冬季うつの中医学 予防と対策
寒くなってくると気分が落ち込む
これは気の所為ではなく、季節性感情障害という不調の一つです。一般的に冬季うつと呼ばれるこの症状は、気分の落ち込みや気力の減退、倦怠感、イライラといった一般的なうつ症状に加えて、春になると軽快するリズムがあり、食欲が増加し、過眠傾向になり、体重が増加しやすいといった通常の鬱とは違う傾向が見られます(通常の鬱は食欲低下、不眠傾向、体重減少が見られることが多い)。
今年は猛暑での消耗や、秋が暑かったせいもあり、これからぐっと寒くなってくるにしたがい、気分の落ち込みが増えてくると思われます。そんな冬季うつのお話をします。ちょっと長くなったので時間が有るときに読んでくださいね。
冬季うつ病とは?
冬季うつ、SAD(季節性感情障害)は、日照時間の現象によって引き起こされると考えられています。これは地域差からみても明らかです。冬季うつは、北欧など冬に日照時間が短くなる高緯度地域に多いとされ、日本でも北国で多く発症しています。春が近づき日照時間が長くなると症状は自然に治ることも、日照時間が影響していることを示唆しています。
冬は健常な人でも幸福を感じるホルモン、セロトニンが減ることがわかっています。日照時間の変化は、ドーパミンやモノアミンといった神経伝達物質にも変化をおこし、抑うつ状態を起こしやすい傾向になります。敏感な方の場合は、このような変化に上手く順応できず、冬季うつを発症しやすくなります。
冬季うつ病の症状
・気分の落ち込み
・気力減退
・イライラする
・楽しめない
・物事に興味がわかない
・食欲が増す。特に炭水化物や甘いものを欲する
・ずっと眠い 寝ても眠い
中医学的 冬季うつ
冬季うつを中医学では3つのタイプに分類して考えます。
元気がない気血不足
冷えが顕著な腎陽虚
精神不安定な肝気鬱結
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