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「書く仕事がしたい」著者、さとゆみさんのトークイベントに行ってきた。

なにげなく訪れた書店。
自動ドアが開き、入り口に足を踏み入れた瞬間、そのタイトルが目に飛び込んで来た。

「書く仕事がしたい」

その直球なタイトルに思わず足を止め、陳列された棚に直行し、自然とその本を手に取っていた。

お恥ずかしながら、佐藤友美さんという著者を、この時初めて知ったのだった。

通称、さとゆみさん、と呼ばれているらしく、テレビに出演なさったり、著書も何冊も出されている。

文章も読みやすく、その場で10分ほど読み耽ってしまった。

このままだと、立ち読みで全ページを読み尽くしてしまう。

我に返った私は、そのまま売り場に直行し、書籍を購入していた。
そして書店併設のカフェでアイスカフェオレを流し込みながら、途端に読破してしまっていた。

その出会いが、さとゆみさんに興味を抱いたきっかけだった。

私は現在、無職である。

持病があり退職したが、体調が思うように回復していかない。
同居している母は、以前のように仕事を勧めることもなくなってきた。

そんな母が「あんた、小説でも書いてみたら?」と言ってきたのが最近のこと。

小説・・。
読むのは好きだけど、自分が書くことはあまり考えたことはない。

けど、たしかに時間だけはある。

働いている時にできなかったことを、色々とやってみるか。

そんな思いで、今年の6月頃から、小説を書いて公募に出す、ということを始めた。

始めた、と言ってもnote創作大賞以外は1作品しか出していない。

そして7月、noteの創作大賞に応募した。

そんな時。

「書く仕事がしたい」という、その本に出会った。

なんとなく、もやもやぁっ、と心に抱いていた想いの答えが、そこにあった気がした。

そうか、私は書く仕事がしたいのか、としっかり感じたのはその時だった。

書く仕事というと、それこそ公募で賞を取ったり、特別なことがないと出来ない仕事、そう思っていた節がある。

しかし、その本に書かれていることは違った。

書く仕事といっても、小説家だけではなく、ライター、エッセイスト、コラムニスト、と様々ある。

さとゆみさんは、ライターという職業に焦点を当てて、説明して下さっていた。

書く仕事というと、才能のある人だけができる、とても遠くにある存在だと思われがちである。

しかし、ライターが目指すのは、分かりやすい文章を書くこと。

書く技術は上げれるし、その他諸々と気をつける点も努力もいるけれど、
ライターは雲の上の存在の仕事ではないのだと、その本は教えてくれた。

読み終えた人が皆、
「え、自分もライター、目指せるんじゃない?」
そう思わせてくれる熱量が、その本にはあると思った。

そして幸運なことに、その書店でさとゆみさんのトークイベントが開催されるとのことで、迷わず申し込んでいた。

こんな文章が書ける人なのだから、お話しを聞いても、絶対に面白いに違いない。


想像以上に、イベントでのお話しには熱が込もっていた。

文章を書くにあたって大事なこと。

そこに伝えたい熱量があるかどうか。

熱のある文章、熱のない文章。

それは読み手に必ず伝わるのだと、さとゆみさんは仰っていた。

講演会に行く際は、ノートとペンを必ず持参して、心に響いた言葉を書き残すようにしている。

そのノートをあとで読み返すと、必ずそのときに感じた感動が、もう一度甦るからだ。

そのイベント後、私のノートにはたくさんの言葉が書き綴られていた。

それだけ、さとゆみさんの言葉に熱意があり、私の書く手を動かしたのだ。

そんな人になれるか分からないけれど。
何者でもない自分がその場所にいて、心動かされて、少しやる気になっている。

そんな状況が、面白いなと思った。


暑さのせいもあるのか、脳が混乱したのか。
最近もパニックになって、つい「もう生きるのが辛い」と刹那的に思ってしまった。

薬飲んでる。大丈夫。大丈夫。大丈夫。

自分に言い聞かせながら、「何だこの人生」と落ち込んだりした。

ふと、思い返した。

そう言えば、少しずつ変わっているかもしれない、と書いたのは自分だな、と。

自分でも気付かないくらい、ゆっくりと自分の心が変わってきているかもしれない。

そんな過去の自分の言葉に、自分が励まされていて、思わず笑ってしまった。

遠出もできるようになったし。
映画館で映画を見ることができるようにもなった。

そう思えば、少しずつ変わっているような気がしてきた。

そうだな。あとのことは、未来の自分に任せるか。

よく分からないけど、よく分からないなりに、何か変わってきている。

そう思うと、少し気が楽になった。

未来の自分頑張れ。
私は私の今を生きるのに、精一杯だ。

今やれることはやるし、少しずつ挑戦もしてみるけど、そんな私を受け止めてくれる度量があってくれ。頼んだ。

そんな風に、都合良く考えてしまうことにした。


私は今、自らトークイベントに申し込んで、誰かの熱意に背中を押されたりなんかもしている。

私も誰かに影響を与えられるかは分からないけど。

いきなり月に何十万と稼げるライターを目指すのは難しいけど。

私はその本と出会って、トークイベントに行って、目指したい方向が少し見えてきたような気がした。

この出会いに意味があろうが、なかろうが。

誰かの熱意に背中を押される、というのは、なかなか得難い経験だなと思った。

しゃかりきに頑張るとかはできないけど、やれるだけやってみよう。


書くこと、書く仕事に興味がある方は、佐藤友美さんの
「書く仕事がしたい」
または
「本を出したい」
という著書をおすすめする。

誰かの熱意に背中を押される。影響を受ける。
そんな経験を、1人でも多くの方が得られたらいいな、と思う。



そんなことを熱く書いていますが、猛暑が続いて、なんとも萎えています。
なんとなく、適当にやっていきましょう。
暑中お見舞い申し上げます。




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