなかったこと」や「ミスしたこと」ばかりに意識が向き、自己肯定感が低下してしまいます。
そこで重要なのが、意識的に「できたこと」に目を向け、ポジティブな記憶を脳に刻むこと です。

親ができること

✅ ネガティブをポジティブに変換する言葉がけ
• 「ミスがあったね → じゃあ、今のうちに修正できるね!」
• 「この問題が難しい → それだけ成長のチャンスがあるってことだね」

✅ 「できたこと」にも目を向ける
• 「今日は何がうまくいった?」
• 「昨日よりも進歩したことは?」

➡ ポジティブな情報を意識的に記憶することで、自己肯定感が高まり、学習のモチベーションが持続する。

7. 違和感や葛藤を歓迎する


前帯状皮質(ACC) は、「エラーの検出」や「葛藤の処理」を担う脳の領域です。
受験期には、「この勉強法でいいのか?」「志望校の選択は正しいのか?」といった葛藤が多くなりますが、このプロセスこそが脳の成長につながります。

葛藤を抱えることで、脳は「どの選択が最適か?」を学習し、合理的な判断ができるようになります。
しかし、親がすぐに答えを与えてしまうと、この成長の機会を奪ってしまいます。

親ができること

✅ すぐに答えを与えない
• 「どんな選択肢があると思う?」
• 「どの方法が自分に合っていそう?」

✅ 葛藤を肯定する
• 「迷うってことは、それだけ真剣に考えている証拠だね」
• 「葛藤は成長のチャンスだよ」

➡ 「悩むこと=成長の証」と捉える意識を持つことが重要。

8. モヤモヤを受け入れる


新しいことを学ぶとき、「モヤモヤする」「理解できない」と感じることがありますが、これは脳が新しい神経回路(シナプス)を作り始めた証拠 です。

シナプスは、繰り返し使われることで強化されるため、最初のうちは未熟でうまく情報を伝達できません。
しかし、学びを続けることで、神経伝達がスムーズになり、次第に「分かる!」という感覚が生まれます。

親ができること

✅ 「モヤモヤは成長のサイン」だと伝える
• 「理解できないのは、脳がつながろうとしている証拠だよ」
• 「今モヤモヤしている部分が、あとで『分かった!』に変わる瞬間がくるよ」

✅ 焦らせない
• 「すぐに分からなくても大丈夫、学びには時間がかかるものだよ」

➡ モヤモヤを受け入れることで、学習を前向きに継続しやすくなる。

9. 言葉やちょっとしたスキンシップで「心から抱きしめる」


脳内のオキシトシン(愛情ホルモン)は、ストレスを軽減し、安心感を生む働きを持ちます。
特に、スキンシップや「温かい言葉」によって分泌が促されます。

中学生ともなるとハグに抵抗があるかもしれませんが、「言葉のハグ」や「ハイタッチ」「握手」 などのさりげないスキンシップも効果的です。

親ができること

✅ 試験前に「言葉のハグ」+「軽いスキンシップ」
• 「いってらっしゃい!自分を信じてね!」(ハイタッチ)
• 「頑張ってきたんだから、自信持ってね!」(肩をポンと叩く)

✅ 勉強中にプレッシャーを和らげる言葉
• 「しっかり頑張ってるね、えらいよ!」
• 「少し休憩しようか?」

➡ 言葉やちょっとしたスキンシップで、安心感とエネルギーを与えることができる。

10. 意識的にポジティブを見て味わう


脳は、無意識のうちに 「ネガティブな出来事」 に注目する仕組みを持っています。
この 「ネガティブバイアス」 を打ち消すためには、意識的に 「ポジティブなこと」 に目を向ける必要があります。

✅ 「できたこと」にフォーカスする
• 「今日の勉強で良かったところは?」

✅ 失敗をポジティブに捉える
• 「間違えた問題があったね → じゃあ今のうちに修正できるね!」

➡ 「できたこと」に意識を向けることで、子どもの自己肯定感が高まり、学びの意欲が増す。

次回予告


次回は、「受験生を支える親のための最後の5つのヒント Part3」 として、勉強以外の取り組みに焦点を当てていきます!

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