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44 子どもの「やりたい!」が学びを加速する理由~息子が教えてくれた、楽しい学びと脳の仕組み~

昨日、息子がYouTubeを見ている時のこと。何をひらめいたのか、「僕も動画を作りたい!」と言い出しました。その意欲はとどまるところを知らず、どうすれば動画が作れるのかを自分で調べ始め、タブレットに動画編集アプリをダウンロード。そして過去に撮った鉄道の動画や友達との遊びの動画を素材に、音楽付きで編集を始めたのです。

その取り組みを見ていて私は、息子の学びのスピードと集中力に驚かされました。音楽のタイミングを合わせたり、動画の動きを工夫したりする息子の姿はまるでプロのクリエイターのよう。学ぶべきことが次々と目の前に現れるのに、それを楽しみながら吸収していく。こんな姿勢で学びに向かう息子を見たのは初めてでした。

この経験を通じて私は、「楽しい学び」が子どもの能力をいかに引き出すか、そしてそれが脳や心理学の観点でどう説明できるのかを考えました。

なぜ「楽しい学び」は効率的なのか?


1. ドーパミンが学びを加速する

息子が動画編集に夢中になった背景には、脳の「報酬系」の働きがあります。「面白い!」「もっとやりたい!」と感じた瞬間、脳内でドーパミンが分泌され、この快感が次の行動を促しました。このドーパミンは記憶や集中力を高める効果があり、結果的に効率的な学びを生み出します。

2. 自分で選ぶことで集中力が高まる

息子が「動画編集をやりたい」と自分で決めたことで、主体性が生まれました。主体性を持った学びは、脳の前頭前皮質を活性化させ、自然と集中力が高まります。しかもこの集中力は「やらされる」学びよりも持続しやすいのです。

3. 感情が記憶を強化する

楽しいと感じた出来事は、脳の扁桃体が活性化し、海馬と連携して記憶を強化します。息子の「動画編集を覚えたい」という意欲と喜びが、彼の記憶力を後押ししていました。

心理学の視点:メンタルトレーニングの鍵


息子の姿勢には、心理学的なメンタルトレーニングの要素が詰まっていました。これは子どもだけでなく、大人の学びや成長にも活用できる重要なヒントです。

1. 自己効力感を育てる

「やればできる!」という感覚(自己効力感)は、小さな成功体験から育ちます。息子が初めて動画を完成させたとき、彼の自己効力感は飛躍的に高まりました。この感覚が次の挑戦への原動力になります。

2. 内発的動機づけを引き出す

「楽しい」「もっと知りたい」という内発的動機づけが最大の力になります。息子の場合、誰かに強制されたわけではなく、自分の中から湧き上がった「やりたい」という気持ちが行動を支えていました。

3. フロー状態を作る

心理学者チクセントミハイが提唱する「フロー(没頭状態)」は、学びを最も効率的にする状態です。息子が時間を忘れるほど編集に没頭していたのは、適度な挑戦と達成感がうまく組み合わさっていたからです。

どうすれば「楽しい学び」を引き出せるのか?


息子の経験を通じて学んだのは、「学びの質を高めるためには、楽しさと主体性を尊重することが重要だ」ということです。では、私たち親や教育者は、子どもの「楽しい学び」をどうサポートすれば良いのでしょうか?
1. 選択肢を与える
子どもが興味を持つ対象を見つけられるよう、様々な体験を提供しましょう。ゲーム、動画、スポーツ、自然体験など、興味を引き出すきっかけを増やすことが大切です。
2. プロセスを褒める
結果だけでなく、「どうやって工夫したか」や「どんな努力をしたか」に注目して褒めることで、子どもの成長を促します。
3. 挑戦できる環境を整える
自分で試行錯誤できる環境を作り、大人が口を出しすぎないことも重要です。息子が自分で調べ、アプリを見つけたように、自律性を尊重しましょう。

まとめ


息子の動画編集への取り組みは、「楽しい学び」が持つ力を私に教えてくれました。それは単に新しいスキルを身につけるだけでなく、自己効力感、モチベーション、集中力といった人間としての成長につながるものでした。

「楽しいから学びたい」「もっと知りたい」という感情は、脳科学や心理学が証明するように、学びを最も効率的にする原動力です。私たちも子どもたちの興味を引き出し、成長を支える存在でありたいと思います。

次回、あなたのお子さんが「これをやりたい!」と言ったとき、それは大切な成長のチャンスかもしれません。その瞬間を、ぜひ見逃さないでください!

この記事は、子どもたちの可能性を引き出すためのヒントを共有するための一助になれば幸いです。
次回も、子育てに役立つメンタルトレーニングの話をお届けします!

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