CO2排出の多いグルメ、少ないグルメ
こんにちは。PAF MALLのエシカル男子、【14期】エシカル・コンシェルジュ講座受講生のカワムラです。
地球規模のかつてない気候変動、また海洋熱波による影響が、日本でも米や野菜、果物、海産物といった食材に及んでいることが顕在化してきました。
このnoteでも地球規模のかつてない気候変動とその影響について書いてきましたが、あたりまえだった日本の食が、あたりまえではなくなる日が訪れるかもしれません。
日本の食を愛する一人として、連日の猛暑のニュースに危機を感じています。
CO2排出が多い食料 = 悪い食料!?
ところで、現代の「食料の生産・消費システム」が、世界の温室効果ガス排出量の1/3〜1/4を占めているということをご存じでしょうか。
これらの排出量の大部分は、農作物の栽培や家畜の飼育といった、農場での活動が占めていて、その割合は70%に達しているといわれています。
牛のゲップからメタンガス(温室効果ガス)が多く排出されているという話を聞いたことがある人も多いことでしょう。
一般的に、CO2排出が多い食料、少ない食料は、以下のように分類されています。
<CO2排出が多い食料>
牛肉
羊肉
チーズ
ひき肉
チョコレート
コーヒー
パーム油
豚肉
鶏肉
オリーブオイル
魚
卵
牛乳
<CO2排出が少ない食材>
さとうきび
ピーナッツ
小麦・ライ麦
トマト
とうもろこし
キャッサバ
豆乳
豆類
バナナ
りんご
柑橘系フルーツ
ナッツ
また、「食料の生産・消費システム」が、気候変動に対して与えている影響は、以下のようなことが挙げられています。
原材料輸入
→生産国での生産、国際輸送によるCO2排出
生産
→機械化による化石燃料利用、農業・漁業、土地利用・生産時(とくに畜産)によるCO2・ メタン排出
加工
→加工段階での燃料・資源利用によるCO2排出
運搬
→運搬・配送段階によるCO2排出
販売
→店舗などの販売拠点でのCO2排出
※加工〜販売過程で、過剰包装・プラ容器・プラ包装による石油製品利用、事業所でのCO2排出・事業用の車によるCO2排出
消費
→遠くから運ばれる食材や季節に合わない食材の摂取、過剰消費、過度な肉食
廃棄
→ゴミ収集、ゴミ焼却によるCO2排出、プラごみ・食品ロスによる廃棄エネルギー
これらに、かつてない気候変動が、さらに悪影響を及ぼしているのです。洪水や干ばつ、敵地変化などの異常気象による作物不作。ゆえに起こる価格高騰、燃料費や輸送費の高騰など。
こういった食料の生産・消費システムへの対策として、輸入効率化、生産拡大、プラントベース、カロリー調整、食品ロス半減、脱プラ、再エネ、EVなどを組み合わせて、CO2削減に取り組んでいるのです。
あまりにも大きな課題に、僕たちは消費者としてなにができるのでしょうか。脱プラ、フードロスを心がけるくらいなのでしょうか。牛肉を食べないなど、罪悪感から逃れるように食生活を転換させることが必要なのでしょうか。。
just right = ちょうどいい、身の丈に合ったアクションを
エシカル・コンシェルジュ講座では、too big(これは大変すぎる)、too small(これくらいでは効果がなさそう)といったアクションではなく、just right(ちょうどいい)、身の丈にあったアクションを肯定しています。
できることは限られる、もうやっている、あまり関係ない、わからない、自信がない、社会を変えらえると思えない、忙しい、お金がない、意識高い系、目立ちたくない、勇気がない、など自分の中にある課題。
知らない・知る機会がない、閉塞感・不安・無力感・あきらめ・絶望・見たくない、市民社会・NGOの脆弱さ、国際社会との壁、など環境と自分の間にある課題。
課題を突破するために必要なのは、やはり一人ひとりの力です。それを後押しして、広げてくれるのは、情報、知識、人、専門家ネットワーク、アイデア、仲間、プロセス、場、声などの繋がり。
気候変動対策には、 多くの便益があります。
環境を守る・生き物を守る
健康にいい(熱波や伝染病・ヒートショック)
家計にやさしい(高騰する化石燃料・光熱費を減らす)
仕事を守る(一次産業・災害)
文化や伝統をつなぐ
新しい仕事を作り出す(グリーンな産業)
地域の新たな価値を創造し、地域経済を回らせ、人口減少を防ぐ
将来世代に責任を持つ
希望を持ち、元気になる
でも、黙っていては、これらは失われていくのです。だからこそ、できるだけネガティブにならず、ポジティブに捉え、アクションを続けていきたい。
気候変動、エネルギー政策、産業や社会課題への対策。僕にとっては、知ることから始める、意思のある選択 が、just rightなアクションだと考えています。
消費者として、商品を選び、消費し、廃棄するまでに責任を持ちたい。そのために、知りたいという気持ちにしたがって、知識を深めていきたい。
また、食品に関わる事業者として、サプライヤーや生産者の方々との対話から知見を深め、伝えるべきことを伝えていきたい。
僕たちのPAF MALLも、消費者である皆さんの、意思ある選択の一助となれますように。