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63 僕もお父さんになったら 〜愛情はミラーニューロンを通じて世代を超える 〜
「僕もお父さんになったら、おんぶしてあげよ」
ある朝、息子をおんぶして家の階段を移動していたときのこと。
ふと息子がこう言いました。
「僕もお父さんになったら、子どもにおんぶしたげよ。だって嬉しいし、あたたかいもん!」
この言葉を聞いたとき、愛情がちゃんと伝わり、そして次の世代へと受け継がれていくのを実感しました。
そして、これこそがまさに**「ミラーニューロン」を通じた愛情の伝達**だと気づきました。
ミラーニューロンとは?(脳神経科学の観点)
ミラーニューロンは、他者の行動や感情を見たり感じたりすると、自分の脳内でも同じように活性化する神経細胞です。
✅ 親の優しさや愛情のある行動を見て、子どもはそれを模倣する
✅ 「嬉しい」「温かい」などのポジティブな感情記憶が形成される
✅ その結果、子どもは成長しても同じように愛情を表現できるようになる
例えば、
✅ 親が子どもに優しく微笑む → 子どもも自然に微笑むようになる
✅ 親が愛情を込めておんぶをする → 子どもはその温かさを記憶し、自分も誰かにしてあげたくなる
これはまさに「愛情の模倣と学習」です。
❌ミラーニューロンの負の影響:間違った学習が伝わる場合
ミラーニューロンは、ポジティブな影響だけでなく、ネガティブな影響も伝えてしまいます。
例えば、
❌ 親が子どもを無視する → 子どもは「自分は愛されていない」と感じる
❌ 怒鳴る・叩く → 子どもは「相手を支配するには怒ればいい」と学ぶ
❌ 親同士が暴言を言い合う → 子どもも攻撃的な言葉を使うようになる
このような行動が続くと、
• 子どもの脳内で「安心感」よりも「不安や恐怖」が優位になる
• ストレスホルモン(コルチゾール)が増加し、脳の発達に悪影響を与える
• 将来、子ども自身が親になったときに、同じような態度を無意識に繰り返してしまう
つまり、愛情の不足やネガティブな関わりは、世代を超えて受け継がれてしまうのです。
おんぶがもたらす「愛情の記憶」とメンタルトレーニング
おんぶには、子どもにとって特別な安心感があります。
親の背中に密着し、心臓の音を感じ、ぬくもりに包まれる――これは、赤ちゃんの頃の「抱っこ」や「胎内の記憶」にもつながる感覚です。
メンタルトレーニングの観点
✅ ポジティブな感情記憶が形成される
• 「おんぶ=愛されている=安心」という記憶が強化される
• これにより、自信や心の安定感が育つ
✅ ストレス耐性が強化される
• 愛情を感じることで、**ストレスホルモン(コルチゾール)**の分泌が抑えられる
• 親との安心感が、将来的な**レジリエンス(逆境を乗り越える力)**につながる
✅ 感情コントロールの基盤が作られる
• おんぶなどのスキンシップは**オキシトシン(愛情ホルモン)**を分泌させ、リラックス効果をもたらす
• この経験が「安心したいときのセルフコントロール」として、将来のストレス管理にも役立つ
「愛情の記憶」を育むためにできること
✅ スキンシップを大切にする
• おんぶや抱っこ、手をつなぐ、ハグをする
• 寝る前にトントンしてあげる
• 髪をなでる、背中をさする
✅ 「愛されている」と実感できる言葉をかける
• 「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」
• 「一緒にいると楽しいね」「おんぶするとあったかいね」
✅ 愛情の「形」を見せる
• 親同士が「ありがとう」と言う
• 家族同士でハグや笑顔を交わす
• お互いを気遣う言葉を使う
❌逆効果になる行動
次のような行動は、子どもの自己肯定感を下げ、愛情の連鎖を断ち切ってしまいます。
❌ 子どもが甘えてきたときに「今忙しいから後にして」と突き放す
❌ 抱っこやスキンシップを「もう大きいから恥ずかしい」とやめてしまう
❌ 失敗したときに「だからダメなんだよ」と否定的な言葉をかける
❌ 子どもの前で親同士がケンカをする(特に暴言や怒鳴り声)
こうした態度は、「自分は愛される存在ではないのかも」という不安を子どもに植え付けることになります。
まとめ
息子が言った**「僕もお父さんになったら、おんぶしてあげよ」**という言葉には、愛情の循環が生まれている証が詰まっています。
✅ 脳神経科学の視点
• ミラーニューロンを通じて、愛情の伝え方が学習される
• オキシトシンの分泌により、安心感とストレス耐性が向上する
✅ メンタルトレーニングの視点
• 愛情を受けた子どもは、ポジティブな感情記憶を持ち、自己肯定感が高まる
• ストレス耐性やレジリエンスが向上し、将来的に感情コントロールがしやすくなる
✅ ❌逆効果になる行動を避ける
• ネガティブな態度は、子どもの脳に「不安や恐怖の記憶」を刻み、次世代へ伝わる可能性がある
愛情は、見えないけれど、確かに伝わるもの。
今日も、おんぶしながら「愛の記憶」を刻んでいきましょう。