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組織を芯からアジャイルにする

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「組織を芯からアジャイルにする」ために。あなたの居る場所から「回転」を始めよう。
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#DX

組織と無私、そして外野の声

 ひょんなことで「無私」とはなんぞやということを調べていて、西田幾多郎に行きついた。  そこで「行為的直観」、目の前の矛盾に対して「私」を置き去りにして行為に臨む、という状態のことを理解した。直面する状況によって、自分の動きがいざなわれる。中動態的なイメージを持った。無私とは、言葉通り、「私」がいない。意志はあるが、行動の源は自らにはない。もののあはれの感覚。  「無私」には当然ながら、ポジネガ両面を思い浮かべる。この二面性にはどう向き合うのか、は私にはまだ分からない。

「その組織にとって、なぜアジャイルなのか?」に答えることが難しいのは、理念に触れなければならないから

 ゴールデンウィークに突入せんとする4月の末に、「組織を芯からアジャイルにする」をテーマとしたイベントウィークを開催していた。一週間、昼夜何かしらトーク勉強会を催すというのは、まあラクな話ではない。  しかも、社内コミュニティの回で書いたとおり、「発起人は意図的に黒子に回らなければならない」に則り、母体となるコミュニティの運営から私自身は外れていたので、慣れない皆さんで臨む必要があった。有志のコミュニティ活動とはいえ、場作りに取り組まれた皆さんにはお疲れ様でしたとその健闘を讃

After GPTでは「DX」の価値が相対的に変わり、個人にとっては「実現戦略」の扉が開く。

 「とうとうこの日が来てしまった」という感覚が、日を追うごとに増している。もちろん、GPT周辺に関することでだ。  2023年に入ってから、個人的にも重要な変化がいくつか起き、ポジにもネガにも振れながらどうにかやってきていた。ところが、そんなことをきれいさっぱり流し切るくらいの「うねり」が、昨今の急激な変化だ。  この数ヶ月の話ではない。下手すればこの3年のことを洗い流してしまうほどの。3月が終わる声を聞く頃には、私自身の考え方、価値観にまで影響を及ぼし始めていることをはっ

組織も一つの「プロダクト」として捉えるならば、何が要る?

 日々、様々な「組織を変える(DX)」という文脈の渦中に身を置いている。  その中で、拠り所に出来ることは極めて少ない。組織を、どう変えて、どこにたどり着けば良いのか? 実際のところ、目指す姿も、そこに至る道程も、はっきりとしていない場合が大半だ。  だから、組織関係者一同ほぼ手探りで臨んでいくことになる。組織の中に手がかりと呼べるものもほとんど無い中で臨むことになる。状況は常にあいまいで、ある種の気持ち悪さを伴う。何しろ組織にとって「DX」なんて初めてのことなのだから。

組織の変革に挑むWHYとは何か?それは勘違いに近い気概であり、狂気ですらあるのだろう。

 DX、要するに組織変革に臨むにあたって、奇妙な感覚に囚われることがある。目の前の組織を変えていくことへの私の「WHY」とは何なのか?  仕事の上なので対価を頂く。ただ、対価を頂くことが目的かというとそうではない。対価だけが目的ならば、もっと割が合う仕事が他にあるだろう。それほど、「組織を変える」なる活動に伴う労力、そこで費やすガッツとパッションは途方もないところがある。  自分の楽しみのために、例えば自分のちからが如何なく発揮できるからこそ、挑戦する。何よりも取り組むこ

「アジャイル組織」と「組織アジャイル」

 組織の運営そのものにアジャイルを適用しようという企みを「組織アジャイル」と呼ぶことにしている。世の中を見渡すと似たような意図のことを「アジャイル組織」「アジャイル型組織」と言っているように思える。  "アジャイル"が形容する言葉であることから考えてみても、アジャイル組織のほうがより言葉としては適切かもしれない。  ただ、「アジャイル組織」という言葉には何かすでに完成された雰囲気を感じてしまう。アジャイルな価値観とふるまいを備えた状態に達してはじめて「アジャイル組織」と呼べ

アジャイルによって組織が変わるチャンスを100回得る。

「うちの組織には何やらがない」「誰かが何かをしないから進まない」という話は、DXに携わっているとつきものだ。1日に1回はどこかの組織で耳にする。  愚痴に近いどの言い分も間違ってはいない。現実はその内容のとおりだ。彼らも5年も10年も「なぜできないか」に向き合ってきたのだから、分析はしっかりと出来ている。確かに、前例も、人も、知見も無いから進まないし、状況は一向に変わらない。  何十年もかけて蓄積してきた組織の「立て付け負債」を扱うのだからもとより容易なことではない。一人

なぜ、組織にデザイン思考とアジャイルを宿す必要があるのか

 デザイン思考(仮説検証)とアジャイルを組織の中心に据えて、あらゆる組織活動をトランスフォームしていく。まさしくDXの中核となる取り組みと言える。株式会社リコーの「みんなのデザイン思考とアジャイル」という発信は、リコーがDXをどう捉えているかを示す一端と言える。  こうした取り組みはリコーにおけるDXのごくごく一部ではあるが、発信の第一歩であるのにはほかならない。今後、日本のDXにおけるリファレンスとなるコンテンツを発信できるよう、noteに限らず努めていきたい。  一方

"組織のアジャイル化" を答え合わせする5つの質問

 「組織のアジャイル化」を実績として語れるというのは実に大したもので、人様にそう言ってのけるには相応の勇気というか、背負っているものがないと言えたものではない。  そもそも、組織という言葉自体が既に範囲不明確(1チームでも組織)で、「アジャイル化」という分かっていそうでたぶん分かってない言葉で表現してしまっていたりすると首を傾げざるを得ない。  というわけで、Validationのための質問を考えてみた。 「アジャイルとは何か?」  どの切り口でのアジャイルの話をしてい