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源氏物語とフラワーエッセンス〜浮舟

ドラマ『光る君へ』をきっかけに改めて『源氏物語』を読み始め、少し前に読み終えました。
かつて以上に本当に様々に感情を揺さぶられ、1000年を超えて読み継がれる物語のその壮大さと底知れぬ深遠さに圧倒されました。

と同時に、並行して読んでいた河合隼雄さんの『日本人と源氏物語 紫マンダラ』に書かれていた内容も相まって、昔はそこまで心を寄せなかった浮舟に、深く心を惹かれるようになりました。
そんな浮舟に、私なりに心を寄せてみるべく、彼女にならどんなフラワーエッセンスを手渡したいか考えてみます。



浮舟はどんな女性?


まずは浮舟についての説明ということで、客観的な説明はしっかりとした外部のサイトの説明に頼らせていただくべくリンクを貼らせていただきます。

リンク先の説明にもあるように、浮舟は『源氏物語』の主人公である光源氏亡き後の世界で、彼の孫である匂宮と彼の息子(一応)である薫をメインとして物語が展開していく宇治十帖に出てくる最後のヒロインです。

薫と匂宮の貴公子2人に強く求愛され、板挟みに苦しんだ挙句、入水するも奇跡的に助かり、その後は出家します。

2人の貴公子を溺れさせ狂わせてしまうような、ものすごい『性』的な魅力に溢れつつ、源氏物語の中では最終的に『聖』に没頭して生きることを選ぶ。溢れんばかりの『性』を『聖』に昇華させて生きる。その『神秘性』みたいなものが彼女の魅力なのかなと私は感じています。

彼女の人物像とその魅力について、大塚ひかりさんの『傷だらけの光源氏』というご著書より少し引用させていただきたく思います。

それまで、母の人形のように美しい着物を着せられて、男たちのなすがままになって、「ひとごとのような体」を生きてきた浮舟が、冷たい水をくぐりぬけ、裸にされて、熱に何日もうなされた結果、やっと自分の体を取り戻すことができた。
そして、自分の言葉でものを言えるようになった。「死の体験」を経て、「自分の心身」を生きることをようやく取り戻したのだ。
こうして「自殺する女」は「生きていく女」になったのである。

大塚ひかり 『傷だらけの光源氏』


宇治川のほとりの浮舟と匂宮の像

浮舟に手渡したいフラワーエッセンス

 そんな彼女に手渡したいフラワーエッセンスは「スターチューリップ、クレマチス、ウォーターヴァイオレット」です。

 浮舟は入水前と後で本当生まれ変わったように変わるので、手渡すエッセンスを選ぶのがとても難しかったですが、今回は、当初の人形のような浮舟ではなく、入水したけれど助けられ、死の淵から蘇生し生まれ変わり自分の意志を持って生き始めた浮舟に向けて選びました。
とりわけ後述する河合隼雄先生の『日本人と源氏物語 紫マンダラ』の最後の方に浮舟について書かれている記載を想い浮かべました。

実際の源氏物語では仏に仕える身として生きる強い決意の浮舟の姿が第54帖『夢浮橋』で描かれ物語は終わります。
でももし河合先生が書かれたように『個としての女性』として生きられるようになった浮舟が、同じように『個としての男性』として生きる最愛の人や、『個としての女性』として同じように生きる仲間と出会い、歩んでいく別の『夢浮橋』があるとしたら。。そんな人生を歩む浮舟を支えてくれそうなエッセンスを選んでいます。

再生後の浮舟の厳しさは、見事なものである。薫とか小君とかの関係によってではなく、自分の中から生じてくるものを基盤にもって個として生きる。〜中略〜ここに紫式部が大きい努力を払って描いた「個としての女性」が、もし同様に「個としての男性」として生きる人物に会ったとき、どのような関係が生じるのだろうか。

河合隼雄『日本人と源氏物語 紫マンダラ』


長くなってしまったので、こちらは続きを次に書きたいと思います。

つづきはこちら↓


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