じゃあインドなんか来なけりゃいい
森まゆみさんの著作「用事のない旅」(産業編集センター・わたしの旅ブックス/2019年)からの一節。森さんのインド旅行からの雑感が綴られたところから。
この手のじれったさの経験、外国での経験ではないけれど、僕にも何度かある。学生さんを相手にしたワークショップとか。僕の場合、女子も男子もなかったけれど。
知らないことも多すぎる。社会学の専攻で「アイドル論」で卒論を書くといっていた学生が、小泉今日子さんが80年代はアイドルだったことを知らなかったり。ヨコハマの馬車道の「ガス灯」を案内したところ、「じゃあ、今も、時間になると点灯夫が灯りをつけて回るのか」とかのたまう。…そんなわきゃない。
何が彼らをそうさせたのか。
ただね。
彼らだって、彼らだけで彼らになったわけではない。学校教育、親御さんたちが提供する「家」という環境、世の中に溢れる情報なども。そういうことになんらかの影響を受けて彼らは彼らになったんだと思う。
つまり、オトナが彼らを創った。
だからね。
僕らは彼らの行いや言動に目くじらをたてる前に
いい大人であるところの、僕ら自身の考え方やライフコンセプトを再検証してみる必要があるのかもしれない。
むしろ、ね。
彼らより年齢を重ねてきた分、症状を拗らせているのかもしれないし。