シンガポールのホーカーがユネスコ無形文化遺産に登録されました!
こんにちは、パンダバスシンガポール支店です。2020年12月にシンガポールのホーカーが「ユネスコ無形文化遺産」に登録されました!ホーカーってなに?ユネスコ無形文化遺産とは?という方もいらっしゃると思いますので、ご説明していきたいと思います。
ホーカーとは?
シンガポール国内114カ所にある、ストールと呼ばれる小さな屋台が集まっている場所です。在住の方は違和感を感じるかもしれませんが、正式に認定されている場所が114カ所ということです。しかしこれもまた面白いことで、横並び4件くらいのホーカー(のような場所)があっても、そのうち2つだけしか制定されていない、などやや基準は不明な部分があります。
観光ガイドブックに多く掲載されているのは、ラオパサ(Lau Pa Sat)、マックスウェルフードセンター(Maxwell Food Center)、ニュートンサーカス(Newton Circus)などではないでしょうか。
特色のあるホーカーも多く、リトルインディアにあるテッカセンター(Tekka Centre)はインド料理がメインとなっています。ゲイランセライ(Geylang Serai)ではマレー料理が中心となっていますね。名前の通りチャイナタウンにあるチャイナタウンコンプレックス(China Town Complex)では中華料理を堪能することが出来ます。
ホーカーの成り立ち
そもそもホーカーというのの成り立ちは、古くさかのぼります。急速な都市化に伴って、1950年代から1960年代にかけ広がりました。多くの場合、通りの無認可の屋台の商人や不衛生な飲食物の問題を解決するために設けられたといわれています。最近の、特にシンガポールではフードコートに置き換えられエアコンが効いた屋内の施設になり、ショッピングモールや他の商業地に入る形のホーカーセンターが増えています。
屋外でワイワイと(※コロナ前)食べたり飲んだりするのも、いかにもアジア!という感じでよいのですが、きれいなホーカーではレストランのように落ち着いて食事ができるのもいいですね。シンガポールは雨季がありますので、雨が続く日々だと屋内はとても重宝します。
(ちなみに今は雨季です、お正月からずっと雨空です…。)
屋外だと衛生状況などの心配が出てくることもあるかもしれませんが、ご安心ください!ホーカーセンターは政府の管理下にきちんとありますので、衛生状態はばっちりですね。お店には政府認可のAとかBとか状態によってランク分けされた看板がおいてあります。ちなみにA(優良店)からE(不合格)まで基準が引かれています。虫などが出るとランクが格下げされるそうですよ。
ユネスコ無形文化遺産とは
さて、ここでめでたく制定されてユネスコ無形文化遺産とは何か?ということです。文化遺産と聞くと、形のない世界遺産と思いますよね。とてもややこしいのですが、世界遺産ではありません。
「無形文化遺産とは、慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう」
このように定義されていますが、未来に対して保護したい祭礼行事や伝統工芸、文化のこととなります。
日本だと2013年に和食、2014年に和紙、2009年にはアイヌの古式舞踊が登録されています。世界に目を向けるとジャマイカのレゲエやオーストリア・ギリシャ・イタリア3か国の移牧、つまり地中海とアルプス山脈の間の移動ルートで季節性の家畜移動、なんていうのも登録されています。傾向として多くの無形文化遺産がある国は新たな登録が難しいようで、日本は既に多く登録されていますので増加はやや難しい傾向のようです。
同じくユネスコの世界遺産についてですが、世界遺産は有形のものや場所が制定されていて、自然遺産・文化遺産・複合遺産の3パターンに分類されます。
シンガポールでは「シンガポール植物園」、いわゆるボタニックガーデンが2015年の7月に世界文化遺産に登録されています。植物、とつくから自然遺産かと思われがちですがこちらは文化遺産としての登録です。こちらパンダバスでも行先に入れているツアーもあります。もちろん在住者の憩いの場、お散歩場所としても人気です!かなり広いので全部回ろうと思ったら、動きやすい服装は必須です!!!絶対くつずれします(笑)
ホーカーあるある
ここで観光で来られるときには忘れないで欲しいポイントをお伝えします。
①ポケットティッシュ必須
②相席なのは気にしない
③英語が通じるのは約半分
といったところでしょうか。
①ポケットティッシュ必須
食べた後に手や口をふくのはもちろんですが、ちょっと油や汁がはみでちゃったお皿もありますので必ず持っていきましょう!もう1つの大きな役割としては、席取りです。必ずしも気になった店の近くに席があるとは限りません。貴重品の携帯はマストなので、こういう時にポケットティッシュが大活躍です!
プチ情報としては、シンガポールのポケットティッシュにはちょっと変わった形のものがあります。(香港にもありますが…)
分厚い紙と、テープで止められるのが使い勝手最高です!通常のものよりちょっとお高めですが、お土産として持って帰っても人気の1品となっています。
(NTUCのWEBサイトより)
②相席は気にしない
相席文化、というより席空いてるんだから座っていいよね~という感じです。現在はソーシャルディスタンスが保たれながらホーカーも運営していますので、密になることはありませんが。4人席に1人で座っていたら反対側にもう1人座ります。
③英語が通じるのは約半分
シンガポールはご存知の通り英語が公用語になっています(シングリッシュだけど…)しかしここは色々な文化が混ざっています、中華系、インド系、マレー系など様々な場所にルーツを持つ人が多いです。そしてホーカーのシェフたちは中華系にルーツを持つ方が多いです。
指差しで何とかなりますが、細かい注文をしたいときにはある程度大きめのストールや簡単な中国語を覚えておくといいかもしれません。困ったときは近くの人に助けを求めて通訳してもらうのも旅行の醍醐味ですね。
パンダバスでは通訳、ガイドのお手配可能ですので言語の心配は全くありません!お困りの際にはお声掛けください🐼
ホーカーでぜひ食べてもらいたい料理たちはまた別の機会にご紹介します。中の人、かなりの食いしん坊なのでいい情報をお伝えできると思います!
今回はホーカーが無形文化遺産に登録されたことを記念しての内容となりました。マーライオンやマリーナベイサンズ、きらびやかな場所がイメージされるシンガポールですがホーカーのようにローカル感あふれる場所も多く残っています。
現在ではホーカーを運営している方々の高齢化も気になるところとなり、このような形で文化保全ができることをとてもうれしく思います。
これからも食べることで文化の継承の一端を担いたいと思います!
ホーカー登録記念に動画も撮影しましたので、ぜひご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました🐼
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