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128.【18と28の不思議な駅:青い電車と赤い顔の集団】

10月18日に見た夢。
覚えている夢の始まりは幼馴染と一緒に電車に乗っていた。

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現実の幼馴染はよく笑うしお喋りで明るい。
でも、夢に出てくる幼馴染は、いつも物静かでクールな印象だった。
夢がパラレルワールドとかだったなら、どっかの世界にはそういう幼馴染がいるのかもしれない……。
そんな風に思った。

夢の中の感覚だと、アタシと幼馴染は何故か女子高生だった。
同じ高校に通っていて、帰りの電車に乗っている。
アタシも幼馴染も現実では結構な大人の年齢。
学生時代も通っていた学校や通学方法、制服も全く違った。
だから、同じ制服を着て、同じ電車に乗っていたシーンを思い出すと今も不思議な気分になる。

話しながら窓の外をボーッと見ていたら、突然外の景色が真っ暗になった。
まるで地下鉄とかトンネルの中を走っているように暗い。
普段とは違う景色だった。
アタシも幼馴染も驚いて、カバンや脱いでいたブレザーを手に持って立ち上がろうとした時、窓の外が明るくなった。
同時に電車がゆっくりと停まった。
窓の外を見ると全く知らない駅だった。
でも、しっかり駅名は書いてある。
この時、はっきりと駅名を見たのに、二度寝したら忘れてしまった。

アタシと幼馴染は、開いたドアから急いで降りた。
アタシ達以外、誰も降りてこない。
背後でドアが閉まって、電車がゆっくりと動き出した。
その先は真っ暗闇。
電車の明かり以外何にも見えない。
すぐ側に地下へ続いていそうな階段が見えるけど、奥は黒い水でもあるみたいに暗い。

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何か出てきそうな気がして、思わずそこから目を逸らしてしまった。
来た方の線路も奥は真っ暗。

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でも、少し先に改札口のような場所が見える。
外に通じているのか、そこだけ自然光のような明かりが差し込んでいた。

「ねぇ、ここどこだろ。電車乗り間違えたのかな」

振り返ると、幼馴染が何かを見ていた。
近づいてみると、壁にバスの時刻表のような物があった。
どれも知らない路線ばかり。

「ほんとにここどこ……」

そう言いかけた時、幼馴染が時刻表の一番右端を指差した。
近くで見ると、青い枠の中に白文字で『◯◯線各駅停車』と書いてあった。

「これじゃん! これに乗ったら帰れるよね」

二人で喜びつつ改めて時刻表を見てみると、『28』と数字で書いてあるだけだった。
この数字をどう見たらいいのかもわからないし、時計が無いから今現在の時刻も確認できない。
しかも、乗りたい電車は一日に一本しか走っていないのか、一箇所にしか書いていなかった。

「今日はもう走ってないかな?」

「いや、まだわからないよ」

幼馴染とそんなやり取りをして、とりあえず駅員さんがいそうな明るい方へ行ってみることにした。
近づいてみると、やっぱり改札口のような場所と小さな窓口もあった。

「すみませーん」

窓口の前まで来ると、中には神社の神主さんみたいな格好をした男の人と若い女の人がいた。
アタシ達の顔を見た瞬間、二人とも驚いたような顔をした。

「えっ、人間?」

「……? 人間です。あの、お聞きしたいんですけど、電車を乗り間違えたのか知らない場所まで来ちゃいまして。◯◯線の電車ってまだ乗れますか?」

それを聞いた男の人が半笑いの顔をしたと思ったら……

「えー。って言いつつ、もう死んじゃってるんでしょ?」

とんでもないことを言い出した。

「いやいや、生きてますよ! 普通に学校の帰りで電車に乗ってたんです」

アタシは学校のカバンの間に挟んでいた制服のブレザーを見せた。

「あー、確かに全然乱れてない。ほんとっぽいね」

そう言いながら、男の人はアタシと幼馴染をまじまじと見た。

「いやー、参った。自死した人間はよく迷い込むんだけど、キミ達みたいな人間はかなり珍しいのよ。この駅には、悪い意味でキミ達みたいな人間を好むお客さんも少なからずいるからね。参ったね」

「えっ、それってどういうことですか? もしかして帰れないんですか?」

「うーん……」

何か考え事でもしているのか、男の人は顎に手を当てながら遠い目でボーッとし始めた。

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はっきりしなくて、ちゃんと帰れるのか不安になった。
改札の外を見ると、気持ちよさそうなぐらい凄く天気がいい。
でも、明らかに外の景色も普通ではない。
それなのに、この景色も二度寝から起きたら忘れてしまった。

普通ではない景色を見て更に不安になって窓口に視線を戻すと、男の人はうんうん頷きながら何かを取り出した。
窓口の前のちょっとしたスペースに置かれたのは、少し分厚い白い紙だった。
ハガキの半分ぐらいの大きさで、和紙っぽい手触り。
染められているのか、紙の四分の一は赤色になっていた。
それを見ていたら、ホームに次の電車が入ってきた。
今まで無言だった女の人がつけていた腕時計をちらっと見ると、「28分ってこの電車ですよね」と呟いた。
それを聞いた瞬間、アタシは一気に緊張した。

「早くここに名前を書いて。これで帰れるけど、キミ達は一番奥の先頭車両に乗るんだ。他の車両は絶対に乗っちゃダメだよ。それと他の乗客に近づかないように。この駅で人身事故なんて起こしたくないからね」

男の人は目を大きく見開いて、アタシと幼馴染の顔を交互に見た。
話を聞いている間に、いつの間にか幼馴染は自分の名前を書き終わっていた。
アタシも慌てて書いていると……

「乗ったら中に紙とテープがあるから、目的地に着くまでに◯◯を書いて体のどこかに貼って。それがキミ達が存在している証になる。そしたら、知ってる場所で降りられるから」

◯◯は……
『死ぬまでに絶対に叶えたい願い』だったか
『叶えなきゃ絶対に死ねない願い』とかそういう感じのことだった。


アタシと幼馴染は走って先頭車両の方へ向かった。
ちょうど停まった電車は3両ぐらいしかない短い電車だった。
車体も小さめで、濃い青色のレトロな雰囲気。

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ドアが開くと、さっきと違ってぞろぞろと乗客が降りてきた。
よく見ると、明らかに人間ではない方達ばかり。
例えるなら、体は人間っぽいけど頭とか、どこかが妖怪のような感じ。
これもしっかり見ていたのに、起きたら忘れてしまった。

でも、一つだけはっきりと覚えていることがある。
真ん中ら辺の車両から、同じ格好をした四、五人の集団が降りてきた。
みんな天井スレスレだったんじゃないかってぐらい背が高くて、首から足元まで覆うような黒っぽいマントを纏っていて、頭には昔の学生帽みたいな角張った黒い物をかぶっていた。
その帽子の下にはオカッパみたいな白髪、顔は天狗や獅子舞みたいに赤くて、笑っているのか険しく口を開いているのか牙が見える。
まるで獅子舞や鬼のお面をかぶっているみたいに、全員同じ顔をしていた。

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みんなギュッと束ねたみたいに固まって、音もなくスルスルと流れるように歩く。
その姿に目が離せなくてジーッと見ていたら、突然集団の中の一人が首だけグリンッと動かすようにこちらを見た。
目が合った瞬間、さっき男の人が言っていた言葉が頭に浮かぶ。

あの集団が悪い意味で人間を好む存在だったらどうしよう……。

このまま見続けていたら何か起こる気がして、アタシはスーッと幼馴染の方を見た。
幼馴染も目を逸らしていたのか足元を見ていた。
時計がないから、電車がいつ発射するのかわからない。
早く乗りたいのに赤い顔の集団の移動速度が遅くて、まだ乗りたいドアの前にいる。
ギリギリまで待って、ドアからある程度離れたところで車両に飛び乗った。
赤い顔の集団は方角的に暗い階段を下りていったんだと思うけど、まだこちらを見ている気がして振り向けなかった。

小さめの電車の座席は縦向きに並んでいた。
その中に一つだけ四人がけの四角いテーブル席があって、アタシと幼馴染は向かい合うように座った。

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テーブルにはペンやゴミが散らばるように置かれていて、あちらこちら落書きだらけ。
男の人が言っていたとおり、巻かれた白い紙とテープも置いてあった。

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テープは可愛らしいカラフルな水玉模様だったのを覚えている。

書けるペンは一本しか無くて、先に幼馴染が書いている間にアタシは窓の外をボーッと見ていた。
……と言っても、窓の外は地下鉄のように真っ暗で何も見えない。
前を見ると、幼馴染が制服のブレザーの袖にテープを貼っていた。

「もう書き終わったの?」

ちょっと前のめりな体勢で座り直したら、幼馴染はアタシからテープを貼った腕を遠ざけるような仕草をした。

「そんなあからさまな……見ないよ。アタシは何を書こうかな」

考えようと窓の外を見たら、いつの間にか外を走っていた。
何だか見覚えのある場所。
走る速度が遅くなって、ゆっくりと電車が停まった。
改めてよく見てみると、やっぱり見覚えのある幼馴染の家の近くだった。
窓の色なのか、墨汁が混ざったような半透明の黒っぽい色をしている。

「ここって◯◯(幼馴染)の家の近くじゃない? 知ってる場所って駅じゃなかったんだ……」

「あ、ほんとだ。じゃあ、先に降りるね」

「うん。お互い無事に家に帰れたら連絡しよ」

幼馴染は頷くと電車を降りた。
アタシが乗っている辺りまで来てくれたから、「気をつけて」と言いたくなって引き戸みたいな窓を開けようとしたら、テーブルの下に幼馴染のカバンが置いてあるのが見えた。

「うそっ……カバン! カバン!」

アタシは窓を開けずに叩いて、カバンを持ち上げて幼馴染に見せた。
「あっ」とこちらを指差しながら、幼馴染は恥ずかしそうに笑った。
その日一番の可愛い顔じゃんかと思った。

そうこうしている間にドアが閉まって、電車はゆっくりと動き出してしまった。
窓を開けて「無事に帰ったら持っていくから」と叫ぶと、幼馴染は手を振りながら何度も頷いた。
すぐに幼馴染の姿が見えなくなった。
薄っすら黒いのは窓の色じゃなくて外の色だった。
前に夢で見た72.【廃墟アパート】がある場所や、99.【侵入者:人喰い恐竜ブロック】の夢で見た黒い膜に似ていた。

「まったく、カバンを忘れるなんてドジ過ぎるでしょ」

なんて思い出し笑いしていたら、すぐに電車が停まった。
外を見てみると、また見覚えのある場所。

「あっ、アタシがここで降りてたら幼馴染に追いつけたかも。っていうか、うちもすぐ近くじゃん。早く何か書かないと降りられないかも……どうしよ」

あたふたしている途中で目が覚めてしまった。
あのまま間に合わずに家に到着していたらどうなっていたのか、間に合っていても無事に帰ることができたのか気になる。

その他に気になったのは……
夢を見たのは10月『18』日。
乗ったのは『28』分の電車。
89.【ターミナル】と【ガードレールに挟まれた道:柴犬の道案内】の夢で誰かに教えてもらった話が浮かんだ。

アッチノ世界にある小さな駅は普通の電車と同じで、切符を買って電車に乗ればいい。
ターミナルでの移動は行きたい場所の切符を買って
『◯日の◯曜日に到着したい』とターミナルにいる人に言えば、その場所に行ける。
でも、18か28のつく何かの時にしか行けない場所があって、それは専用の切符を貰わないと行けない。

という内容。
今回乗ったのは、その時に聞いた『18か28のつく何かの時にしか行けない場所』だったのかな……。
なんてザワザワした。

いつもこういう夢を見ると寝たままの体勢で、すぐに見た夢を最初から思い出す。
覚えていられる夢は、何度も繰り返し思い出していると結構鮮明に覚えているのだけど……
今回は物凄い睡魔に襲われて二度寝してしまい、ところどころ覚えていられなかった。
不思議なのは、寝起きだけではなく、夢を書き残そうとする時も必ず眠くなっちゃう。
書こうとする度に耐えられない眠気に襲われて、今回も夢を見てから書き終わるまで四日近く経ってしまった。
書き終わるまでウトウトしていた。

見たものを忘れさせるために、強制的に二度寝させられているのでは?
なんて妄想してしまう。


そんな夢でした。


別サイト初回掲載日:2019年 10月22日


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