
85 子どものクリエイティブを大切にするには?心理的安全性と親の関わり方
ある日、息子が「騙しの宴」というアプリゲームをやりたいと言った。しかし、家にはそのアプリはない。すると、「トランプでできないかな?」と考え始めた。この瞬間、「遊びを創る力」が働いていると感じた。
こうした創造的な発想が生まれるには、「心理的安全性」が欠かせない。失敗してもいい、自由に考えていいという安心感が、子どもの創造性を引き出す。クリエイティブな子どもを育てるために、親はどのように関わればいいのかを考えてみたい。
心理的安全性がクリエイティビティを生む
創造性は、新しいことに挑戦し、試行錯誤を繰り返すことで育まれる。しかし、心理的安全性が低いと、子どもは失敗を恐れ、自由な発想をしにくくなる。
心理的安全性が低い環境
• 「間違えたら怒られる」と思い、新しいことに挑戦しなくなる
• 「正しい答え」を求め、自由な発想が減る
• 「バカにされたらどうしよう」と思い、アイデアを口にできない
心理的安全性が高い環境
• 「とりあえずやってみよう」と挑戦する意欲が湧く
• 「失敗=学び」と考え、試行錯誤を楽しめる
• 「自由に考えていい」と思えることで、新しいアイデアが生まれる
創造的な発想は、「安心して失敗できる環境」の中でこそ育つ。
息子がトランプで遊びを作ろうとしたとき
息子は「アプリがなくても、トランプでできるんじゃない?」と考えた。これは、新しい発想を生み出す力が働いた瞬間だった。ここで親の関わり方が重要になる。「そんなの無理じゃない?」や「ちゃんとルール調べてからにしなよ」と言ってしまえば、せっかくの発想の芽を摘んでしまう。
そこで私は次のように関わった。
• 「面白そうじゃん!」と肯定する
• 「どうやったらできそう?」と問いかける
• 「試してみたら?」と行動を促す
すると、息子はさらに自信を持ち、「ジョーカーを騙し役にして、エースをジャッジにすれば…」と、自分なりにルールを作り始めた。このとき、息子の中では「正解を求める思考」ではなく、「試しながら調整する思考」が働いていた。このプロセスこそが、創造性を育てる本質なのだ。
クリエイティブな子どもを育てる親の関わり方
1. すぐに否定しない
• 子どもの発想は突拍子もないことが多いが、まずは「いいね!」と受け止める
• 「それは難しいんじゃない?」と言わず、考える余地を与える
• 「やってみたら?」と行動を促す
2. 正解を求めすぎない
• 「正しいやり方」ではなく、「自分なりのやり方」を考えさせる
• 「試行錯誤するプロセス」に価値があると伝える
• 間違えても「どうすればもっと面白くなる?」と考えさせる
3. 成功体験を積ませる
• 小さな成功を大げさに喜ぶ
• 「面白くできたね!」と成果を認める
• 失敗しても「ここがよかったね」とポジティブな面を伝える
心理的安全性が高い環境では、子どもは「失敗=悪いこと」ではなく、「成長のためのステップ」として捉えられる。チャレンジしたこと自体を肯定することが、創造性を伸ばすカギになる。
まとめ:親の関わり方が、子どもの創造力を伸ばす
今回、息子が「トランプでアプリゲームを再現する」というアイデアを出したとき、改めて「心理的安全性がクリエイティビティの土台になる」と実感した。
クリエイティブな子どもを育てるために大切なこと
1. すぐに否定せず、まずは「いいね!」と受け止める
2. 正解を求めすぎず、試行錯誤を楽しませる
3. 成功体験を積ませ、チャレンジしたことを肯定する
おわりに
「子どもが自分で考えた遊びを楽しんでいる姿」は、親にとっても学びが多い時間だった。クリエイティビティを伸ばすには、親自身が「子どもの自由な発想を楽しむこと」が大切なのかもしれない。
これからも、息子の「思いついた!」を大切にしながら、一緒に遊びを創り出していきたい。